給金
本日も無事投稿出来た事に感謝を
お目汚し失礼します
「ユキ・スカイ君はここに居るべきではない」
「マイ……ロードな……何を」
「ずっと考えていた事なんだ」
穏やかな昼下がりに日差しは心地よく温かいはずなのに少女ユキ・スカイは蒼く震えていた
「君の技術はこんなところで埋もれるべきではない、君は僕にとてもよく尽くしてくれているがその技術があればもっといい人の元でいい暮らしが出来ると思うんだ」
震える少女に切り出すのは辛いがトレセ青年は言葉を続けていく
「マイ、ロード以外の者に仕える気はございません待遇の問題ではないのです、私の心がマイ、ロードを求めています
どうかまだ置いてくれませんか」
少女は忠誠ではなく嘆願の為に今度は跪く
じっと動かずただひたすらに
「……わかった、悪かったから、ここにいていいから」
5分程、重苦しい少女の嘆願の姿勢を見つめてトレセ青年は根負けした
(まさかここまでやられるとは……なんで僕なんだ?ただの一般人なのにマイ、ロードなんて崇められる理由はないけど、ここまでしてもらってるならせめてお給金くらいは……)
トレセ青年は重すぎ忠誠に自分が選ばれている事を嘆きつつもどう忠誠に報いるか思案する
(な、なんとか……!なんとか……!生き残りました!生き残りました!誠心誠意!心を込めれば報われるですね!)
少女は跪いたまま心の中で喜びの感情を激しい嵐のように巡らせていた
「それでなんだがここに居るなら日頃のお礼にせめてお給金を」
「いりません」
バッサリと少女は給金を跳ね除ける
「マイ、ロード私は貴方に仕えられてあたかい家に一緒にご飯を食べれられるこの環境で既に満たされいますから、お気遣いは不要です」
「でも君の忠誠と奉仕に僕はなにか返したいんだよ」
「そのお言葉とお気遣いで既に私は幸せです」
「そう言う訳にはいかないさ、もっと君は報われるべきだ」
「ですからもう既に満たされています」
「君は良くても僕がよくない、一方的に受け取るだけなんてよろしくないよ」
「一方的ではありません、マイ、ロードの愛を貰っています」
「あ……愛?ここで愛?」
もう十分貰っているという少女とどうしても忠誠に報いたいトレセ青年で不思議な口喧嘩?になっていた
「わかりました、そこまで仰るのならお給金を受け取らせて頂きます
ですがお給金を貰う以上さらなる忠誠とご奉仕を捧げさせて頂きます」
暫くお互いの想い合いをぶつける口喧嘩……なのか
をした後少女は跪いて給金を承諾した
しかしそれはさらなる忠誠の引き金になったようである
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「さぁて、今回の夢は……コテコテのナーロッパか
原点回帰かあ?」
男が一人大地に立つ
「気をつけるのだぞ、三度目であちらもなにか仕掛けているやもしれん」
ここには居ない老人の声が男にだけ伝わる形で響く
素敵な夢の中に今回も異物が混入した
読了ありがとうございます
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