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頼庵のエッセイ集

国際交流は突然に!?

作者: 藤谷 K介(武 頼庵)


 本日もお立ち寄り頂きありがとうございます!!


 去年から少しばかり書いたりしていますけど、いつもは12月~4月頭にかけて降る雪が、昨年の11月の初雪から始まり、2月も初旬も終わりになった本日まであまり降る日が無いという、近年まれに見る降雪日も少ない所在地地域となっています。


 降雪が少ないと言っても、まぁまぁ降ってはいるんですよ。だから寒くないという事は無くですね、当たり前に冬季の装いをしないと普通に寒いです。(笑)


 そんな降雪が少ない今冬(昨年の12月~)ですけど、雪を片す日も時折はあったりするんですが、そんな日常の中でちょっとした出会いと経験をしたお話が今回のテーマとなります。


 お時間がございましたらどうぞお付き合いください。



 

 先日ですね、久しぶりの大雪となった日、その日は関東圏内でも雪になったりとニュースになったりもしてましたけれど、私が住んでいる所でも大雪――という程ではないんですが、雪は降ってたんですよ。


 私が住んでいる場所は住宅街にありまして、町の中心地である市役所の近くなのですけど、春から冬初期にかけていっぱい訪れる観光客の方々はめっきり姿を見る事が少なくなるんです。


 温かい食べ物が有名な町なのですから、本来はけっこうな方がいらっしゃっても良いとは思うんですけど、本当に不思議なんですよね。


 実の所、私が住んでいる場所って本当に来ることの目的が『食べ物』しかないんですよ。

 観光名所的な物は隣市が有名ですし、県をまたぐ(北に行くと峠過ぎて隣県)とまた名所の有る観光市が有るんですね。なので私の街はですね、お昼ご飯に寄るか夕飯に寄るか又は最近つと名が売れ始めた朝――をしに来るかで、ほぼそのまま留まって観光される方をお見かけすることが有りません。


 で、ここからが今回のお話の内容になるんですけど、実はちょこちょこ海外の観光客の方も訪れてくださる様になったりしてるんですよ。


 でもやっぱりお見かけするのは先ほども書いた通り、春~初冬までが多いのですが、なんと先日の大雪の日にですね、そんな観光客の方と出会ったんですよね。


 その出会いが突然で――


 私はアパートに住んでますので、アパート前の雪かきをしてたんですよ。すると少し離れた所から聞こえてくる複数人の話声。


 この時はまだ貴重な体験をするなんて思ってなかったので、必死に雪片しをしていたんですが、どんどんと近づいてくるその話声で地元の方では無い事が分りました。

 

「*aふ$#%&ね&#+‘」

「%%&コ$#`+:い」


「ん? なんだ?」

 

 近づいて来ていた話声が私の直ぐ近くでずっと聞こえるんですよ。なので雪かきしている手を止めて顔を上げました。

 するとそこに若い女性5人組が立っていて、私の方を指差しながら何やら話し込んでいたんです。

 

 何かおかしなことをしてるのかな? と思って自分の格好などを確認しましたけど、特段変わった様子もなくいつもの雪かき時スタイルだったので、私は首を傾げていると、女性陣の中の一人が近寄ってきてニコっと笑顔を向けてきました。


 そして――


「シテも イですカ?」

 と片言の日本語でとあるものを指差して聞いて来たんです。


「ほぇ!?」

 私は思わず変な声を上げながらちょっと後ずさっちゃいましたね。(笑)


 そんな私を見てまたニコッと笑いながら指をさす女性。するとその女性の横に一緒にいた女性たちが並んで私の方を見て一緒にニコッと笑うんですよ。


「え? やりたいの? コレを?」

 そう言いながら私もそれを指差しながら聞くと、私に声を掛けてきた女性がウンウンと頷いたので、そのままでは汚れてしまうと思い、していた手袋をまずは外して女性に手渡し、それから少し離れるとその女性は楽しそうにしながら雪の塊の中へソレをガコ!! と音を立てながらツッコんだんです。


 そう、彼女が「してもいいか?」と尋ねて来たものとは、雪国では割とメジャーな雪かきの道具、『スノーダンプ』です。

 一昔前は、全金属製の重いモノしかなかったんですけど、今はプラ製の軽いものが割と出ていて、私はそのプラ製の物を使って雪かきをしていたんですね。なので女性でも多く雪を載せなければ割と雪を運んだりは容易にできます。


 何度か同じことを繰り返すと、別の女性と交換して、また雪にそれを突っ込むという動作と雪を捨てに行くという動作(それは教えました)を繰り返し、また交代。


 それを黙ってみていたら、初めに声を掛けてきた女性が私の隣に来たので、少しだけ話をしました。話しかけられた時から地元の人ではないと思っていたのですけど、見た目は同じ日本人みたいだったのですが、なんとその方々は台湾からの観光客で私の住んでいる街を訪れたらしいのです。


 その女性は片言ではあったんですけど、ちょっとだけ日本語が出来て、一人は英語が出来るので、その方が交代していた時に会話に混ざってもらい、色々な事を話しました。


 台湾ではそもそも雪が降る事が無いので、雪がある景色を見るのが楽しいという事。思ったよりも雪が降ると寒くて慌てて防寒着やブーツなどを買った事。もちろん町に来たことの目的は『食べ物』だったようですけど、私がしている雪片しに興味を持ってしまい、自国ではできない事を体験してみたかったことなどを本当に楽しそうに話してくださいました。


 どうりで着ているモノが真新しいモノだなと思ったんですよね。冬場の雪が降る地元の人は、いつも同じ物を着て雪かきなどをするので、おしゃれなものはまず着て雪片しなどをしません。

 あくまでも効率重視なのですけど、その女性たちは明らかにオシャレだったんです。(笑)


 ちょっとお話をしている間に、交代する方達も尽きたようで最後の方がスノーダンプを持ってきて私の前においてくださいました。


 すると全員が深くお辞儀をして「ありがとうございました!!」と拙いながらも日本語でお礼をしてくださったんです。



 そうして満足した女性たちはその場を去っていたんですけど、何度も振り返っては手を振ってくださったりお辞儀をして下さったりと、本当に凄く丁寧な方達でした。


 まさか私も日常的な雪片しでそんな体験をすると思ってなかったので、凄く新鮮で貴重な事を経験出来た日になりましたね。


 あと、その5人のおかげで、私のする雪片しの量が減って喜んだのは内緒です。(笑)



 

 外国の方が来られることが少ない田舎なもので、なかなかそういう体験って出来ないですから、雪が降って凄く寒い日でしたけど、田舎町でちょっとしたほっこり心温まる国際交流が出来たよっていうお話でした。



 本日のお話はここまでです。


 

お読み頂いた皆様に感謝を!!


 え!? K介は英語とか話せるのかって?

 実はちょっとは話せますよ。(^▽^;)

 まぁ伝わればいいのですよ。(笑)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 雪かき(雪片し)という重労働が、ほっこりした話に。 とても爽やかなお話で楽しく読めました。 [一言] 海外の方との交流が出来る事、尊敬します。 私はどうしても言語的制約により(英語が出来…
[一言] 地元の人間ならキツイことでも観光目的で自分達の国では中々できない体験ならきっとはしゃぐでしょうね。 前に何かで海外では日本の満員電車を体験するツアーがあるという話を聞いたことがありますから、…
[良い点] 観光で雪かき体験は、中々出来ない分、レアな体験になったかと思います。 スノーダンプで雪かき体験、なんて観光プランないですしね! 観光が終わり、帰国したら友達に熱くかたっているかも?!ꉂꉂ(…
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