4. 目覚めと別れ
「ん・・・」
確か、魔力回復のため寝て、ミヤビさんがスライムに・・・
眠気が完全に飛んだわけではないが起きることにした。
いつの間にか夜になり空には星が瞬いている。
みんなは暗い中、火を囲み座っていた。
私はサクの肩に頭をのせて眠っていたらしい。
空と同じくらい皆の顔も暗い。
「キョウ、起きたね。起きるのも早かったし疲れてたんだよ。」
頭を起こしたことで起きたことに気づいたサクが背中を撫でながら声をかけてくれる。
「スライムはキョウさんの魔法で木っ端みじんだったよ。」
サクとは逆の隣りになぜかいるマルトさんが小声で伝えてくる。
なんでアイじゃないのか謎だ。
「だから私じゃないって・・・まあいいか、ミヤビさんは?」
「ミヤビは戻ってこなかったよ・・・」
マルトさんは悲しそうに首を横に振る。
(そうか、ミヤビさんは私のせいで・・・)
クラスメートの暗い雰囲気に同調するように私の気持ちも下がっていくと、それを察したかのようにジンさんが大きな声を上げた。
「くよくよ悩んでてもしょうがない!太陽が上がったら」
出発するぞという言葉が続くはずだったと思うのだが、その言葉はガラっという音にかき消された。
「が、崖が、」
焦げた平原に座ると火傷するかもしれないからみんなで地面が露出した崖の近くに座っていたのだがその崖の一部が崩れ始めたのだ。
その一部には四人が座っていた。
そして、落ちた。
四人というのはサク、スミさん、ココロさん、ショウさんだ。
「?!サク!」
少し呆然とした後、崖下に飲み込まれていくサクに気づき私は大きく手を伸ばす。
同じように手を伸ばしたサクの手をつかもうとするが、指の先が触れ合っただけでサクは重力に従い落ちていった。
私たちの間には仲間と得体のしれない世界で離れ離れになってしまったショックや自分の行動の後悔で静寂が訪れた。
「ココロ!今助ける!」
一番最初に立ち直ったリナさんが聞こえるわけがないのに、さけび私たちに背を向ける。
「私は崖を下ってココロを、みんなを助ける。ついてきたい人はついてきて。」
(サクにもう一回会えるかもってことかな・・・だけど手を滑らせて落ちたら・・・)
みんなは顔を見合わせる。
「俺は行く!」
「私も!」
「あ、じゃあ俺も・・・」
「ジンはこっちでリーダーシップをとって。大丈夫、戻ってこれたらすぐ合流する。」
ジンさんも手を上げたが断られている。
十三人に減ったクラスの三人、ユウさん、ヤシロさん、リョウさんが手を挙げ、リナさんについていくことになった。
「じゃ、行ってきます。」
「無事、また会えるといいな!」
リナさんは私たちに手を振り、三人の仲間を引き連れ崖の下に降りて行った。
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