睡眠導入
日も落ちて畑仕事も終わり晩御飯も済ませた寝室にて
「ふう……」
「マイ、ロードおやすみ前にこちらを」
就寝前に少女はトレセ青年にホットミルクを差し出す
「ありがとうユキ、ふう……」
「どうでしょうか?」
「とても落ち着くよ、ありがとう」
ただ牛乳を温めるだけではあるが少女の手に掛かるとかなりリラックス出来る味になるようでトレセ青年は心地良い気分に浸っている
「マイ、ロード本日は子守唄と物語の読み聞かせがしたいのですがよろしいでしょうか?」
ゆったりとした空気の中少女が切り出す、トレセ青年はそういう歳ではないのだがと思いつつも雰囲気に流され
「今日はお願いしようかな」
「ありがたき幸せ、心地良い睡眠の一助になるよう尽力致します」
そうしてまずは物語の読み聞かせである
トレセ青年の家には本が沢山あり様々な物語がある
しっている内容なのに少女の読み聞かせは透き通るような声で丁度良い速度で適度に感情が混じり新鮮味があった
美味しいホットミルクとのシナジーでさらにリラックスが出来た
「こうして竜を討ち取り、姫を助けた騎士は貴族位を王様から授けられ姫といつまでも幸せにくらしました」
まずはと言ったが読み聞かせが終わるとトレセ青年はすっかり綺麗な顔をして眠ってしまっていた
その様子をじっくり、愛おしそうに見つめた後、優しく毛布をかけ直し少女は自分の寝室に向かう
本当はトレセ青年と一緒に寝たいのではあるが流石に年頃の男女が同じは良くないと余っている部屋を割り当てられていた
「子守唄はまた、いつかの機会にしましょう、マイ、ロードの安らかなお顔……はぁ……」
頬を緩ませてトレセ青年の寝顔を思い返すと温かい気持ちに満たされていく
「なんて幸せなのだろう、本当に夢のような日々だ……マイ、ロードと出会う前の記憶なんてないけれど一目みた瞬間から今までの時間はなんて甘く心地良いのでしょうか
今私はとっても……幸せで温かくて満たされてていつまでもいつまでもこの幸せに包まれてマイ、ロードにお仕えし続けたい……」
夢のような幸せを噛み締め少女も眠りにつくのであった
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良かったわ!とっても幸せそう!本当にいつまでもいつまでも!この夢を続けてあげたいわ!
上機嫌に夢を観察する女性が一人、不思議な光の満ち溢れた空間で観察していた
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