7.再会と復興
「あ、そのごめんなさいですわ」
「んーん、セリィ様にそれだけの嫌なことがあったってことでしょ?」
「恨みを持つのは当たり前のことだぜ」
セリィ様は嬉しそうに頷くと私たちに向けてカーテシーをした。
「キョウ、ジン、ありがとうございますわ!この現状を知ったことで直さないといけないことがいっぱいですの!」
「よかったぜ、」
「あとは依頼人さんに会いに行ったら終わりかな」
「キョウ、終わったら合流しようぜ!」
「おっけ!迷子にならないように気をつけてね」
「全く同じことを返すぜ!」
軽口を叩き合ってジンと別れる。
「セリィ様、後は依頼人に会いに行こう」
「そうですわね!ちょっと緊張しますわ……」
「大丈夫だよ!相手側も会いたがってたから」
「セリィ!」
ほーら案の定ね。
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あの後、感動の再会を見守っていると領主を粛清したマル君とも合流した。
「やっと終わったにゃー」
「お疲れ様!地下牢とかあったの?」
「あったにゃ。白骨死体があったにゃ……」
「あーやっぱり?あの領主ならやりかねないなとは思ってたけどガチでやるのかー」
「全部が落ち着いたら埋葬するにゃ、このままだと幽霊とかになって出てきそうにゃ。」
「そうなったらまた戻せるのかなぁ」
「んー……皮膚や筋肉の復元が難しいかもにゃ……」
「……しっかり弔おう、それが私たちにできることだから。」
私たちがもう少し早くこれてれば救える人もいたかもしれないから。
「キョウ、たらればはやめるにゃ。」
「んー、」
「俺たちは今を生きてるにゃ。結果が全てだし、俺は……キョウと出会えただけで幸せだから。」
「なーんじゃそりゃ、まあ言われて悪い気はしないけどね?」
それからのみんなの行動は早かった。
イヴにお願いしてアイのことを迎えに行ってもらってそれの間にセリィ様が依頼人と政策を見直す。
反対する人はまあ少なかったけど見かけたら粛清した。
あと贅沢放題な表通りのお店の人々は猛反対だったなー、
まあそうなるよね。
店を開いてる人へ課す税金をめっっっちゃ上げたんだから。
表通りの金持ちくらいしか店を開いてる人はいなかったし、売り上げも振るわなかった。
それでも奴等が贅沢三昧できていたのはゴミ領主が賄賂を贈ってた所為だ。
裏通りの人々から搾り取ったお金はとてつもない金額になっていた。
それで街の景観を保つためと称して金を贈って金持ちアピールをしていたらしい。
そんなことをするために厳しい暮らしを強いられていた人がいると思うと本当に許せない。
当の領主は未だに牢屋の中だ。
反省する様子はなく、初日にマル君と一緒に様子を見に行くとものすごく偉そうな態度を取られた。
「下民如きがわしをこんな所に入れやがって!」
「自分がやったことを忘れたにゃ?これは妥当な刑にゃ」
「だからなんじゃ!贅沢したいのは普通じゃろ?!」
「はぁ、人に迷惑をかけていいと思ってるにゃ?」
「当たり前だろう!全ての民はわしの思うが……ギャアアア!」
マル君が私のメイド服のスカートに隠していた剣を取ると、奴の首に突きつける。
「黙れ息をするな空気が勿体無い。」
あの言ってることは正論ですが、スカート捲り上げた罪は後で言及しますよ?
「自分の立場を弁えるにゃ。キョウが一言『殺れ』と言ったら俺はお前の首と胴をなき別れさせることができるにゃ。」
「ヒッ」
「本当小物くさいにゃ。お前は俺たちの機嫌を取ることはできても、文句を言う権利はないにゃ。」
まあそんな感じで言ってから偉そうな態度を取ることはなくなったけど、セリィ様の護衛がいやいやながらもご飯を持って行く時に罵声とか聞こえてくるからほんとに学ばないやつだなと思った。
まあそんなこんなで忙しく過ごしているとアイもエリと占い婆さんとロイラ爺さんを連れて帰ってきて全員集合した。
エリが着いて早々に街をよりよいものにすると言ってセリィ様を連れて屋敷に篭ってしまって中々全員集まるのは難しかったけど、まあ一緒に行ったアイもグリモアも元気だからいいかなって思う。
後はロイラ爺さんが老朽化した建築物を少し直したり、ロイロくんが見つけた行商人に目利きができる占い婆さんが屋敷の高いものをめっちゃ売って大金をゲットしたりして金銭的面も豊かになってきて、ライラさんが栄養が足りない人々に向けて大通りの真ん中で配給をして、スラムのみんなの信用も得た。
私たちもできることは少なかったけど教会を復興して信仰深い人を助けるなどちゃんとできることをした。
「あ、マルトさん!」
「エリ、セリィ様との話し合いは終わったのにゃ?」
「はい!みんなが働いて街が回るように就職活動の支援をすることにしました。」
エリとマル君もいい雰囲気で見ててくすぐったくなる。
「エリとマルトを見てるの?」
「あ、ロイロさん……うん。はよくっつけ」
「あはは、マルト、男として見られてなくて草だよ。」
「普通にお似合いだし。」
「なぁんの話してるッスか!」
「ライラくん!恋バナだよ。興味ある?」
「んん、ロイロのことじゃないならそんな興味ないッスね。」
「シスコンめ」
「褒め言葉ッス!」
ポジティブシンキングだわ。
まあそんな感じで毎日が過ぎて、一週間くらいがたった。




