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21.超波動砲とイベント

 アイ竜は私の眼球を飲み干した。

 変な表現だけど、実際に飲み干したのだ。

 アイ竜が眼球を持つと、それは私の全力星の軌跡と同じくらいの魔力に変化した。

 魔力となった眼球を口に入れたアイ竜は咀嚼せずに小さくコクンと喉を動かす。

 三秒の間が空いて、アイ竜の瞳の色が変わった。

 比喩ではなく。

 アイ竜は金色と翠色を足した色の瞳だったがそこに強い蒼が混じって翠竜の母に似た花緑青になった。

 魔力の圧で座り込みそうになる。

 横に視線をずらすと苦しげにジンが口元を押さえていた。


「大丈夫ですか?」

「……多分」

「魔力酔いにゃ。確かにこれは、キツイにゃ。」

「……すごい、目玉一つでこんなにも……」


「さぁて、脱出しますかー」

『ああ、』


 二人が息を吸い込む。

 魔力がオーラとして可視化された。


『波動砲 装填準備』


 きゅいいいいん


 壁を消し飛ばすような威力の波動砲。

 その装填が始まる。

 大規模なものだから、いつもの倍くらい時間がかかっている。

 翠、金、蒼が入り混じり、収束する。

 いつのまにか現れた特大波動砲発射装置の先が光り輝く。

 目が潰れそう。


「まあ片方ないけどね。」

「怪我人ジョークやめいにゃ!」

「なっ、私の心を読むとは……」

「眩しいので何言いたいか大体わかりますよ。」


 んー、なんとか脱出できそう。

 これで森を抜けたら、西の住処への旅は一回終わりだね。

 今回の旅は異世界初の満身創痍だった……。


「なんもなかったのマル君だけだよね?」

「ま、まあそうかもしれにゃいけど……はっきりいう必要はない気がするにゃ」

「キョウは眼球が無くなったし肩に穴が空いてる。俺は攫われて額に傷を負った。」

「アイも翠竜と合体してアイ竜になったし。」

「た、確かに俺だけなんもやってないにゃ。」


 波動砲チャージが最終段階に入る。

 アイ竜は砲台を崩れかけている天井に向けた。


 ガシャッがシャン!


 今から撃つ、そうわかった時の私たちの発言は一致した。

 そう、某探偵漫画の決戦シーンをパロって……


「「「「行っけえええぇぇぇ!」」」」


 視界が真っ白になった。

 一瞬遅れて轟音が響く。

 真横に雷が落ちてきたらこんな感じなんだろうなと思いながら、私も座り込む。

 ワンチャン上から岩が落ちてくるから防御姿勢だ。

 段々視界が晴れる。

 眩しすぎて目を閉じていても貫通する光の余韻がなくなる。

 何度か瞬きをして頭を振ると、さっきよりも全然明るくなった岩の部屋があった。

 天井は抜けて、私たちが降りてきた螺旋状の道だけが綺麗に残ってる。

 トルネードポテトの中心にいるような気分だ。

 アイ竜は変身が解けたように分裂する。

 弾かれたように立ち上がった私は、倒れて頭を打ちそうなアイと翠竜のもとへ向かい、支えた。


「あははー、ありがとー。」

「魔力を使いすぎました……」

「んー……ちょっと寝るー、」

「僕も寝させていただきます……」

「あ、」


 アイが耳元に口を寄せる。

 

「キョウ、ヒーローみたいだねー。」


 そんな言葉を残すと、紫髪の少女と翠髪の少年は目を閉じた。


「……よかった。終わったな。」

「ゆっくりでも帰ろ。」

「はい!村に戻ったら父さんを戻して報酬を……」

「……」

「マル君?どうかした?」

「いや、何か忘れているようにゃ……」


 え?これでやるべきことは全部……


『キョウ!』

「はえ?」

「にゃ、にゃああああん?!」


 白いモコモコダイビングイベント発生!

 重力に従い落ちてくるフワフワを受け止めて、抱きしめる。

 言うまでもなくリフェルだ。

 肩に激痛が走るが、唇を噛み締めて我慢する。

 茶番の横でスタッと華麗に着地するケロベロス。

 五匹に分離してお座りした。


「びっくりしたぜ……このワンコロは?」

「リフェル……あ、ジンには説明してなかったか」

「完全に馴染んでるけどさっき合流したばっかにゃ。」

「ジンさん空間に馴染む能力◎ですね。」

「今更だけど感動の再会しておく?」

「ほんとに今更すぎるにゃ。」

「じゃ、一応……?」

「…………これなんで言えばいいの?」

「会いたかったぜキョウ!みたいな感じか?」

「外国人式挨拶のハグ把握にゃ。」


 私たちはれっきとした日本人だから、広げられた両手にハイタッチする。

 と、思われたが腕が長すぎて手の先に届かなかった。


「こーの、腕長人間!」

「だーれが腕長猿じゃ!」

「圧倒的言ってないです。」

「ほら大人しく。」


 ムスーっとしながら、腕に収まる。

 これ普通に拒否ればよかったのでは?

 アイが見てなくて心から嬉しいです。

 ひゃくぱーからかわれる。

 現実逃避をしていたら、耳元でささやかれた。


「守れなくて、ごめんな。」


 私にしか聞こえなさそうな低い声にドキッとする。

 固まっていると、マル君も乱入してきた。


「イヤー、再会できてヨカッタニャー」


 大きな声でそれだけ言うと、私とジンを腕で押し退ける。

 マル君は明らかに顔を顰めているし、ジンはニマニマしてる。


「棒読みレベルMAXだぜ」

「今のはジンさんが悪いと思いました。」


 おろした手に温かい鼻先が触れる。

 あ、忘れてた。

 

『楽しそうなとこ悪いが一度聞いてくれ。』

「うん。というかなぜここに?」

『それなんだが……』

ここからまだ何かあるのか…(無計画)

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