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5. 夕焼けと鬼

「で、九人になっちゃったな。こっからどうするか?」

「待つわけにはいかないでしょ。再開がいつになるかもわからないんだから。」

「ここからどうするかだよね・・・村でも探そうよ。」


ジンさんが振る会話に、アイとナシさんが答えた。


「村を探す意見採用!じゃあ出発するぞ!」


「「「はい」」」


とりあえず返事したのは、私とアイとマルトさんだけだった。

多数決を取り南に向かって歩き出したのであった。

じゃあ情報整理をしよう!

まずは現在一緒にいる人。

アイとアサヒさん、私とユズさん、ナシさんとシロさん、ジンさんとマルトさん、ルタさんの九人。

で、今から村に向かうらしい!

簡単すぎる情報整理をしていると前を歩くアイが足を止めた。

ぼーっとしていた私はアイの背中に頭をぶつけた。


「むぎゅッ」

「ちょっぼーっとしないー。」

「ごめんごめん」

「まあいいかー。見てー」


アイは白んできた方の空を指さした。

そちらを向くと・・・きれいな緑色の平原に大きな太陽が昇ってきていた。

日の出が来たのだ。

これでやっと方角が分かると考えていると私の後ろを歩いていたマルトさんに肩を叩かれる。


「なあ、なんか振動感じないか?」

「・・・カンジナイヨ」

「絶対感じただろ!棒読みだからわかるんだよ!嫌な予感がするから一緒に振り向くよ」

「・・・しょうがないな。」


嫌なものを見るのに私を巻き込もうとしたマルトさん。

いやいやと合図を待つ。

マルトさんがいっせいのーでと合図し二人で振り向くと


そこには身長が私たちの二倍ぐらいある鬼がアイに向けたこん棒をこん棒を頭上で振りかぶっていた。


「わっつ?!アイ!危ない!」

「おいおい、まじか・・・」

「どうしたんだ?!」

「うわぁー」


私が声を上げ、マルトさんはしみじみと呟き、ジンさんは振り返り目を見開き、アイは少し呆然とした。

私は無我夢中でナップサックから魔導書を取り出そうとした。

アイも振り向き逃げようと一歩踏み出す。

間に合わない!と私が思ったのは力をため終わった鬼がこん棒を振り下ろした時だった。


どん、ボゴーン!


小さな音が聞こえた気がしたあと、脳が震えるような音が響いた。

私たちは衝撃から身を守るためしゃがむ。

だが、いとも簡単にタンブルウィードのように転がった。

転がるのがおさまってすぐ目を開けようとしたが砂嵐が吹いていて視界が悪いから諦めた。

目を閉じたまま私は声を上げた。


「アイ!」

「いるよ!」

「いるの?!」


じゃあうまくよけたって


「突き飛ばしてくれたのーだから、入ってきた、ルタは、」


・・・ことではないようだ。

じゃああの威力のこん棒を、ルタさんは一人で受けたってこと・・・?

そこで砂嵐が晴れていく。

そこには流血しているルタさんが倒れていた。


「ルタ!」

「・・・ッ!アイはルタを介抱しろ!こっちは俺らがやる!」


ジンさんは鋭く息を吸った後的確に指示を出し、アイがたまにしかしない真剣な表情でうなずき突き飛ばされる+転がるで開いた距離を駆け出し、しゃがんだ。

私は開いたナップサックから魔導書を取り出し、マルトさんの方を向く。

魔法はマルトさんに気づかれるのを諦める。

頼れるのは嫌だけどマルトさんしかいないんだから。

魔導書を取り出した私に、マルトさんは驚いた後に嬉しそうな笑みを浮かべる。


「キョウ!俺たちも攻撃するよ!」

「わかったよ!マルトさん」

「マルトでいい!」

「・・・マル君、あれには何が効くと思う?」

「・・・改善されたからいいのか?まあいいや!属性というよりも行動不能にして素手だけど殴った方がいい気がする!」

「わかった!」


私は妥協してマルトさんのことをマル君と呼ぶことにした。


(行動不能といえば・・・眠らせるとか麻痺させるとかだよね)


私は目次から状態異常魔法のページに飛んだ。


(また、力を貸してください!)


「『精霊魔法:水 パラライズ』!」


びりッとしたのか一瞬だけ鬼の動きが止まる。


「キョウ、眠らせたほうが早いよ!」

「そうみたいだね。『精霊魔法:草 スリープ』!うぐっ」


効き目はあったようで鬼は座り込みおおきないびきを掻き始めた。

私も体がグンと重くなり、座り込む。


「キョウ?!大丈夫?」

「多分魔力が足りないだけ。起きる前に倒してね。私は少しまた休憩かな・・・」


普通に喋れてるけどすごく眠い。

マル君が駆け出したのを見届けたからもう寝てもいいよね。

今回の戦闘で魔力が足りないのは困ったことだなぁということを学んだ。

ルタさんがアイの介抱で生き延びられるようにと祈りながらも睡魔に身を任せた。

ストックがある限りは毎週金曜日に更新予定なので、見てくれると嬉しいです。

評価などもらえると、作者の活力となりますのでお願いします。

誤字報告もしてくれたらできる限り直します!

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