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#25 始まりの終わり

あれから半年が経った。

社会は、あの同窓会で「何が起こったか」を知らない。


行方不明となったクラスメイトたちについては、「謎の失踪事件」として処理され、最終的に警察の捜査は行き詰まった。


僕たちが共有する真実は、あの校舎の壁の中に封印された。


由実が黒幕であること。愛花梨が実行犯であること。そして、剛と先生、そして雄吾、迅、晴紀の死が、一つの情報隠蔽の連鎖によって引き起こされたこと。


その全てが、僕たち残された者の内なる秘密となった。


僕たちが証明したのは、「終わりがない」という、未来への無限の選択の可能性だった。


由実は逮捕されなかった。

だが、無数の選択肢があった中での自分の選択が生んだ結果が「殺人」であったという事実が、彼女を蝕んでいた。


彼女は社会の中で静かに息を潜めている。外部の法ではなく、責任を静かに負う、なにより、誰かの善意にたまたま救われていて、それがいつ崩壊するかもわからないという、恐ろしい刑罰を課せられたのだ。


愛花梨は、自ら罪を背負い、「Start from scratch」の最も困難な道を選び取っていた。

彼女の罪は消えないが、それでもなお、彼女は未来を閉ざさないという、先生のメッセージを体現していた。

彼女は、過去を償いながら、未来を切り拓くという、最も重い「終わらない選択」を日々、続けている。


僕は、あの同窓会が、僕自身の人生における最後の、そして最も重要な授業だったと確信している。


運命や環境という一つの選択に、僕の人生が左右されることはない。由実が信じたような「冷たい永遠」は存在しない。


あるのは、無数の選択によって、常に未来が更新され続ける、「終わらない」証明だけだ。


僕たちは、あの校舎を出た後も、由実の信じた「永遠」と、先生の赦しという教えの間で、選択を繰り返している。


過去は重いが、それは僕たちの「ゼロスタート」を阻むものではない。


僕は、新しい朝を迎えるたび、校門をくぐったあの日と同じ決意を新たにする。


「何者にでもなれるし、なんにでも変えられる」


僕たちの同窓会は、物理的には終わった。


しかし、そこで証明された「終わりがない」という哲学は、僕たちの毎日の「選択」の中に、今も息づき続けている。


この物語は、僕たちが生きている限り、そして僕らとの思い出を誰かが共有している限り、決して終わらないのだ。


始まりは長かったが、いまは短く感じた。 


「終わる」のは「一瞬」、最初の道のりはとても険しく、とても「長い」のだ。

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