10.気まずさと東の住処
ーーーーーーーーーーsideキョウ
うおー、めっっっちゃ気まずい。
ロイロ君と一通り街を見た後、何の肉かはわからない焼串を食べて――後で聞いてみたらいつの日かエンカウントした鳥型の魔物だった――一度解散になった。
その後少し散歩をしようと思い、屋敷の周りを歩いてたんだけど書庫の前を通った時、エリとマル君の姿が窓越しに見えたから咄嗟に植え込みに隠れて盗み見てしまった。
好奇心に負けました!
窓が閉まってたから声は聞こえなかったけどエリが何かを言った後にマル君が何か言って、エリが書庫の外に駆けていった。
そのエリの目には光るものが……みたいな。
人間観察が苦手な私でもわかる。
エリは告ってマル君は断ったんだ。
なんでなのかはわからんが。
明らかにお似合いだったんだけどなー。
「流石に気まずい……今のマル君に話しかけにいくのはめんどくさそう……」
こっそりオサラバしよう。
で、街に降りてボディガード&警察の卵に八つ当たりしにい
「…………キョウ?」
「…………」
oh…………
「もしかして、見てたにゃ?」
「ご、ごめん」
「聞こえてたにゃ?」
「いや、窓越しだったから何も」
「ならいいにゃ」
「じゃ、私は」
「キョウ、ちょっと話したいことがあるにゃ」
…………これ、前の謎発言についてだよね?
気まずいのは嫌だけど片目使えないのは結構致命的だからどうにかしたいのは本心だし……
「…………わかった」
「ありがとにゃ」
マル君が開けていた窓から書庫に飛び入る。
そのままの勢いでロッキングチェアに飛びつき、座る。
マル君は窓を閉めると、サンドイッチの隣に座った。
「サンドイッチ食べないの?」
「キョウ本当にさっき見てたのにゃ?」
「見てた……あぁ、エリが作ったサンドイッチなのか」
「これ、俺に食べる資格があるのか……にゃ」
「エリに対して何か思うことがあるなら普段通りに接してあげるべき……とは言えないなー」
「キョウは恋愛経験ないに等しいのに何言ってるにゃ」
「ど正論やめい。まあ相手がまた話しかけてくるまで待つのがいいと思う。その時が相手の気持ちの整理がついた時…………かもしれない。」
「全てが曖昧にゃ。あんまり参考にしないでおくにゃ」
「で、本題は?」
「ご察しの通り、目が復活できるかもしれない方法にゃ」
「それって本当?期待していいタイプのやつ?」
「んー、五分五分にゃ」
「まあ聞くだけ聞くか。」
「もし、キョウが試したいというならすぐにでも行っていいと思うにゃ。信憑性についてはわからないにゃ、だけどどうせいつかはやらなきゃいけないことにゃ」
「つまり、魔導書関連?」
「ご明察にゃ。この本の内容を要約して伝えるにゃ」
西には草木、でイヴの火やヌーンの水に対応する町や村があるとしたら後一つはなんだと思う?
東の地には土に対応する場所がある。
東の住処、別名大地の里。
この世界で大々的に信仰されている太陽教の本陣だ。
土を司る?のは煌竜。
体は輝いているらしい。
煌竜のお陰で宝石などの資源が非常に豊富でそれに伴い、錬金術に長けているものが多いらしい。
だけど煌竜は里に姿を現したことはなく、人々も煌竜そっちのけで太陽教を信仰しているからほぼ存在感はないらしい。
フラッシュのところでは守護者として竜が崇められていたことから結構場所によって扱いが違うんだなとわかる。
太陽教の中心人物は教祖と聖女。
なんだけど、教祖に大きな権力があって聖女はほぼ権力がないらしい。
だけど、聖女は奉仕活動という形で人々を救っているからタダ働きみたいになっている。
聖女はすごい癒しの力を持っているらしく、骨折や致命傷も治せる……という噂がある。
これが事実かは闇の中だ。
本来なら致命傷を治すなら相当な魔力が必要なんだが、その聖女は魔力の消費が見られないらしい。
痩せ我慢なのかなとは思うんだけど、マル君はこれを聖女が魔導書だからかもと言っている。
まあ確かに魔導書は存在自体が魔力のようなものだから、それほどの魔力を使っても全然疲れないというのは納得だ。
あれ……では存在自体が魔力と呼ばれる魔導書がいても魔力が足りないフラッシュの波動砲って……
いや、考えない方がいいことも世の中にはあるから。
「えーとつまり?回復魔法最強の治癒使い(魔導書かもしれない)と会えれば目玉を復活できるかもってこと?」
「理解力二重丸にゃ」
「だけど私の目はただ見えないわけじゃなくてないんだよ?眼球なし!」
「元気に言うなにゃ」
まあ興味がないと言えば嘘となる。
目はないと困るし、あのときはまあしょうがないかなと思ってたけどこの蒼色の目を無くしたのは惜しいなぁって。
「やってみる価値はあると思うにゃ。あとはキョウがどうしたいか。」
「やってみたい……けど、そうなるとまたしばらく家には戻れないよ?」
「家に戻るよりも俺たちの時間軸に戻る手がかりを探す方が優先にゃ。アイとジンに言っても反対はしないとおもうにゃ」
「……うん、そうだね!私も行ってみたい!」
「言うと思ってたにゃ!じゃあ一回村に戻るにゃ!」




