30.ドレスアップとパーティー
ーーーーーーーーーーーーーーsideマルト
「……時計がないって不便だにゃ」
「そうだな、後キョウとアイとエリだが……」
俺たちはパーティー――ほぼ祭りみたいなもんだったが――の手伝いをした後、エルフ式の祭事衣装を貸してもらい、今着ている。
俺は深緑の膝丈ローブに黒い足が細く見えるズボンを履いて、花緑青のマントをつけている。
ローブの袖口がふわってなってるのが風が通り、涼しい。
西の住処は暑くも寒くもないのだが、厚手の服だとそりゃ暑くなる。
風が通るのはとてもいいことなのだ。
鏡見てにゃいからどんな感じかわからにゃいけど多分いい感じにゃ!
それにしてもジンはかっこいい。
自信がなくなってくる。
深緑の襟付き半袖に肘からの黒い革手袋をしている。
下は黒いズボンで右肩からは花緑青のマントをかけている。
それだけだとシンプルなのに薄く入っている紋様で気品があるように見えるのだ。
「この、イケメンめー」
「キョウにも言われへるへ」
キョウという言葉を聞いて口を尖らせる。
精一杯の抵抗としてほっぺをぐにゅぐにゅしようとしたが、大人になって頬の肉が減ったからちょこっと摘むだけになった。
「あ、もう来てるよ」
「ほんとだー」
「すみません、遅れました。」
「え、あ……だ大丈夫にゃ」
どっちゃめちゃ吃った。
か、かわいいにゃ……
まずはエリ。
花緑青の肩出し足首までのワンピースなんだけど両側に入ったスリットが深くて足が出てる。
洋服を縁取るように引かれたラインと二の腕が覆われる長手袋は深緑。
襟元には花緑青の宝石が付いていて、そこから黒い布が広がってマントになっている。
ジンと一緒に目を逸らした。
次にアイ。
肩をむき出したキャミソールのような花緑青の服に黒の短パン。
白くてほっそりした足と腹が出ている。
茶色のブーツを履いている。
深緑のマフラーに花緑青の宝石がついている。
露出度が!!!高い!!!
ツイっと目を逸らす。
最後にキョウ。
花緑青のワンピース。
襟みたいなのがついててかわいい。
なんだけど!胸元がダイヤ型に切り抜かれててその下に白のブラウスを着てるんだけど!胸元の上の部分に布がなくて!!!!
胸のすぐ下にコルセットをつけてるから特に強調されているというか!!!
ちなみにワンピースは下がふわってなってて、黒のミニスカを履いている。
首の黒チョーカーと眼帯が余計に色気をつくっている。
語彙力が足りないにゃ。
目に毒!よし伝わった。
「…………勘違いしないでね?エリとアイが悪いんだよ?」
「結構ノリノリだったじゃーん」
「そりゃこんなかわいい服滅多に着れないし……」
そんなこといいながらクルリとターンするキョウ。
裾がふわりと広がって軽やかだ。
…………好きだなぁ……
ーーーーーーーーーーーーーーsideキョウ
着替えてきましたー。
想定通りのもみくちゃだった。
しかもちょっとこの服は……
エルフの服ってみんな露出度が高いのか、アイはなぜあの服着れるんだよー。
マル君やジンからはノーコメント。
弁明はしたけど余計な勘違いされてないといいなー。
その間違えは正さないといけないからね。
「……じゃ、回りましょうか。」
「おっけー、エリいこー」
「あ、え……はい」
アイが誘うとエリは少し眉を下げたが頷いた。
アイはやべって顔して口元を押さえる。
多分エリはマル君のことが……
……ちょっともやっとしたかも?なんで?
「えー……アイ、私と行こ?最近いっつもエリと一緒じゃん」
「…………確かにー、じゃーエリまた後でねー」
「…………!はい!」
キラッと目を輝かせたエリ。
アイの手を引いて先に行こうとしている時にうっかり振り返ってしまった。
「マルト!一緒に回りませんか?」
「にゃえ?……わかったにゃ」
「…………俺は……あ、翠竜発見だぜ。じゃあ二人とも、楽しめよー」
そんな会話が聞こえた。
……まあ!関係ないんだけどね!
「キョウー?どかしたー?」
「え、いやなんでもない。というか。」
辺りを見回す。
すっかり暗くなった村をヒカリゴケが照らし出す。
提灯のように干された光るキノコがぶら下がって、明るい。
多分光らせるのに魔力を使っているのだろう。
ランプからは魔力が感じられる。
屋台がいくつも出ていて、あっちの世界とはメニューは違うけど雰囲気は似てる。
「本当にお祭りみたい、どこから回る?」
「んー、あっちー?」
「あ、お金は……」
「パーティーだからいらないらしいよー」
「さすがだね!じゃあ行ってみよっか!」
アイが指したのはケバブみたいなものを渡す屋台だ。
行ってみると注文形式でケバブをくれるようだ。
「おじさんー!野菜多めのケバブ二つちょーだい!」
「お、救世主様。あいよ!」
ドネルケバブからお肉を少し切り取ると、生地にいれる。
すっごい美味しそう。キャベツとトマトをたっぷり挟む。
そして私とアイに手渡すと、手を振った。
「ありがとさん、また来てくれよ!」
こちらからも手を振りかえす。
その後も甘いものとか、食べたいものをもらった。
旅の途中は干し肉とか現地調達で済ましてたから食べたいものが食べれるのは久しぶりだ。
特にフルーツがあったのは感動!
種が欲しいくらいだ。
欲しいものはもらえたから泉の近くに丁度よく置いてある岩に二人で座る。
「んー!うまー!」
「ちゃんとトマトとキャベツだ!食べてみたらいちごとかじゃなくてよかった……」
「キョウー!こっちも美味いよー!」
「食べる食べる!」
雑談しながらどんどん食べていく。
夜はどんどん更けていった。
ほぼ説明回でした。
書くの大変だった…




