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24.VS白ローブとピンチ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーsideマルト


 まずいまずいまずいまずいにゃ……!


「…………ヤバい気配がします」

「実際にヤバいにゃ」

「ヌーンさん、背に乗る人と一緒に逃げてください」

「ん、それがいいにゃ。それとヌーン、無理だったらいいけどにゃ、アイを連れてきて欲しいにゃ」

「アイさんを?」

「にゃ、翠竜もよろしくにゃ」

「く」


 小さな鳴き声と頷きを返すとヌーンは飛び立った。

 蒼き竜が見えなくなるまで見ることもできず、白ローブの攻撃をもう一度避ける。


「作戦会議の時間をくれるとは、随分余裕なようだにゃ?」

「くぅぅぅぅぃい」

「ま、戦っても分が悪いにゃ。ここは逃げさせて……」


 逃げようとゆっくり後ずさると白ローブの触手(?)に炎球が宿る。


「……ヌーンがいない間に放火されると困りますよ」

「む、しょうがないにゃ。」


 勝てる気が正直しないにゃ。

 手に魔法の光を携えてエリの前に立つ。


「真っ向勝負にゃ」

「くぅいぃ」


 白ローブの目の光が不気味に揺らめいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーsideキョウ


「大分進んだね。」

『ああ、自分で歩いてくれるやつが多いから先に帰ってもらえるのもデカいな。』

「うん、リフェルも一回戻っていいよ。周りの消火しておくから。」

『了解だ。すぐ戻る。』


 リフェルが火のついていない場所を走っていく。

 それを見届けたその時、背後で強い黒煙が上がった。


「?!リフェルごめん!」


 ここで待つと言ったけど、あれは嘘だ。

 だれかピンチなら助けに行かなければ!

 目の前の道を消火してもらいながら黒煙の上がった場所まで走る。

 一番最初に目に入ったのは白ローブ。

 交戦しているマル君と後ろにエリさんもいる。

 これ乱入するか……

 ウインドカッターを弓、深緑の魔力を矢として使っている。

 確かにあれの方が魔力消費が魔力塊だけで済むからいいかも?

 だけど、マルトさん?あなた弓できましたっけ?

 グッと引き絞った弓を放つと、矢は見当違いな方向に飛んでいった……と思ったが追尾性能があるらしく白ローブ向けて飛んでいく。

 一つ一つのダメージは大きくないようだけど、ちゃんと当たってる。

 対する白ローブは魔法をバンバン打っている。

 コントロールがすごい上手くてマル君にも結構なダメージが入っている。


 あ、ジン発見。

 ジンがイヴに乗って飛んでくる。


 白ローブの目が弓形になる。

 嫌な予感がする……

 段々今まで溢れていた魔力が収束していく。

 戦闘に集中しているマル君は気づいていない。

 ジンが私を見つけてこっちにくる。


「ジン、なんかヤバい気がする。」

「?何がだ?」


 コイツ魔力感度が低いからわからないのか。

 目を閉じて魔力を探る。


「白ローブにヤバい魔力が集まり始めてる。」

「喰らったら死にそうか?」

「うん。色は……水色?関係あるかは知らんけど」


 不純物一つないような純色の水色だ。


「もし、関係あるとしたら……水かな?卵蛇の氷が青だから」


 そういえば卵蛇のノーマルの時の色は何色なんだろ。

 卵蛇のほうに目を向けると、何か弾かれた。

 いきなりメニューが開いて現れた赤字は『閲覧権限がありません』とかいてある。

 どういうことだってばよ。

 ん、あれはヌーン!

 背に乗っているのはアイと翠竜。

 手を振られたから小さく振り返した。

 隣のジンが険しい声でつぶやいた。


「水……水?!」

「うん、水。」

「それは、結構まずいぜ……」

「何が?」

「水と熱い物質が合わさると何が起きるか知ってるか?」

「……!だけどもう撃たれちゃう!」

「マルト!気をつけろ!」


 嘲笑うかのように白ローブの甲高い声が響く。


「くぅぅぅぅいいいいいぃぃぃ!」


「「水蒸気爆発が、くる!」」


 魔力の塊が白ローブから発射される。

 向かう先には……


「エリさん!」

「エリさん、逃げろ!」

「エリ――!」

「!!」


 エリさんも思わず目を塞ぎ……


「俺が、守るにゃ!」


 視界が白色に輝いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 燃え盛る炎を横目に私たちは黙る。

 あの爆発が収まった後、エリを突き飛ばしたマル君はボロボロで倒れていた。

 魔力を一人で受けたせいで私たちへの影響は少なかった――それでも怪我はした――が、マル君は酷い怪我を負った。

 普通に死にそうな攻撃を耐え切ることができたのはアイのお呪いがあったからだろう。

 白ローブが姿を消したからイヴやヌーンに乗って森火事の範囲外に一度離脱。

 村民のバケツリレーや単独行動しているテイムモンスターのおかげで水蒸気爆発で再燃した炎の威力は弱まりつつある。


「……いのちをだいじにって言ったのにー……」

「死なないでください、私を庇って……」

「全員で帰るって言ったはずだろ?」

「…………蒼竜が懐いてるんです、後味が悪いので、もう少し頑張ってください。」


 目を覚さないマル君をみんなで囲む。

 ここまできたのに、一人離脱とか嫌だよ。

 元の世界に一緒に帰ろ、

 早く戻ってきて、


「マル君…………」

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