#24 すべての『真実』
まず、犯人は愛花梨だった。
理由は湊先輩の復讐。
湊先輩と愛花梨は幼馴染だった。
湊先輩の件で復讐をしない自分の勇気のなさと無力さに助けられなかった喪失感と後悔を抱えていた愛花梨は、先生の「Start from scratch」、すなわち0から始める、という言葉をきっかけに復讐の勇気を得る。
このやるせない気持ちが終わらない状態だった愛花梨にとって0から始めるというのは、やるせない気持ちを0にする、すなわち復讐を始めるということだったからだ。
愛花梨は同窓会での実行を考え、先生を利用する。
先生の家に行き、先生と一緒に余興と称して、主犯の雄吾と迅に復讐する準備をする。
先生のスマホから、メールを、同窓会中に飛ばすことにして、先生と協力して、みんなへの質問文を作った。当然、雄吾と迅のは愛花梨が先生にバレないように、質問文を作る、それ以外はすべて余興向きにした。
先生も当然担当した。しかし、先生は余興向きの質問文をすべて作ったように見せて、クラスのまとめ役の聖羅と零、そしてしっかりものの晴紀と仲の良い剛、彰、由実に余興向きでない質問を入れることで余興でないと疑うように仕向ける。楓夏は親が湊の一件を知っているため、グレーと判定し、余興向きの質問文にしたのだろう。
また愛花梨の質問文ももう一度立ち止まって、これでいいのかと自分を見つめなおせ、という意味で手鏡を探せにした。
そのうえで、愛花梨に自動送信設定で時刻を設定したのを確認させて、変更不可とする前に、聖羅、零、晴紀、彰、由実の質問文を余興向きでない質問文にして、変更不可として、自身のスマホを愛花梨に渡す。
あとは怪しまれないために、愛花梨の指示に従い、動画を取る。
愛花梨は剛にメールを出して、早めに来させて、鍵での施錠等を行わせる。
また迅には質問文ではなく、湊の一件を世間に暴露すると脅して、プロジェクターの上下動と先生の動画の再生の役を担わせる。
先生は6:30に学校についた愛花梨を待ち伏せて、「復讐をやめろ」といった。
自分が消えても自分が余興向きでない質問文を送ることになっている生徒が余興に違和感を感じて、愛花梨に辿り着くと信じて、愛花梨に「復讐をやめろ」というが、「先生から教えてもらったんだよ、いまから終わらない証明を終えるの」といい、刺されてしまう。
先生はこと切れる。「永遠」と「終わらない」の違いについてと最後にメッセージを僕らに残して。
愛花梨は隣の教室に運ぶ。時間がなかったためだ。
剛がきて、作業に行く間に教室に台本を置く。
剛が鍵を黒い箱に入れたのを確認して、鍵を自分のトランクに入れ、
職員室のすべての鍵も自分のトランクに入れる。
そうして同窓会は始まった。
余興向きでない質問文をみて、晴紀はすぐに愛花梨が関わっていると気づく。
愛花梨と付き合っていたから、湊先輩の一件も湊先輩と愛花梨の関係も知っていた。
愛花梨が一人になった時にに問いただすも、計画の本懐を成し遂げていない愛花梨にとって、晴紀は危険要素だったため、晴紀を刺す。
だが晴紀は生きていた。愛花梨のトランクから剛の使ったマスターキーを見つけ出し、職員室の奥の校長室にある機密用パソコンにマスターキーで接続し、湊の一件の真相を知る。
黒幕は由実で、母子家庭だった由実は、その変えられない環境を馬鹿にした湊の母親が許せず、湊をいじめるために、雄吾と迅を使っていた。
二人とも湊が二人を馬鹿にしていると言えばすぐに信じた。
この真相を知った晴紀はこの事実を愛花梨が知れば、愛花梨が危険にさらされると思っ。
なぜなら由実は湊先輩を消した張本人だから。
愛花梨も同じ目にあう可能性がある、さらに由実は公になりそうになったら、もみ消すために事実を知るものを消す可能性もある。
だから愛花梨が事実を知ることがないようにインターネット回線と電話回線を破壊した。電話回線は録音機能の破壊のためだ。
だが、晴紀は由実に殺される。手鏡を探す、愛花梨を手伝っているときに見つかって、感づかれたからだ。
晴紀はマスターキーを職員室のコーヒースタンドの下に隠していた。
由実はそれを発見できず、ほかに真相を知るものはいないとふんだ。
雄吾と迅は愛花梨が消そうと、思ったが、先に由実が消した。口封じのためだ。
脅して、遺書まで書かせて。
愛花梨は平和な3日目の日に抜け出して、剛がもっているトランクとあらかじめ用意しておいたまったく同じトランクを体育館倉庫から引っ張り出して、先生の遺体をそこに入れる。
剛のは体育館倉庫に隠す。
雄吾と迅は自分の手で消せなかったが、愛花梨は満足、少なくとも湊に手紙で謝っていたから。(ほんとうは由実が脅して書かせただけだが)。
愛花梨は馬鹿正直な剛を最後に消して、すべてを押し付けて同窓会を終えようとした。そしてそれは由実にとっても好都合だったのだ。
これが愛花梨がそしてそれを知った由実が、描いた結末だった。
僕はこの事件の全貌をこう推理して、ため息をついた。
友との別れ、友の裏切り、友のやさしさ。
一人では何もできない。誰かの選択によって、今、自分は生かされていた。そして自分の選択によって誰かが生きていた。
「終わらない」の証明は、僕なりにこれで「終わった」だろう。




