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閲覧ありがとうございます。
小説を書くのは始めてではありませんが、サイトに投稿するのは始めての初心者です。
まだまだ未熟ですが、覗いていって下さると嬉しいです。
※誤字脱字があるかと思われます。
※この小説は、ほんのりエロのあるR15です。
いつだろうか。自分が両刀だって、気がついたのは。
昔から、異性を見て1番に考えるのは、恋愛対象かどうか。
判断基準は醜くも顔で、その後にだいたいの性格で更に絞られ、最終的にはどいつも無いなって事で落ち着く。
綺麗に整った顔が好きで、可愛い顔の女の子を見てはいいな、と思っていた。
でも、それが本気の恋愛に発展する事は稀で、俺は恋多きようで恋少なき男だった。
そんなある日、別に男でも顔が整ってさえいれば、恋愛対象として見れる、という事に気がついた。
綺麗な男をオカズにどうにかしたとか、そう言う訳では無いが、キス出来るか否かとか、それ以上の行為に抵抗があるか否かと、考えたところ、…まぁ、余裕だという結論に陥った訳である。
だが、自分は両刀だろうと自覚した後も、男を好きになる事はなかった。…女を好きになる事もなかったが。
とにかく、恋とか、愛とかから、遠退いた生活をしていた俺は、性癖の事を特に悩む訳でもなく、至って普通の男子って顔して過ごしていた。
必要性を感じなかった為、カミングアウトもしていない。
綺麗な男の人を見れば、いいなと思う訳だから、自分が両刀だという事は忘れないにしても、俺は正直、恋愛って何だって状態になっていた。
だからといって、性欲が無い訳でも無く、寧ろ有り余るレベルで1週間に9回はネットの無料のエロをオカズにしていた。…いや、シていた。
そんな独り身の中年男みたいに寂しく慰めていた俺だが、この春、俺にも春が来た。
…言い回しまでもがオヤジ臭くなっているが、そこはそっと哀れみの目を向けるだけにして欲しい。
そう。
俺は、正に何年ぶり?という感じだが、恋をしたのだ。
しかも、今回はなんと男に。
無事に進級する事が出来た俺は、この春、めでたく高校2年生となったのだが、今回のクラス替えで万人が振り返るような美青年と同じクラスになったのだ。
言うまでもないと思うが、面食いの俺がそいつの事を気にかけない訳がない。
取り敢えずイケメンだな、なんて思ってたら性格もどストライクで。
俺は、呆気なく落ちた。…クラスの女子達と共に。
まぁ、とにかくそいつはイケメンで、イケメンなんだが、まさかの彼女がいないパターン。
どこのベタベタ少女漫画の方ですか?ってくらい、あり得ない。
もう一度確認するが、奴は万人が振り返るほどの美青年で性格もイケメンだ。
…何故、彼女がいない?ホモか?ホモなのか?
なんて馬鹿な事を考えてみるが、仮にそうだとしても、それはそれで美少年や美青年達がほっとかないだろうから、彼氏がいるだろう。
…まぁ、ノーマルだろうけど。
ホモじゃないとすると、行き着くのはやはり奴に問題があるんじゃないか、という所だろう。
…理想が高いとか、2次元に行っちゃってるとか、極度のマザコンとか、実は火星人…とか。
どう足掻いたって、どんなに考えたって、男の俺が報われるなんて事は、地球上の全人類が滅亡し、俺と奴しか残っていない中、俺が突然変異かなんかで美少女にでもならない限り、起きえないだろう。
そうやって理解していても、諦められないほど俺はいつの間にか奴の毒牙にやられていて……ただ苦しい。
そんな苦しい中でも、奴の姿を見ると、奴が話しかけてくれると、それだけで幸せになるんだから、恋って恐ろしい。
俺、中村 藍琉、16歳が、高2の春にて約5年ぶりに恋に落ちた相手は、学年のアイドル…竹内 瑠空だった。