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5.不法侵入とセリィ様

「いやー、これから不法侵入か。」

「いにゃいにゃ、身分と姿は偽ってるけどれっきとした正面突破にゃ。」


 目の前に聳え立つ屋敷。

 だけど不思議と緊張感はない。

 ということで門を守る二人の衛兵に話しかけた。


「こんにちは、この屋敷のメイドと執事になりたいんですが……」


 マル君に脇腹を小突かれる。


「(怪しまれるにゃ!)」

「(だけど他に言いようなくない?)」

「(まあそうなんだけどにゃ……)」


 追い出されるかとドキドキしながら返事を待つ。


「よくきてくれた!!」

「また主人がヒステリーを起こして困ってたんだ」

「疲れると思うけど頑張れよ!」


 えそんな警備ガバガバいいの?

 私はロングスカートに隠れて見えないけど剣持ってきてるよ?!


「あのそんな警備ガバガバでいいんですか?」

「いいだろ!そんな事企める奴はこの街にいないから!」

「主人は屑だがセリビアお嬢様は崩壊しかけのこの街をなんとか持ち堪えさせてる素晴らしいお方だからな。」

「みんなお嬢様を慕ってるんだぜ!」

「スラムのみんながギリギリ生きられるのはセリビアお嬢様のおかげだからな」


 口々にお嬢様を褒め称える二人の衛兵に私の選択は間違ってなかったなと感じる。

 もしそのお嬢様もゴミだったら、魔力使用禁止令を振り払ってでも星の軌跡で屋敷ごと消し去る予定だった。


「ありがとうにゃ」

「それでは行ってきます!」


 頑張れよーと言う衛兵に思ったよりもスラムには悪い人ばかりではないのかもと感じた。

 スラムといえば悪い人が多いイメージが多いけど、本当は困ってる人の方が多いはずだもんね。

 開かれた門を通り抜けて、悪趣味な庭を歩く。


「そういえば一緒に行く?」

「何ににゃ?」

「お嬢様を救う担当と悪趣味主人を捕縛する担当。」

「にゃー、にゃるほど」

「私的には領主がマル君の方がいい気がする」

「その心は?」

「スラム街の人に大切にされてるお嬢様だから周りにガラ悪めの人がいる可能性があるんだけど」

「じゃあ俺が行った方がいい気がするにゃ」

「わんちゃん爆弾持ってたりしないかなーって」

「たしかに、後近接戦に持ち込まれると俺は分が悪いにゃ」

「ということでマル君がクソ領主ぶっ潰しと言うことでおけ?」

「了解にゃ!」


 お屋敷の玄関をくぐる。

 期待を裏切らないギラギラさと広さ。

 これは一人で行ったら迷子だなぁ。


「よしマル君一緒に行こう」

「こんなところで迷子になっちゃたまんないにゃ!」

「なんか偉い人って高い場所にいるイメージがあるから上行ってみようよ!」

「そこに丁度いい階段があるにゃ」


 お金持ちの屋敷にあるイメージの玄関だ。

 ほら、謎に二つある階段。

 お金持ちはああやって踊り場から訪問者を見下ろして……

 え見下ろされてる?

 スゥッと息を吸い込んだ金髪にピンクの目の子は叫んだ。


「侵入者よ!!!!!」

「やっっば」

「#一分で計画倒れ」

「よし逃げよう」

「どこににゃ?」

「上しかないでしょ!」


 敵は上の階にあり!

 階段を駆け上がる。

 途中に一度叫んだきり動かないセリビア様であろう人に足をかける。

 ふらついたところを華麗に横抱きにして、素早く動く。

 階段の下から怒号が聞こえる。


「ガバガバなのは衛兵だけみたいだね!」

「上に行ったら追い詰められる気がするにゃ!」

「それまでに制圧すれば問題なし!」

「ちょ、制圧?!どういうことですの?!」

「あ、ごめんなさい……セリビアお嬢様、ですよね?」

「あ、はいセリビアと申しますセリィって呼んでね。ッじゃなーい!」

「随分ノリがよろしいことで!」

「そういうことじゃないのですわ!こんなことしてどうなるかわかってますの?!」

「いやー私バカだからワカラナイナー」

「棒読みにしてももう少し上手くやってくださいまし!」


 階段を上がった先の二階をかける。

 この屋敷は高さ的に三階建てだ。

 有り余るたっかい天井を加算してもそうなる。

 ということで今は三階へ上がる階段を探し中だ。

 まあ見つからない。


「広すぎるだろ!」

「キョウ!ターゲット(領主)探しは任せるにゃ!キョウはお嬢様の説得をするにゃ!」

「おけ!」


 マル君と別れることにした。

 コーナーで曲がった時に追っ手と差をつけて死角になったところで部屋に転がり込む。

 ドアを静かに閉めて、鍵がないか探す。

 あ、鍵穴ないわ。

 しょうがないから押すのは難しそうな机を持って机の前におく。

 これで入れないでしょ。


「あ、セリィ様逃げないで」

「こんな状況逃げようとしない方が可笑しいのですわ!」

「だけどここは二階だから、危ないですよ?」


 後退りするセリィ様との距離を急速に詰める。

 大きな窓の窓枠の部分で足をつまづかせ、外へ落ちそうになったセリィ様の腰を支えて顎を持ち私と目を合わせる。


「ほら、言ったでしょう?」

「何が望みですわ?」

「簡単なことです。この屋敷(鳥籠)から、逃げませんか?」


ーーーーーーーーーーーーーーsideマルト


 本当にめんどくさい。

 セリビア様を慕っている人が殆どだから大分追っての数は減ったけど。


「もういいにゃ。キョウとも離れたし、全力でやるにゃ」


 魔力が体内で回っているのを感じる。


「俺の新しい技、初のお披露目にゃん!」

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