表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/84

8.その後と処刑

「……こんな短期間でどうにかなるもんじゃないだろ」

「俺の魔法が有能すぎたにゃ」

「気前がいい商人がいて助かったよー」

「あれは気前がいいっていうレベルじゃない気がするぜ」

「あんな億どころじゃないお金がポンって出てきたもんね」


 街の雰囲気は明るくて綺麗なものになり、あのスラム街がみる影もない。

 例えるとナシさん達がいる街だ。

 教会も復興できたし街の中心の聖火も灯した。

 教会の近くでは元から慈善活動が行われていたらしく、神官?みたいな人がいた。

 私たちの拠点の村長さんみたいに優しくていい人だった。

 太陽が差し込むのを妨害していた違法建築物をある程度改修したのはロイラ爺さん。

 とてつもない早業でビックリした。

 あっちの世界だったら絶対無理なんだけど、ここは魔法の力があるから……

 土木工事とかがめっちゃ簡単になってる。

 壊したい建物の地盤を少し揺らすとあら不思議、建物が倒壊していくじゃありませんか!

 巻き込まれかけた人を救出する手伝いが大変だった。

 周りに人がいないか確認してほしいって言ってるんだけどねぇ……

 まあ私とマル君とアイとジンには目立った仕事がなかったから、何でも屋みたいな感じの活動をしていた。

 アイとジンが就職活動の手伝い。

 アイの手先が思ったより器用で針や糸の使い方を教えていたのが印象的だった。

 ジンはロイラ爺さんの手伝いをしたがる人々に魔法を教えようと頑張ってた。

 マル君は街を綺麗にしていた。

 埃っぽい路地裏や、廃屋に行ってクリーン魔法……『創造魔法:エメラルド クリアウィンド』を撒き散らして街を綺麗にしてた。

 それの魔力タンクとして暫くは私も着いて行ってたけど、他に頼み事をされたから別れることになった。

 その頼まれた仕事というのは屋敷の整理&金持ちどもへの税金の取り立て。

 前者はまあやらないといけないけど後者は汚れ仕事感がホントにすごかった。

 キレ散らかす店主に泣き出す妻と娘、靴を舐めようと四つん這いでくる従業員。

 これがこの世の終わりかって感じの風景だった。

 いやだけど這い寄ってきた奴らの顔面を踏みつけた時に私が現代社会に元々いたって事を忘れかけた。

 倫理観消滅事象だったわ。

 屋敷の整理の方は最初は金目のものを売るためにかき集めてたんだけど、その作業が終わった後には執務室(仮)とかから仕事に必要な資料がないか探ってた。

 まあ大した成果は得られなかったんだけど、代わりに書斎を見つけた。

 広すぎる敷地に恥じぬ立派さで、ほぼ手をつけられていなかったのか埃は被ってたけど大量の本があった。

 あれだね、セリィ様のお父がクズだっただけでそれの前とかはちゃんとしてたっぽい。

 後は冒頭のお金がポンと出てきたやつ?

 あれは通りすがりの行商人に売りたいものを渡したら瞬時に目利きして、国家予算レベルのお金を渡してきた商人がいたんだよ。

 最初は詐欺かなって思ってたんだけど、そうでもないっぽい。

 なんでわかったかって?

 

 勘…………かな⭐︎


 やばい、マル君つっこんで!

 そんなひんやりした目で見ないで!

 私のライフはもうゼロよ!


 まあ冗談は程々にして、とうとうこの日がやってきた。

 領主の処刑と新領主の即位。

 領主をどうするかは最後まで迷ってたんだけど、こういうときは領民主権だよねって事で炊き出しをしてたライラちゃん――――いつの間にか仲良しになった――――の隣でみなさんにアンケートをとった。

Q.元領主をどうしたいですか?

A.死して償え

 いやー、なかなか厳しいっすね。

 ということで、領主のことは処刑することになった。

 そして、即位するのはもちろんセリィ様。

 驚きでもなんでもないけどエリがセリィ様の秘書になった。

 それにあたって占い婆さんと一緒にこの街に住むことにしたらしい。

 ライロイ兄妹とロイラ爺さんもそれに着いてくらしくて、それのためにもっと環境の改善だなって思ってる。

 アイと私の友達だからね。大事にしたい。

 色々なことが頭に移り、消えていく。

 目の前では顔に決意を宿したセリィ様と跪いて喚き続けるクソ元領主。

 私はセリィ様に剣を渡す係だ。

 綺麗に研がれた剣をセリィ様に恭しく差し出す。

 大きく深呼吸をしたセリィ様が剣を受け取る。

 私はそのまま暴れ続ける領主を押さえた。

 目の前でセリィ様が剣を振り上げる。

 涙が浮かぶ彼女の目を見つめるクソ元領主は何を思っているのか。


「さようなら、お父様」


 小さな声でそんなことを言った刹那、刃が振り下ろされた。

 視界が真っ赤に染まった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


 その後、私がぼんやりしている間に戴冠式?みたいなのも終わってお祭り騒ぎが始まった。

 少ないけど自分が稼いだお金を使って屋台のご飯を買ったりする。

 子どもが喜ぶようなおもちゃもお裁縫組が作っていて、本当にここがスラム街だったと思うと感慨深い。

 今はまだ整備できてないことも多い、だけど今というこの時間をみんなが幸せに過ごせていてよかった。


「!キョウ!見つけたにゃ!」

「マル君、戴冠式中は見かけなかったけどどこいってたの?」

「あれ戴冠式っていうのにゃ?」

「わからん、細かいところはいいでしょ!」

「そうにゃそうにゃ、えー落ち着いて聞いてくださいにゃ」

「ご、ゴクリ……」


「キョウの目が、復活できるかも知れないにゃ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ