「暗い夢」サイトシリーズ① 「CM」 - 5
最初に、この作品はフィクションです。
創作です。
実在する個人・企業・団体とは一切関係ありません。
読者の皆さんは影響を受けて犯罪行為などに走ることなく、
正義と平和を愛する一国民として行動してください。
ピローンという音がして、メールが「暗い夢」サイト内のメッセージサービスに届いた。
差出人は「暗い夢」サイトの「クライムマイレージ管理局」となっている。
佐多が恐る恐るメールを開いてみる。
すると、次のように書いてあった。
「黒霧半蔵 さん
いつもお疲れ様です。
クライムマイレージ管理局です。
クライムマイレージのランクが落ちてしまいましたね。
あなたのサポーターの方から支援ポイントが 10000ptとアイテム「KING'S ORDER」2回分が届きました。
サポーターからのポイントとアイテムを受け取る場合は,下の画像をクリックしてください。
アイテムは消費回数と効果時間がありますので、ご注意ください。
クライムマイレージでポイントをアイテムと交換する場合はSHOPコーナーをご利用ください。
では上のランクを目指して頑張ってくださいね。
」
「黒霧半蔵」 とは武蔵のアカウント名だ。
佐多は、とりあえずメールの画像をクリックした。
すぐにランキングに戻る。
「やった!」
武蔵はガッツポーズをした。
うれしくなり、部屋の中で数回飛び回った。
「ドン、ドン」という音が響く。
さっき一つ上のランカーだった「暗黒侍」を超えて、自分が24位となった。
受け取ったポイントが加算されて逆転したのだ。
「暗黒侍」に対して、自分が特別視されているという優越感に浸り、勝利を感じた。
「でも、待てよ。『暗黒侍』にも同じようにさっきのメールが届いたら・・・」
武蔵は不安になってきた。
すぐにでもポイント稼ぎに外出したいが、もう22時だ。
家の鍵は両親がそれぞれ持っている。
うかつに鍵をよこすように言っても、不審がられる。
サイトのことがばれたら、スマートフォンが没収されたり、PCをとりあげられて
警察を呼ばれるかもしれない。
悩んでいても仕方ない。
10分ほど考えたが、もし逆転されてもまた稼げばいいと少し前向きな考えを持つようにした。
(そうだ・・・アイテムって何だ?・・・初めて聞いたぞ・・・・)
サイトのメッセージサービスを見ても、添付ファイルがついているようなメールは来ていない。
そもそもアイテムというのは、何かしらのゲームで主人公が操作するキャラクターをゲーム内で有利に運ぶためのものだ。
サイト内を見回ってみても、アイテムのようなものが自分に届いているようには見えない。
部屋の中にテレビアニメの主題歌を歌うアイドルの曲が流れた。
「俺の脳内中2設定で現実が楽園に変わった」というテレビアニメの主題歌で、
「ひぐらしきさら」というアイドルが歌うOP曲だ。
そして武蔵のスマートフォンの着信メロディでもある。
ベッドに腰掛け、スマートフォンの画面を見るとアプリケーションの中に「王冠」のマークのものがあった。
こんなアプリは今まで自分のスマートフォンには入れたことがない。
アプリを起動してみる。
すると、「王冠」のマークの右下に2の数字が出ていたものが、1に変わった。
何かスマートフォンに変化が起こったわけではない。
「暗い夢」サイトをもう一度見渡しても同じだった。
(しょぼいなぁ・・・何のためのアイテムだよ。)
明日もまた学校だ。
「ふぅ・・・きさらちゃんに・・・会いたいなぁ・・・。
つまらない日常だけど、『暗い夢』サイトだけが俺の心を満たしてくれるなぁ。
学校いきたくねぇ。
透明人間になれたらなぁ。
透明人間になりてぇ・・・。
斉藤も鈴村もムカつくなぁ、死なないかなぁ。」
斉藤と鈴村とは、クラスメイトで自分の陰口を率先して流している男子生徒と女子生徒だ。
武蔵はそのまま天井を見て考え事をしているうちに、部屋の電気をつけたまま眠ってしまった。
シリーズ①の「CM」の頭と尻はできてますが、間の流れとかが完全にできてません。なので、連載形式にしてます。
シリーズ②の「MH」のネタは既にかなりできてます。
次は
「暗い無」サイトシリーズ① 「CM」 - 6
になります。
文章力などまだまだ勉強が必要ですが、
よろしければ応援よろしくお願いいたします。