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エンドNO.23 旅行だ~

「さあ。見えてきたよ。あそこが王都さ」


「おぉ~!大きい!!」


エヘヘッ。来ちゃった(突然来た彼女感)

結局悩んだ末、カーミエちゃんの招待に応じることにしちゃったよ。

ただ、応じたはいい物のその時から管理時間は立っているね。それこそ半年以上日程調整にかかったんじゃないかな?さらに日程調整してから実際に行なわれるまでもちろん1月くらいはかかるし、割と最初に招待に応じるかどうかで何を悩んでいたのかはっきり思い出せなかったりするね。

さすがにこの時間がかかりすぎる部分に関してはカーミエちゃんも申し訳なさそうにしてたよ。それこそ決まるまでは毎回会うたびに謝られてたね。


ただ、憶えてないからと言って僕が何も考えずに応じたわけではないことは確か。メリットとデメリットを考えたうえで来ることを決めたんだよ。できるだけ僕が目を付けられないよう、目立たないために何をすればいいか考えて、ね。

ちなみに僕が最も大きなメリットだと考えたことが、


「アエリュ。そんなに身を乗り出した危ないよ。もうちょっとこっちに来て」


「は~い。ママは見ないの?」


「私は昔見たことがあるからいいかな。それに、ここからでも十分見えるよ」


タスミさんが一緒に来ることになったからだね!


…………いや、待って!石を投げないで!確かに将来の事とか考えて真剣に悩んだ結果1番大きな理由がタスミさんになっているのは良くないと思う気持ちは僕にだってあるんだよ!ただ、別に他の要素を比べても来る方がメリットはあったから。だから、安心して?僕はまだそんなに馬鹿にはなってないから。ね?


でも、タスミさんとお出かけできる機会なんて本当にないんだよ?それこそ僕の村で旅行に行く人なんてほとんどいないからね。皆村の中に閉じこもってて、外に行こうなんて言う人は冒険者の人くらいしかいないんだから。

閉鎖的なのもそういう面だと困りものだよね。

だから、そういう意味でもタスミさんとお出かけ。しかも、長期の旅行を一緒にできるのなんて本当に今回くらいしかチャンスはないんじゃないかと思うんだよね。

そういうわけで、居番大きなメリットにタスミさんといっしょに行けることを上げても仕方がないことだと思うんだよね。


もちろん、一緒に行くメンバーはアエリュちゃんとタスミさんだけではなく、僕の両親もいるし、


「久々に見るが、相変わらず見るだけで騒がしい場所だな」


「先生がいた時とはあんまり変わってないんですか?」


「外から見る分にはあまり差はないな。一部の壁が少し高く、分厚くなったくらいか?中は大きく変わっているだろうが」


先生もついてきてくれた。本人はとてもいやそうだったから留守番してくれていても良かったんだけど、ついてきてくれたんだよ。おそらく僕たちが貴族の悪辣な策略にかからないようにっていう心配の気持ちによるものだろうね。本当にいい先生がいてくれてよかったよ。僕たちだけだと、カーミエちゃんにすらコロッと騙されかねないからね。

ただ、残念ながらダキエちゃんまでは連れてこれなかった。後でアエリュちゃんと一緒にお土産をたくさん買っておくつもりだよ。


さて、そうして僕たちの行く王都がもう移動用の馬車からも見えてきているわけだけど、その見た目はかなり凄い。やっぱりこっちの世界はこっちの世界で、都会はものすごい場所なんだね。

前世にあった高層ビル群とはまた違って、ものすごく巨大なお城のようなものが中心にあって大きな塔なんかが見える。しかもよく見てみると、その上空をいろんな人とか動物とかが飛んでいるんだよ。

たぶん、飛んでいる人は魔法を使っている人達だろうね。

そんなものを見て僕は感心しているんだけど、


「私もお空飛びたい!」


「う、うぅん。できるものなのかな?ちょっと確認してみないと分からないな~」


アエリュちゃんは自分も飛びたいと興奮した様子で主張している。やっぱりああいうのって憧れる気持ちはあるよね。

こうして騒ぐのもまた子供らしくていいね。


…………全然飛んでみたいとかいうわけではないんだけど、僕ならあの魔法すぐに使えるようになったりしないかな?アエリュちゃんとは違って、僕は錬金術とかもやっててある程度魔力操作はできるはずだし。

いや、全然空を自由に飛びたいなんて思ってないけどね?


「王都内に入るのには通行証を見せたりとかしないといけないから、少し停まるよ。その時に城壁なんかはしっかりと見れるかもね」


カーミエちゃんによると、王都を囲うようにして存在する壁は城壁らしい。1つの都市を囲う壁を城壁と呼ぶのか僕には少し疑問だけど、とりあえずこれもこれで凄いよ。先生は少ししか変わってないって話だったから元からなんだと思うんだけど、かなり分厚くて高いんだよね。壊すのも上るのも難しそうだし、簡単には侵入出来なさそう。


なんて思ったけど、よくよく考えてみれば簡単に超えられそうな人が僕たちの目には映っているよね。空飛んでいる人がいるんだから、割と壁とか意味ないんじゃない?って思ってしまう部分もある。

ということで気になって聞いてみると、


「確かにそこは当然の疑問だろうな。だがエサカ、よく見てみろ。城壁の上の空気が少し他の部分と違っているように感じないか?」


「ん~?…………言われてみるとそんな気がしないでもない、でしょうか?」


「実際、そこには結界が張られているんだ。だからこそ、飛行して侵入することは非常に困難だな。どちらかというと、それはかなり危険な部類に入るだろうな。あそこにある結界は、ドラゴンを想定して張られたものとなっており、触れる時の勢いによってダメージが発生する仕組みになっているらしいからな」


「へぇ~。そうなんですか?すごいですね…………どうやったらそんなもの作れるんだろう」


先生の説明によると、空もしっかりと対策がしてあるらしい。さすがにそんなに甘くはないってことだね。なんだか安心した気がするよ。

ただそれはそれとして、そういった特殊な防衛機能を作れるっていう機構は興味深い。もしそれの作り方とかがわかれば、僕の戦力向上にもつながるかもしれないよね。相手の攻撃に合わせて結界を張れば勝手に向こうがダメージを受けるなんて、そんなのもうそれだけ鍛えておけばほかは何もしなくていいレベルじゃん。

使い方知ってる人とかいたりしないかな~。


なんて思っていたら、


「あれは、何百年も前の賢者って呼ばれている人が作ったものだよ。確か、その人が倒した邪竜とかいう凶悪なモンスターの心臓をコアにして結界は作られているんじゃなかったかな?」


「えぇ?そうなの?ママ、詳しいね!」


「ふふっ。昔たまたま何かで聞いただけだよ…………今は歴代の賢者様が何人かと一緒に結界は維持とか調整とかをしてるんだった気がするよ」


「へぇ。そうなんんだ」


何と意外なことにタスミさんから解説が聞けた。たまたま聞いたとか言ってるけど、絶対何かありそうだよね。よくよく思い返してみれば昔王都も見たことがあるとか言ってたし、もしかしてタスミさんは僕たちの村の出身というわけではないのかも?ちょっと気になるね。

幼馴染の血筋が特殊なんて言う設定はゲームだと有りがちだし、何かあっても全く以ておかしくはない。もし分かるようならそれとなく調べてみても良いかもね。


色々僕としては考えることがあるけど、そうしてタスミさんの解説が行なわれると補足が先生やカーミエちゃんから入ってきて、


「現在は賢者様と宮廷魔導士4人。そして公爵家から1人の6人で対応しているね」

「実際に術式に問題がないかどうかを確認するのは賢者だけ。他の面々は魔力に異常がないかだったり他の機材の部分だったりを調整するのが主な仕事だと聞いたことがあるな」


「へぇ。そうなんですね…………ちなみに、公爵家からの1人っていうのはカーミエちゃんの家からってこと?」


「いや、他の家だね。魔法関係に強い公爵家があるんだよ」


「ふぅん。そうなんだ」


こうして僕は結界など王都の防衛体制なんかも学びつつ、王都への入場許可が下りるのを待つ。

きっと、本編が始まるとこの城壁とか結界とか破壊されたりするんだろうな~。管理している人たちに裏切り者が出たり、賢者様とかいう人が狙われたり。

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