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お前可哀想じゃ

第一話です

テレン!

スマートフォンの通知音がなる。

「ん〜もう朝かぁ…」誠は目をこすりながら目を覚ました。

目をこすり終わった誠はスマホを手に取った。

「もう9時かぁ…部活始まっちゃうよ…」

「…」

「…」

「…?」

「…!?」

「えっ!?もう9時後に十分で部活はじまるじゃねーか!」

誠はかぶっていた薄いタオルを蹴飛ばし部活に行く用意をした。用意を終えた誠は玄関に行き靴を履いて玄関を飛び出した。

(ここから学校までは徒歩で約15分現在時刻は9時15分部活開始は9時20分だから絶対に間に合わない!何か遅刻してもいい方法はあるか…)

誠は夏休みになって以降全く使っていなかった脳をフルで動かして考えた。

(!?)

そんななか誠はあることを思い出した。

   

         夏休み始まってから五日目のある朝 


「先生すいません!遅れてしまいました。」

「ゴミクズ太郎が遅れるなんて珍しいなぁ」

誠がグラウンドで部活のメンバーたちと練習をしていた時ゴミクズ太郎が遅れてグラウンド上に来た。

    

佐々木ゴミクズ太郎

サッカー部、成績優秀、容姿端麗の3つを揃えた誠の部活のキャプテンでみんなから信用されている時期生徒会長候補の一人である。

…時々悪い噂も聞くが、

あのゴミクズ太郎が悪いやつなわけがない!!


「どうして遅刻したんだ?」

顧問の若林先生がゴミクズ太郎に問いかける。

「それが…今さっきまでおばあちゃんを助けていまして…」

「何!?詳しく詳細を教えてくれ」

若林先生はゴミクズ太郎の答えに驚きつつも詳細な内容を聞いた。

「……」

ゴミクズ太郎は2秒くらい沈黙し何かを考えた後に喋り始めた。

「それがさっき学校の近くの交差点でおばあちゃんが血だらけで倒れてたので僕がおばあちゃんを抱えて病院まで運んだんです。なので遅れました…」

ゴミクズ太郎は淡々と若林先生に伝えた。

「ゴミクズ太郎…」

若林先生は口を開いた。

「…お前みたいな生徒を持てて俺は良かった。本当にお前はいいやつだ。」

鬼の若林と言われ恐れられた若林先生は初めて生徒たちの前で泣いた。

若林先生は血だらけのおばあちゃんを助けた英雄ゴミクズ太郎を抱きしめた。

ゴミクズ太郎の"真っ白な”服に若林先生の涙が落ちる。

これにはサッカー部のみんなも涙をこぼし誠も最近ゴミクズ太郎とよく話している彼女のアンナとともに泣いた。


(そうだ!俺もゴミクズ太郎キャプテンみたいに誰かを助ければいいんだ。)

誠はそう思い周辺を見回したが困っている人などいるわけがなく平和な日常であった。

だがそんな平和な街に一つの悲鳴が上がる。

「メリーちゃーん!!」

誠は後ろから聞こえた声の方を向いた。そこには泣きながら道路を見ている少女がいた。道路の上には犬が倒れていた。誠は考える前に足が動いた誠は道路に出て倒れた犬を触った。

(!?)

誠は犬の感触に疑問を覚えたその犬の毛はサラサラではなく高級バスタオルみたいな触り心地で犬自体も枕のようにもふもふだった。

(ってこれ…おもちゃじゃねーか)

誠はそう思い、犬のおもちゃを抱えて歩道に戻ろうとした瞬間。

           

ブッブー!

トラックのクラクションが聞こえた。誠が音の方向を見たときにはトラックと誠の距離はすでに2メートルほどだった。

誠は今までに経験したことが走馬灯のように思い出を駆け巡った。

ゴミクズ太郎の買い物に荷物運び要因として呼ばれた時、ゴミクズ太郎に未だ帰ってきていない2万円を貸した時、試合中ゴミクズ太郎に後ろからスライディングをされた時…等様々な記憶が蘇った。

バァン

バァンという音とともに誠は目を閉じた。

(なんか意識が…)

享年16歳木下真は息を引き取った

はずだった。


            天の地 エデンパーク

死んだはずの誠はなぜか目がさめた(さっき俺はトラックに轢かれたはず…?)

誠はさっき起こったことを思い出しながら立ち上がろうとした。体はいつもより軽く感じた。

誠はぼんやりとした目をこすり周りを見渡した。周りには何もなく白い地面が地平線のように広がっていた。

「あら、起きたのね誠くん。」

後ろから女性の声がした。誠が振り向くとそこには神様のような服を着た金髪の巨乳の女が立っていた。

あまりの可愛さに誠は先程まで少し曲がっていた腰をピシッと伸ばし頬を赤らませ緊張した。

「だ、誰ですかあなたは?」

誠は緊張した口調で尋ねた。

「私?あぁ私はマリンよ。貴方の魔王討伐の冒険を手助ける」

「ま、魔王討伐!?」

誠はマリンの突拍子のない発言に驚いた。

「えぇ魔王討伐よ貴方は今から異世界に転生して仲間を集めて魔王を討伐するのよ。」

「こ、この俺が……異世界転生して……魔王討伐……!?」

誠は思わず拳を握りしめた。

胸の奥から、妙な熱がこみ上げてくる。

「えぇ、そうよ。私も――誠くんのために闘うわ」

マリンは優しく微笑み、黄金の光に包まれていく。

長い髪が風に舞い、まるで女神のような――

いや、女神のよう、というか。

「……うぅ、あぁぁ~腰が痛ぇ! この変身、マジで骨にくるわい……」

「……え?」

そこに立っていたのは、さっきまでの美しい少女ではなく――

禿げ上がった頭頂部、腹の出た白いローブ姿の、

どう見ても中年のオッサンだった。

「お、おっさん!? 誰だお前!」

「お前って言うな! わしじゃ、マリン――いや、マリオ・リンゼル神だ!」

「名前すらおっさん臭い!!!」

「っていうか何で女装してたんだよ!?」

誠は当たり前のような質問をする

「あぁ、最近神界隈で異世界転生系が流行っとってな。だから“異世界転生系でよく出てくる巨乳の鮮彩髪女に変装してたんじゃ。」

(神界隈ってなんだよ……。てか流行りとかあるのか神に。)

「で、結局その魔王ってどこにいるんだ?」

誠はあえてツッコミを飲み込み、話を本筋に戻そうとした。

「あぁ、すまん。それ嘘じゃ。」

「……は?」

「いやぁ、最近異世界転生から魔王討伐ってテンプレが人気でのう

一度くらいやってみたくて言ってみただけじゃ。」

「……」

誠は無言で立ち上がり、神もといオッサンを指さした。

「お前、神としての威厳ってものをどこに置いてきた?」

「威厳? あぁ、あれか。去年の飲み会でなくした。」

「どんな飲み会だよ!!」

神は頭を掻きながら、しれっと言葉を続ける。

「まぁ、そんなことより誠よ。お前の人生…ちと、可哀想じゃったな。」

「は?」

誠は思わず眉をひそめる。

「だってそうじゃろ。朝は寝坊して、キャプテンには金を貸したまま帰ってこず、犬だと思って助けたらそれがおもちゃでしかもトラックに轢かれて終わる人生なんて神界でもなかなかおらんぞ?」

(誠の彼女キャプテンと浮気していることは黙っておくか…)

神、マリオ・リンゼルはふと真顔になった。

「わしも神としてな、少しばかり罪悪感があるんじゃ。お前の魂、本来ならまだこっちに来る予定ではなかった。つまり早死にじゃ。」

誠は言葉を失う。

「だから、特別にチャンスをやろうと思ってな。」

「チャンス?」

「あぁ。お前がある世界で勝利すれば、現実に戻してやろう。」

「……勝利?」

「そうじゃ。勝つんじゃ。一度でいい。勝てば、すべて元通りにしてやる。」

マリオの瞳が、冗談とは思えないほど鋭く光った。

「だが、ただの勝負ではつまらん。神界の連中も注目しておる、人の心を試す遊戯を使うことにした。」

「……人の心を試す?」

「うむ“人狼”じゃ。」

「じ、じんろう……?」

誠は聞き返した。神はにやりと笑う。

「お前はこれから異世界へ送られる。そこでは嘘と真実が入り混じり、仲間と敵が交錯する。

お前がその世界でただ一度勝利を掴めば――現実に戻してやる。」

「……負けたら?」

「そのときはもう一度転生じゃお前が泣こうが、拒否しようが、精神が壊れようが勝つまでは永遠にやらせるぞ!」

「地獄よりひでぇじゃねぇか!!」

神は笑いながら、金色の杖を空に掲げた。

「では、始めようか。 人の本性が暴かれる世界 へようこそ。」

まぶしい光が誠を包み、足元の白い大地が崩れ落ちていく。

   

   次に目を開けたとき、誠はすでに“人狼の異世界”に立っていた。



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