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エンドNO.17 孤立ですか?

カーミエ君が参加して練習が始まり、またもう一度僕は基礎を復習できた。やっぱり完璧に把握できていると思ってたけど何個かは抜けているところがあったね。思い出せてよかった。


アエリュちゃんと一緒に、そんなものあったなぁみたいなことを言いながらカーミエ君の動きも一緒に観察させてもらったよ。


先生の話によるとカーミエ君は見よう見まねで先生の件を模倣しているらしく、形としてはある程度整っているのだとか。積み上げるべき基礎は足りていないらしいからそこはこれから鍛えていく必要はあるらしいけど、それでも今まで得てきたものは十分すごいし素直に感心してたね。

そしてそれだけの感心されるような模倣ができるのは、ひとえにカーミエ君が先生の剣に本気だから。練習する時もかなりの熱があって、やる気だけで言えば1番凄いかもしれないね。僕も結構本気でやってはいるけど、さすがに負けたと思ったよ。


ただやる気では負けてもそれで練習の効率まで負けていい理由にはならないし、


「それじゃあもう一度だ!エサカ君、構えたまえ!」


「はい。何度やっても負けるつもりはありません」


模擬戦でも負けるつもりはない。

初見殺しに近い気配を消す技術は対応をされるから、数回勝負をした後は実際に剣での打ち合いも発生し始める。カーミエ君はカーミエ君で才能を感じられて手強くは感じるけど、それでもまだまだ負けそうにはないかな。

もちろん、油断しているとすぐに追い抜かれて負ける気もするけどね。


僕ではなくアエリュちゃんと戦っている時なんてかなり勢いがある。先生の剣を分析しているからアエリュちゃんには結構食らいつけるんだよね。ある意味、もう少し育てば先生特攻の存在になるのではないかと睨んでいるよ。

そして、そんなことを思うくらい先生の剣が好きなカーミエ君はアエリュちゃんの剣にもかなり感心しているようで、すぐに2人の距離が詰められていく。結果として仲良くなった2人は、


「覚悟したまえ、エサカ君。ボク1人ではまだ届かないが、今度は簡単には負けないよ!」

「ふふふっ!今日は勝っちゃうもんねぇ!」


「2人がかり?それはちょっと卑怯なのでは?」


手を組んで僕を倒しに来た。まさかの2対1だよ。

実をいうとダキエちゃんが来ている時もたまにアエリュちゃんと組んで2対1の構図になる時はあるんだけど、だんだん僕対他の生徒複数という構図が出来上がってきてしまいそうで怖くなってきたね。

これからカーミエ君が継続してここで練習をするつもりならダキエちゃんと手を組むこともあるだろうし、3対1とかいう構図になる可能性を考えると気が遠くなるよ。

せめて、2対2の構図になりますように。


なんてまだ来てもいない未来の事を考えて現実逃避した僕だけど、だからと言って戦いに手を抜くなんて言うことはせず、


「なるほど。先生はこういう気持ちで戦っているのかな?気を抜いたら負けそうだけど………まだまだ連携不足だね!」


「わっ!?」

「きゃっ!」


全力で対抗させてもらっている。幸いなことに仲は深まっても連携が最初からうまくいくことにはならないから、僕もどうにか戦えているよ。

こうして戦ってみると相手の連携のもろい部分とかも見えるし、意外と参考にはなるんだよね。特に、


「アエリュちゃん、ワンテンポ送らせて」

「うん!」


「カーミエ様。今です」

「分かった!」


「ふむ。初めての動きにしては悪くないか。とはいえ、まだまだ私に届くには足りんがな」


先生との模擬戦の時なんかは。

ダキエちゃんの時は初めて合わせる時にかなり苦戦したけど、今回はその苦しさが多少和らいでいる。僕が相手をしてある程度動きの相性なんかを掴んだ結果、僕が合わせて動いたり指示を出せるようになったりしたんだよね。これが結構効果があるみたいで、動きはほどほどなものにできている。

もちろん、完璧には程遠くて先生には簡単に対処されているけどね。


ただそれでも、僕たちのカバーもある影響かカーミエ君としては1人で戦う時よりも圧倒的に先生と戦えているという感覚はあるようで、


「なるほど。フェスキ殿、いや、先生に追いつくためには君たちをまず追い越さなければいけないようだ。これから、本気で追い抜きに行かせてもらうよ」


「おぉ~。頑張れ~」

「アエリュは余裕そうだね。僕は追いつかれないように頑張らないと」


まずは僕たちに追いつき、そして追い越す。それを目標としたみたい。

先生という大きな目標のために、僕たちという小さい目標を作ったわけだね。

…………なら僕たちは、その目標は小さくなかったと思わせられ宇ように頑張らないといけない。急なぽっと出に負けてなんていられないからね。


「なら、ボクたちはライバルだ油断していると、すぐに追い越してしまうから気をつけてくれたまえ」


「は~い!」

「分かりました。全力でこちらも強く成ります」


「ふふふっ。君たちが全力で強くなるとどうなるのか楽しみでもあるし恐ろしくもあるが、ライバルはそうでないとね…………それと、ライバルなんだ、ボクに敬語を使う必要はないよ。もっとフランクにしてくれて構わない」


「い、いえ。しかしそれは………」


「僕がかまわないと言っているんだ。誰にも文句は言わせないさ」


ライバルになるのは良いけど、この要求には困ったもの。僕もまだこの世界の貴族がどれほど上の立場なのか理解できていないからね。貴族とのかかわり方も知らないし、何が不敬で何がOKなのか分からないんだよ。


そう考えて困っていると、


「エサカ。あまり悩む必要はない。カーミエの両親もそこまで懐は狭くはないし、その程度で問題にはなrな愛だろう」


「そうなんですか?…………じゃあ、これからよろしくね。カーミエ」

「よろしくねぇ~」


「ああ!よろしく頼むよ!」


先生が問題ないと言ってくれたから僕も頷くことにした。こんなに先生が活躍してくれるとは予想外だったね。貴族とのかかわり方を知っている人なんてこの村にはいないし、非常に助かるよ。


そうして僕はライバルを得た。

もちろんだからと言ってライバルと練習仲間との違いは何かあるのかと問われると僕も答えることは難しいけど、ゲームのシナリオとしては大きな部分なんじゃないかな?

貴族家のライバルなんて、絶対重要キャラだもんね。


なんて、思った次の瞬間だった。


《エンディング『最強公爵』『戦友との最後』及びイベント『物好き公爵令嬢のライバル』が消滅しました》


「…………」


「ん?エサカ?どうしたんだい?」


「イエ。ナンデモナイデス」


どうやらライバルにする相手、間違えったぽい。

よく考えてみればそれはそうだよね!だって、このカーミエ君は剣聖とかいう人じゃなくて先生に憧れてここに来たんだから。本来のライバル枠って、きっと剣聖に憧れるキャラだったりしたんだよね。考えが浅かったな~。失敗した。


あともう1つ気になることは、ライバルは公爵家の人間っぽい事。ライバルが公爵家だから将来的に融通を聞かせてもらいやすくなるとかいう展開があったら、僕けっこうマズいのでは?

これは今すぐにでもカーミエ君の爵位を確認しないと。


「そういえば、カーミエの家ってどれくらい偉いの?」


「僕の家は公爵家だから、王家の次クリアに偉いかな?当然、公爵家長女のボクもまた偉いというわけさ!」


「へぇ!そうなんだ!凄いね」


セーフ!どうやらカーミエ君は公爵家の人間みたい。ギリギリ運よく僕の将来は保証されそうだね。首の皮一枚つながった感覚だよ。


…………いや。分かるよ。違うよね?僕がまず反応すべきなのは、そこじゃないよね?

カーミエ君、女の子だった。カーミエ君じゃなくてカーミエちゃんだったんだよ。口に出して間違えてたら結構危なかったかも。自分から言ってくれてよかった~。

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