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6.創造魔法と裏側

ーーーーーーーーーーーーーーsideマルト


 目を閉じると空気中を舞う様々な色の魔力が見える。

 その中から特定の色を集める。

 フラッシュは翠を集めるのが得意だった。

 今回は青だ。

 まだほとんどやったことがないから集め方が粗い。

 青や水色、たまに灰色なんかもある。

 俺の周りに集まった青の魔力を形にする。

 今回は少なめだから矢だ。

 俺の既存の深い緑の魔料を使って弓を作る。

 ゆっくりと引いた。

 きっと目の前に立つ追っ手は変な挙動をする人に見えてるだろう。

 だけどわかるか?見えないものにやられる恐怖を。

 限界まで弦を引っ張り、放す。


「『創造魔法:エメラルド (つらぬき)』!」


 奴らの中心に突き刺さった矢から、冷気が溢れ出す。


「貫いたら死んじゃうにゃ、それはキョウの望みじゃないにゃ」


 周りに急速に霜が降って追っ手共まで届く。

 霜が氷になる。

 追っ手の下半身が凍りつき、動けなくなった。


「、思ったよりも難しかったにゃ」

「ど、どうする気だよ?!」

「しばらく倉庫の中にいてくれにゃ」


 ずりずりと近くの部屋に引きずっていると、


「何事じゃ?!」


 豚が現れた。


「え、チャーシューにゃ?」

「ブチ殺すぞ」

「まあ半分冗談にゃ」

「半分だけじゃと?!」

「まあ冗談はここら辺にするにゃ」


 明らかに領主だ。

 豪勢な服、たっぷり脂が乗った肌。

 相当な贅沢をしている。


「にゃぁ、許せないにゃ。外であんなに苦しい思いをしているのに領主はこの体たらく。」


 体を揺ら揺らとさせながら領主に近づく。

 笑いながら近づく。

 多分目が笑ってない。

 右足には赤い魔力が集まり、段々熱くなる。


「許せないにゃぁ」

「だからなんじゃとわぁぁぁぁ!」


 焦げ付いてしまったフカフカなカーペットに勿体無いと思いながらも右足を領主(クソジジイ)の上に乗せる。

 上がる悲鳴を気にせず腰から抜いた杖で転ばせる。

 そのまま踏み抜く勢いでぐりぐりと足を押し付けた。


「お前がこんなにゴミじゃなければよかったのににゃ」

「うぐっ、ぐ」

「本当は殺してしまいたいにゃ、だけどお前は牢獄送りにゃ」

「げほっ、は、」

「殺しは嫌だって最初に言ったキョウに感謝するにゃ。キョウがそんなこと言わなければ」


「お ま え を す ぐ こ ろ し て い た だ ろ う」


 パッと足を退ける。

 魔力で作った太い縄で追っ手ごと全員くくる。

 よかったね床が柔らかいカーペットで。

 引きずられると痛いからね。


ーーーーーーーーーーーーーーsideキョウ


「セリィ様、これがいつも見ていた風景ですよね?」

「はい、」


 セリィ様は聞いていた通りの箱入りお嬢様だった。

 部屋からは街の綺麗な部分しか見れず、そこに合わせて全ての政策を作ってきた。

 領主は滅多に会いに来ないし、使用人は優しくしてくれるけど他の人には会ったことない。

 そんな感じだったんだけど、ある日部屋に女の子が侵入してきて仲良くなった。

 またその子に会いたいらしい。

 まあ十中八九依頼人の子だよね。

 とりあえず、この街の裏側を見せてみよう。

 それでどんな反応をするかはわかんないけど。


「実はこの街は表面だけなんですよ。」


 二階の窓からセリィ様を横抱きにして飛び降りたときからセリィ様はジッとしている。

 まあ実力行使に走ったら箱入りお嬢様のセリィ様は確実に負けるからね。

 賢い選択。

 スラムの方に足を踏み入れる。


「……!」

「この街は本当は苦しんでいる人ばかりなんです。」

「そん、な……」

「主に貴女のお父さんの所為だけどまあ貴女があの屋敷で暮らせているのはここの部分から吸い取れるところまで税を吸い取ったからですね。」

「私の、所為でもあるのですわ」

「まあ否定はできませんけど、まあ誰もこの現状について説明しなかったっていうのも問題ですよね」


 まだ裏路地一本目だ。

 道具を取り戻しに行った時に潜った路地はもっと酷かった。

 ここにはまだ人がいるから。

 人がいなくなると段々攻撃的な奴が出てくる。


「で、セリィ様。」

「……」

「どうしたいですか?この街を」

「……やり直したい、」

「やり直しって簡単なことじゃないですよ。折れた人の心はそんな簡単にはやり直せませんから」

「知ってますわ、だけど私をつまらない毎日から救ってくれたあの子とこの街を作り直したいですわ!」


 よく言った!!!

 ここで罪を償って舌を噛み切るとか言ったらどうしようかヒヤヒヤしてた!

 やー、ハート強いわー。


「わかりました、強力な助っ人もいるので頑張りましょう!」

「、ありがとうですわ!」

「お、キョウ!そっちはどうにかなりそうか?」

「うん、セリィ様……セリビア様の救出完了!」

「……えっと、キョウ様?」

「はい、キョウでいいですよ。あとこれはジンです。」

「これ……いや、ジンと申します。スラムで暴力を振るってる一段を鎮める担当してるぜ!」

「敬語じゃなくて大丈夫ですわ」

「いやー、敬語慣れねぇんだよな」

「まあ違和感マシマシだよね」

「マルトは?」

「マル君は多分今頃領主をどうにかしてると思う」

「え、お父様(ゴミ親父)をですわ?」

「あ、流石に実の父親が制裁加えられてるって聞きたくないよね」

「いえ!やられて当然ですわ!会いにきてもくれないのに父親を名乗るなんてダメですわ!」


 おおう、思ったよりも過激?

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