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12.移民と偵察

「!!」

「できるのか?」

「そうですね……村には敷地の制限がかけられてないので、家さえ作ればいけると思います」


 ちょうどいいところに建築士がいるじゃないですかー!

 その問題で困ってたんだよ。

 ナイスタイミングすぎる!


「じゃあお願いしたいにゃ!」

「りょ、了解です。作業に取り掛かっていただく前にサウスウェストの領主様に許可をもらってきてほしくて……」

「キョウ、どうするにゃ?」

「あー…………」

「話は聞かせてもらったッス!」

「その許可申請任せて欲しいよ!」


 リビングで一緒に話を聞いていたロイライ姉弟が口を出す。


「キョウたちは東の住処に行ってやるべき事をやってきてほしいッス」

「大丈夫。エリは顔見知りだし歩いてる途中に出てくる魔物くらいなら倒せるからね」

「わかったー、」

「いいのか?」

「別に本人がいいならよくないー?」

「危なかったらちゃんと逃げるにゃ、傷つくのは一番ダメにゃ!」

「了解ッス!じゃあみんなが出るのと同時に行くッス!お留守番は爺に任せれば問題なしッスよ!」

「ほんとにありがとう!なるはやで用事を済ませて戻ってくるから許可取れたら建築だけして待っててね。引率は危ないから私たちと一緒にやろう!」

「わかった。早く帰ってくる、約束だね。」


 ロイロ君に差し出された小指を小指で握り返す。


「えっと、じゃあ私はこれで失礼いたしますね。」

「はい、ありがとうございましたにゃ!」


 マル君が玄関まで村長さんを送り届けて戻ってくる。


「おかえり、これって建築許可与えられたってことで合ってる?」

「多分合ってるにゃ!ラッキーにゃん」

「村長さん、おどおどしてるのに強かな提案だったな。」

「何も考えずにOKしてたらヤバかったねー」

「村にほぼいなくて信頼を積めない俺たちよりも常に村にいて村民たちからの信頼も厚い村長さんの方が絶対に向いてるもんな。」

「それに……俺たちはいつか元の世界に帰るにゃ。だから余計な責任を持つべきではないと思うにゃ」

「確かに、まあ残りタスクは一つだから。気楽に行こう」

「んー!じゃあ村の全景を見に行くよー!」


 イヴにロイライ姉弟とロイラ爺を乗せて飛び立つ。

 ちなみにイヴの負担が大きくならないようにマル君ジンアイは家で留守番だ。


「……本当に小さい村ッス」

「んー、周りは草原だから木がないね。植林しないと資材がすぐ足りなくなるね。」

「西の住処まで徒歩だと何日?」

「完全徒歩だと五十日くらいかもね?だけどちょっとしたショートカットを使うと半分くらいになるね。」

「その方法とは?」

「ワープポータル……なんスけど俺たちが使ったのを最後に壊れちゃったッス!!」

「な、なんですとー?!」

「まあつまり、イヴかヌーンに乗れば速いけどそうしないなら現実味がないってことね。」

「植林場、作るしかなさそう」

「まあエルフの魔力で成長を早めることできそうだから心配しなくても大丈夫ッスよ」

「それよりも心配するべきは他の素材だね」

「石はもちろん、屋根まで木にすると防水性が低いから金属板が欲しいッス。雨が降ってないのかわからないッスけど、このままじゃ雨漏りッスよ」

「ないなー、どれくらい地面掘ればいいんだろ」

「途方もない深さってことはわかるッス」

「ということでちょうどいい時に東の住処に行くらしいから持ってきて欲しいものがあるのね」


 おー、そうだよね。

 東の住処は土や地面が主になってる。

 地面と言ったら土!石!鉱石!


「なるほど?詳しい話はみんなで聞くでいい?」

「了解ッス!」


 ロイラ爺も一通り見終わったのか頷いてくれる。

 ロイラ爺は基本的に喋らない。

 無口で冷たい印象があるけどちゃんと行動の隅々が優しくておかしい。

 人の話全く聞かない時とかエリの乳母さんにそっくり。

 ロイラ爺あって乳母さんありだなって思った。


 イヴが地上に降りると、私たちも降りてクローズする。


「アイー!戻ってきたよ!バトンタッチ?」

「おっけー、すぐ出るねー」


 アイとマル君に案内をバトンタッチする。

 私とジンはお留守番だ。


「あー、明日からまた旅かー」

「疲れは取れたか?」

「全然疲れてない、もはやあっちの世界にいた時よりも元気まである。」

「そりゃ体力がついて動けるようになったからな。まあ元気ならよかったぜ」

「ちょっとワクワクしてるだけ」

「その心は?」

「西の住処で迷子になりつつ冒険するのめっちゃ楽しかったんだよね。リフェルは可愛くて乗り心地いいし。」

「苦しいこともあったけどな」

「マル君のことはまじでヒヤヒヤしたけど、私については死にかけっていう自覚がなかったからなー」

「次こそは命大事にで頼むぜ」

「いのちだいじにで思い出したんだけど、暗黒騎士って何信仰してるんだろ」

「あーお呪いとかか。」

「うんうん。アサヒさんは聖騎士でしょ?聖騎士が太陽教を信仰してるならそれに敵対する勢力があってもいいと思うんだよね。」

「太陽の逆なら月か?暗黒騎士といわれると邪神とか魔王な感じがするが……」


 一通り悩んだが答えは見つからなかった。

 アイも知らないらしい。

 自分が何を信仰してるのかくらい知っとけよ。


 そんなこんなで旅立ちの日がやってきた。

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