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「暗い夢」サイトシリーズ① 「CM」 - 9

最初に、この作品はフィクションです。

創作です。

実在する個人・企業・団体とは一切関係ありません。

読者の皆さんは影響を受けて犯罪行為などに走ることなく、

正義と平和を愛する一国民として行動してください。

武蔵はその夜、夢を見た。


夢の中で武蔵は全裸だった。

周囲は暗闇。

暗い闇の中でもどこからか光が当たっているようで自分の姿だけは確認できる。

自分の視点では見えないはずだが、背中から腰にかけて黒いあざが見えた。


どこかから声が聞こえる。

「サンクシュトワナビ、エゼルオミスク、ムプテ・・」

何かの念仏のようなその声が直接頭の中に響いていき、黒いあざが大きくなっていく。


無性に吐き気がして、口からビチャビチャと大量の血を吐いた。

咳き込む。

「げほっ、がはっ」

武蔵は口元を手の甲で拭った。

手の甲に付いた本来赤いはずの血がどことなく黒っぽく見える。


視線を感じて血溜りを覗き込むと、できた血溜りの中には二つの虚ろな顔が映り、こちらを見ていた。

だが周囲を見渡しても暗闇の中に自分以外の人の姿はない。

二つの顔の目があるべきところは、ぽっかりと空洞となっており、気持ち悪さを感じる。

血の中から、見覚えのある二つのペンダントが浮かび上がった。


ペンダントを指で拾い上げる。

動画に映っていたものと同じ、ペアのペンダント・・・


「斉藤・・・鈴村・・・・」


ふいに、目覚まし時計の鳴る音が聞こえ、武蔵は目を覚ました。


寝汗が酷く、シーツが濡れている。Tシャツもスウェットも濡れていて不快だった。

すぐに服を脱ぎ、タンスから新しいTシャツを取り出した。


新しいTシャツを着る前に部屋の中の全身鏡を使って、背中を確認する。

黒いあざのようなものは無い。

武蔵はさっき見たものがただの夢であることを確認し、安堵した。


(嫌な夢だ。)


その日、武蔵は朝食をとり、いつもより早く学校へ向かった。



朝のHR前のクラスメートたちの談笑。

話題は今日から来る転入生のことばかり。

斉藤と鈴村のとりまき連中だけが、そろそろ連絡がないことがおかしいと話していた。


「なぁ、そろそろ連絡くらい来てもおかしくないよな。」

「うん・・・昨日こっそりメールしたけど、返ってこない。」

「もしかして・・・・」

「それだけは言っちゃダメ!無事だって信じようよ。」

「そうだよな!全く、警察は何やってんだよ・・・・」


武蔵はいつも通り、世界史の教科書を開く。

心の中は別の意味で穏やかではなかった。


暗い夢サイト内のあの動画を、こいつらに見せてやったらどうなるだろうか。

絶叫して泣き喚くに違いない。

言い出したい。

だがそれは自身の破滅に向かってしまう。

それでも言い出したいという気持ちと、絶対にやってはいけないという気持ちの揺れを楽しみながら、自分だけが二人の最後を知っているという優越感の中で、武蔵はほくそ笑んでいた。


担任の櫻井が来て、いつものようにHRが始まる。


「斉藤と鈴村の件、警察が捜索中だからまわりにおかしなこと言ったりして不安にさせたりするなよ。あいつらのことを信じて戻ってくるのを待つぞ、いいな!」

「先生、やっぱり俺らからスマホに連絡入れた方がいいんじゃないですか?」

「詳しいことは言えないけど、スマートフォンのGPS機能使って今警察が調べている。目撃情報も集めているから。心配すんな。木下、昨日おまえ達は警察に、いつもあいつらとどこに立ち寄ってたかとか教えてたよな。」

「はい。」

「後は警察に任せろ。よし、あ、それと転入生紹介するから。廣田!入って来い。」


転入生の廣田亜里沙が教室に入ってくる。

ショートボブの髪型に縁のある眼鏡をかけている。

身長は160cmくらいだった。

目は大きく、鼻筋もすらっとしている。

体型は痩せ型ではない。

だがメイクは地味な感じだった。

ほのかにシトラスに近いような弱くて甘い香りが広がる。


男子生徒たちが「おおっ」と声を上げる。


「ほい、挨拶。」

「廣田亜里沙です。こっちに引っ越してきました。卒業までの間しか皆さんと一緒にいられませんが、仲良くしてください。よろしくお願いします。」

「廣田は前にも言ったけど、特殊なお家の事情で今月も来れない日とか結構あるけど単位とらせて卒業させるから。」

「廣田さん、趣味教えてー。」

「趣味は映画のDVD見たり、スポーツをすることです。」

「おい、赤木。もうすぐ一限目始まるから、そーゆーのは昼休みにでもゆっくり話せ。他に連絡事項ある奴いるか~?」


武蔵は一旦世界史の教科書から視線をずらして廣田亜里沙をじっと見る。

どこかで何度か見たことがあるようなおかしな感覚に陥ったが、特に気にすることはなかった。


(案外、ブスでもなかった。良かったな、お前ら。)


シリーズ①の「CM」の頭と尻はできてますが、間の流れとかが完全にできてません。なので、連載形式にしてます。

シリーズ②の「MH」のネタは既にかなりできてます。


次は

「暗い無」サイトシリーズ① 「CM」 - 10

になります。


文章力などまだまだ勉強が必要ですが、

よろしければ応援よろしくお願いいたします。

基本、土日で更新。

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