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僕は魔王の寵愛を受けて復讐する  作者: 神尾瀬 紫
2/7

出会い

復讐BL小説、Aメロでございます。

優豪と魔王の濃いめの出会い、お楽しみください。



 

 ガボッ

 

 沈む。

 冷たい水に翻弄され流される。

 コートが水を含み異様に重たい。動けない。

 

 ガボッ

 

 肺から空気が奪われる。

 なのに全然酸素が入ってこない。

 死ぬ。

 殺される。

 畜生。

 あいつらが。

 あいつらが面白がって僕を。

 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい。

 もがいてももがいても水面には届かない。

 

『この川泳いで渡れたらこの動画拡散しないでやるよ。』

 あいつらは笑いながら言った。

 笑いながら録った僕の尊厳を貶める動画を。

 拡散しないで()()()

 僕の人権を奪い辱める権利は誰にもないはずなのに。

 抵抗は出来ない。

 目の前の一人がスマホを掲げ、二人が左右から押さえつけてくる。

 もともと腕力がある方ではない僕は、暴れても奴らには何の痛痒も与えない。

 苦しむ僕を見て笑っている、あの笑顔は悪魔のようだ。

 いや、きっと悪魔の方がまだマシだ。

 悪魔は悪魔だと自覚している。

 奴らは、自分の行動が悪魔の所業だと無自覚なぶん質が悪い。

 

 もうだめだ。

 最後の空気が肺から逃げる。

 力が入らない。意識が薄れる。

 あいつらはどうしただろう。

 僕が溺れたのに気がついて、きっと逃げ出した。

 そして明日には『何も知らない』と首を横に振るのだろう。

 僕をいじめていた証拠は全員で削除して。

 僕はただ一人で足を滑らせて川に落ちた、ただの間抜けとして処理される。

 せめていじめを苦にした自殺なら、あいつらの所業が世に知れ渡るのに。でもそれは多分望めない。

 あいつらはみんな共犯だから。きっと学校も奴らを守る。

 学校ぐるみで隠蔽される。

 僕は守られない。

 

 畜生。呪ってやる。

 

 体内に川の水と最大限の恨みを抱えて、僕は沈んでいった。

 

 

「?」

 突然男の感覚が異常を察知した。

 目線を上げる。高い天井の近くの空間がぐにゃりと歪む。

(時空の歪みか?)

 その穴から何か落ちてきた。

 ボトッ

 それは十分な重みのある、肉の塊のような音を立てた。

 室内には自分しかいない。

 彼は興味を惹かれて近付いた。

「・・・人族?」

 若い男と思われるその体は、もう生命活動をしていない。

 興味本位だ。急に現れたその塊に興味を持った。

 自分の中の魔力を練り上げ、掌からその塊に流し込んだ。

「ヒュッ・・・ッ・・・ガッ・・・ッ」

 ビクンッと塊が跳ねる。

 しかし呼吸をした途端、また動かなくなった。

 失敗した?

 いやそれはない。呼吸はした。

 空気が合わなかったのだろう。

 と言うことは異世界からやってきた?

「おもしろい。」

 それならこれはどうだ。

 彼はもう一度魔力を練る。そして今度は頭部を掴み上げ、その口に口から直に流し込んだ。

 魔力が染み込んでいく感覚がある。呼吸を始めた。

 しかしまだ足りない。

 生命活動を始めたその体は、まだ動かない。

 しばし考える。

 低位魔族を創造してこの肉体に宿すのは愚策だ。それではただの魔族が出来るだけだ。そんな傀儡にこの体を使うのは惜しい。

 この体の中にある脳を生かさなければおもしろくない。

 この生物の、そのものを知りたい。

 彼はその体を部屋の真ん中に横たえた。

 その周りに燭台を設置する。

 魔力を練りながら、その魔力が逃げないように魔法陣を形成する。

 絞り出す。

 体の奥の核の方から、自分の生きるエネルギーそのものを絞り出し、魔力に混ぜる。

 ドーム状の魔法陣の中で火花が散る。

 そこは、一般的な魔族が立ち入れば生きていられないくらい、高密度な魔力に満たされていた。

 仰向けの体を膝でまたぎ、異世界人の両の掌に道を通す。

 そこに自らの掌を重ねしっかり握る。

 彼は、周囲で暴れる魔力を力の限り吸い込んだ。

 体の中で更に高密度に、練り込み玉のイメージをする。

 薄く開いている唇をこじ開け、長い舌を強引に喉まで通し、体の奥からその玉を押し出して、そのまま相手の体の真ん中まで押し込む。

 更に魔力を吹き込み、奥に押し込んでいく。

 汗が滴り目の前はチカチカと火花を散らし、ガンガンと頭を殴られているようだ。

 魔族の王としてとてつもない力を持っている彼でさえ、限界を覚える秘術。

 異世界人の死者を生き返らせ、更にこの世界に順応させる。

 何万年に一度の最大級レベルの魔術は、異世界人の体の奥に玉が定着することで成功となるはずだ。

「ガハッ」

 唇を離し、肩で息をしながら咳き込む。

 ここまで力を使ったのだ。生き返らないはずはない。

 目を開け。

 手の甲で汗を拭いながら閉じられた瞼を見つめる。

 まだ定着しきっていないのか、少し生命サイクルに乱れを感じる。

 彼は異世界人の下腹部に手のひらを這わせた。

 この辺りに落ち着くはずだ。

 宥めるように撫でる。

 布が邪魔だ。

 その手に少し力を入れると、ベルトは千切れ布が裂けた。

 臍の下辺りに手を滑らせる。

 魔力の玉はまだ落ち着かない。

 もどかしい。

 理論は合っているはずだが、初めての術にいまいち自信はない。

 それでもせっかくここまで、自分の生命力まで削って施した術だ。失敗にはしたくない。

 ならばあとは・・・

 彼はおもむろに、下半身の衣服をはぎ取った。

 体の作りに違いはないらしい。

 ぐったりと動かない下半身の付け根を探り穴を見つける。

 上からより下からの方が近い。

 彼は長い舌をそこにねじ込んだ。

 グネグネと這わせ中をこじ開けて進む。

 だが、表から感じる玉の辺りまでは届かない。

 そこで彼は思いついた。

 その玉に魔力を届ける方法を。

 魔力は魔族の生命力だ。生命力と言うならこれ以上元気なものはないだろう。

 自分の下腹部を開き自身を取り出す。

 左手は異世界人の右手と繋いだまま、右手で自身を刺激する。

 魔族は繁殖はせず自然とどこかから生まれてくるものだ。

 何ヶ所か魔族の種類別に生まれる場所があって、そこで生まれることが魔族の存在を決める。

 そうして生まれて生きている魔族にとって、力は全てであり、性行為は単なる力の誇示だ。

 魔族同士であったなら、マウンティング以外の意味もない。

 しかし異世界人の身体にはどう作用するだろう。

 勃ち上がった自身を狭い穴に押し当てて、両手を繋ぎ直して強引に腰を進める。

 ぐったりした身体は適度に力が抜けて、締め付けられずに楽に進む。

 その狭い道に擦られゾクゾクと快楽を走らせながら奥を目指す。

 当然これくらいではまだだめだ。

 一度腰を引くとまたザワッと快感が走る。

 これは良い。

 彼は蛇のような割れた舌で自分の唇を舐めた。

 自身を収めた肉の道が蠕動して高まってくるのを感じる。

 何度も何度も抜き差しを繰り返し、自身の先走りがさらにスムーズに道をこじ開け滑らかになっていく。

 熱く溶けた肉壁を何度も何度も擦り腰を叩き付け奥を目指す。

 玉に届いた。あとは己の生命力を叩きつけるだけだ。

 激しく打ち付ける音とそこから聞こえる粘液の音。激しい呼吸。それらは誰に聞かれるとこもなく空間に溶けていく。

「う・・・クゥッ・・・ッ」

 彼の閉じた目の奥に火花が散って限界を教えてきた。

「ハアッ・・・アッ・・・アッ」

 感じたことがないような快楽に流されて、声が漏れていることにも気付かない。

 もう自分がどうしてそれをしているのか、どうでもよくなったまま、ただただイきたくて腰を動かす。

 こんな快楽は知らない。今までのどんな魔族とも違う激しい快感が理性を奪う。

「うぅっ・・・あっ・・・」

 頭の中が焼き切れる。

 堪らない。

 早く吐き出したい。

 ひときわ強く腰を打ち付け、のしかかる様に体重をかけて最奥を目指した。

「ウォ・・・ああ・・・く・あぁ・・・ッッ」

 その瞬間脳裏にハレーションが起き、自身は爆発した。

 魔力の玉に彼の体液が掛かる。

 すると異世界人の体が眩く輝きだした。

 下腹部の玉がある辺りを中心に白い光に包まれる。

「うわっ!」

 彼はたまらず目を庇いながら離れた。

 成功したのだろうか。

 薄く目を開けその様子を観察する。

 その身体は数秒光を放った後、その輝きを収めた。

 彼はその下腹部に手を乗せる。

 安定した。命が戻った。

 成功だ。

 彼はほっと息をつきその場に横たわった。

 だいぶ魔力を使いすぎた。生命力もだ。

 そして何より激しい快感の後の脱力感が心地良い。

 なぜこんなよくわからない生物に必死に命を与えたのだろう。

 そんな疑問が隅っこにあったことは否めない。

 だが、もしかしたらこれを生かせば現状の退屈がなくなるかもしれない。そんな予感もあった。

 初めて見る異世界人。しかもカラダが素晴らしかった。

 これは手放してはいけない。

 上半身を起こして傍らに横たわる人族を見る。

 見慣れない白い肌の色の変化はわからない。ただ、さっきよりも赤みを帯びた。

 その閉じられた瞼が、ピクッと動いた。

 なぜか、鼓動が跳ねた。

 両手を付いて見守る。

 薄く開いた唇が、ひときわ大きく息を吸った。

 ため息のように深く吐く。

 瞼が開く。

 異世界人の様子を見守るその瞳がどんな熱を帯びているか、気付くものはいない。

 一度、二度と、瞬きをする。

 瞳孔が定まっていないのか、焦点が合っていない。

 ぼんやりと天井を見ていたその頭が、じわりと動いて周囲を見回した。

「気分はどうだ?」

 低い音の振動が彼の鼓膜を揺らす。

 声のする方に顔を向けて、その目を見開いた。

 褐色の肌に黒いノースリーブワンピースのような服を着た美形。

 髪は銀色に光り、尖った耳の上から二本の角が捻れて生えている。

 白目のない真っ黒い瞳がまっすぐ自分を見ているのを感じた。

「だ・・・れ・・・」

 声が掠れて出ていない。それはそうだ、さっきまで死んでいたのだ。新しい命がまだ体に馴染んでいないのだろう。

 ついでに言葉もわかるようにしておいたのは多分正解だった。

「我は魔族の王だ。お前は何者だ?」

 片膝を立てて座っているその姿を、じっと見ている。

「おれ・・・、ぼ・く・は、きたがわ・ゆう・ご。」

 うまく回らない舌をゆっくり確認しながら動かして言葉を紡ぐ。どうやら理性的な生き物らしい。恐慌に陥らないのは良い。

 キタガワユウゴと名乗った異世界人が起きようとする。

 体をひねり両手を付いて上半身を起こそうとするが、なかなか力が入らない。ガクガクと腕が震え、すぐに崩れた。

 同じ様に疲労で動けない魔王も、片手をひらひらと動かした。

「いい。まだ無理して動くな。お前はここに来た時死んでいた。それを我が生き返らせてやったんだ。まだ馴染んでいないのだろう。そのままにしてろ。」

「死んで・・・?」

 戸惑うように揺れた瞳が、大きく見開いた。

 すると突然、ブワッと魔力が吹き出した。

 その魔力に支えられるように立ち上がり、憤怒の形相を浮かべる。

「そう・だ。ころされた。おれは、ころされた。さんざんなぶったあげくに、おれをころした・・・」

 凄まじいほどの怒りのほとばしりが、渦巻いた火柱のように蠢く。

 しかし、さっきせっかく吹き込んだ魔力を、もう吹き出されては、頑張った甲斐がない。

 魔王は右手をかざすと、その吹き出る魔力を上から押しつぶす様にユウゴに戻した。

 同時にべしゃりと崩れ落ちた体は、また動けなくなった。

「焦るな。まだ動けないはずだ。せっかく分けた魔力を無駄にするな。」

「うぅ・・・はい・・・」

 うつ伏せになったまま素直な返事が帰ってきたことに、少し驚き面白く感じる。

「それに、その格好はちょっと間抜けだぞ。」

 それ、と指差すその先に目をやったユウゴが、むき出しの下半身に気付き慌てて隠した。

「ちょ、え、なんで・・・なんでこんな・・・パンツ・・・」

 上半身は上着まで着ている重装備なのに、下半身は靴下だけというお粗末な姿だ。そうした犯人である魔王は、素知らぬ顔で放っておいたズボンを投げた。

 ベルトごと破かれて肝心なところが隠れないズボンに絶句する。

「ええ・・・なんですか、これ・・・どうしたら・・・」

 倒れたままズボンをモゾモゾと抱え、羞恥に真っ赤になっている。

 おもしろい。肌が赤くなる生物なのだな。

 知性がある魔族には羞恥心もあるが、肌の色が変わることはない。

 と言うよりも、もともとの肌の色が褐色なので変化がわからない。

 魔王は丸まっているユウゴを横抱きにして、ひとまず玉座に向かった。

 ユウゴを玉座に座らせると、その背もたれに引っ掛けてあったマントで彼を包んだ。

「来い。」

 空間に向かって呟く。

 すると天井辺りの闇がドロリと溶けだす様に下がり、床に落ちる頃には人型になって跪いていた。

 ユウゴの喉がヒッと鳴る。

「服を持て。中級魔族の物でいい。」

 無言でスッと頭を下げたそれは、今度は床に染み込むように消えた。

「な、な?」

 よくわからない生物の登場に、自分の置かれている状況がおかしいことに気付く。

 傍らに立つ魔王を見上げて震えている。

 白目のない目が笑う。

「怖いか?異世界人。」

「いせか・・・」

 そこまで言ってユウゴは口元に手を添えた。

 考えている。部屋を見渡し、自分の姿を確認し、魔王を見上げ。

「魔族の・・・王・・・魔王様・・・?」

「そうだ。」

「俺は一度・・・死んだ?」

「そうだ。身に覚えがあるな?」

 殺されたと、はっきりと憎悪を向けていた。何かに。

 ユウゴが静かに、それでもその白い目に怒りを纏わせて頷く。

「俺は、殺されました。悪ふざけの延長で。奴らはただのストレス発散のために、俺を嬲って支配して、自分が笑いたいがために、俺を殺した。」

 沸々とこみ上げる怒りを、憎しみを、静かに自分の中に溜めている。

 とても良い。

 怒り、憎悪、嫌悪、呪詛。

 あらゆる負の感情は、魔族にとって好物だ。

 すると、床から闇が立ち上がり、先程の人型の何かが現れた。

 服を持ってきたようだ。それを捧げ持って跪いている。

 魔王は自ら玉座の段を降りてその衣服を受け取った。

 要は済んだとばかりに、再び床に溶けるように消えるナニか。

 跪いていたので顔は全く見えなかったが、そもそもアレに顔があるんだろうか。

 魔王はそこそこヒトの形に近いので気にならなかったが、アレは四肢を備えているが明らかにヒトではない。

 戸惑うユウゴの瞳が揺れる。

「これを着ろ。」

 渡された、茶色のスカートのようなもの。

 スカート・・・スカートか・・・

 魔王様も長いスカート状の物を履いている。

 スカートなのか。

「・・・パンツは・・・?」

「ぱんつ?」

 怪訝そうな顔で魔王は首を傾げた。

 ユウゴはゴミのように落ちている、グレーの元ボクサーパンツを指差した。

「直にスカートを履くとスースーして心許ないというか、パンツがほしいんですけど・・・」

 どうもピンときてない顔をしている。

 もしかしなくても、下着の概念がないのだろうか?

 魔王様ノーパン?

 動揺しすぎて思考がおかしな方へ行く。

 でも怒りを飲み込むことはできた。

 ちょっとでも何かあると爆発しそうな怒りがある。

 この胸の中で煮え滾っている。

 だからこの異常な状況にも取り乱さなくて済んでいる。

 諦めて、茶色いスカートに足を通した。

 スースーする。落ち着かない。

 そこで違和感を覚えた。

 お尻?

 お尻から何か・・・流れ出てきた?

 こそっと後ろの違和感を探ってみる。

 指に黒い液体が付いてきた。

「なんだこれ?」

 ユウゴがかざした指の先に付いた物を見た魔王が何でもないことのように言う。

「ああ、それは我のモノだ。」

「はぁ?」

「我が、お前の中に出した。」

「はぁ⁉」

 魔王がグイッと近付く。

 その左手がユウゴの顎を掴む。

 玉座に体育座りをしているその腰のラインをなぞられる。

 いくら美形でも男だし、白目がないのが流石に怖い。

 魔王が顔を近付けてくる。

 クククッと喉の奥で笑っている。 

「お前がこの世界に来た時、すでに死んでいた。だから我の魔力で生き返らせた。でもここの空気が合わなかったらしくてな。もう一度死んだ。」

「え?」

 ここの空気が合わなくて?もう一度死んだ?

 じゃぁ今の俺は?

 魔王が更に顔を近付け、そのまま口付けられた。

 長い舌を口に差し込まれてユウゴの舌に絡みつく。

 唇の端を合わせたままにやりと笑う

「その後、もう一度我の魔力と生命力をお前に注ぎ込んだ。ここにな。」

 スカートの裾から滑り込んだ指が尻の隙間をこじ開ける。

「ヒッ・・・」

 掻き出されるように溢れだす液体の感触が気持ち悪い。括約筋も役に立たない。

「ここに、我を根本まで咥え込んで生き返ったんだ。体は覚えているようだな。」

「や・・・!」

 指が異様にスムーズに滑り込む。

 意識がある中でそんなところを触られるのは初めてで、思わず魔王にしがみついた。

 魔王の体液のヌメリを借りてグネグネと指が動く。

 腹の内側がキュッと疼く。

 口角を上げたまま、舌だけをユウゴの口内に差し込み舌を絡ませる。

「・・・あふ・・・あ・・・」

 二股の舌で人ならざる動きをされて、思わず声が漏れる。

 直腸を擦りあげる指の動きもあいまって、あっという間に白濁を吹き上げた。

 茶色いスカートに染みができるのを、魔王が面白そうに見ている。

「ほぅ。お前のは白いのか。」

「やめ・・・離してください・・・」

 恐怖がこみ上げる。

 人前で自慰をさせられ録画され、拡散されたくなければ言う事を聞けと・・・

 ユウゴの脳裏に地獄が蘇る。

 ガクガクと震えるユウゴを、しかし魔王は面白がっている。

「お前、イイな。」

 流れる涙を舌で舐めとり、そのまま顎から首筋へ舌を這わせていく。

 今まできちんと着ていたコートを脱がされ、制服をはぎ取られ、ワイシャツを引き裂かれる。

 あっという間にせっかく履いたスカートまで脱がされたユウゴは、体を隠す腕もまとめて掴みあげられてただ震えるしかなかった。

 白くて細い体が細かく震えている。

 今度は顔が青い。忙しいことだ。でも面白い。

「怯えると青くなるのか。」

 黒目しかない切れ長の目が意地悪く歪んだ。

「嫌・・・嫌だ・・・離して」

 怯えた顔を左右に振るが、魔族の王にとってはそれも悦びになる。

 魔王は震える白い脚の間に身体を収め、空いている片手で腰を持ち上げその下に膝を差し込む。

 すでに勃ち上がっている自身を再び後孔にあてがった。

「意識が戻ったのだから、もう一度我を感じろ。」

 首筋に舌を這わせ、ビクリとした瞬間に一気に腰を進めた。

「ヒアッ・・・!!」

 一度開かれた肉壁は、案外簡単に魔王を受け入れた。

 あり得ないところに異物を感じて、その不安にユウゴの瞳から涙が溢れる。

 目から溢れる体液が涙だということは魔王は知らない。ただ、初めてのその味が気に入った。

「うっ・・・くっ、ふ・・・んあっ・・・あ・・・」

 頬に流れる涙を吸い取りながら、下半身は容赦なく彼の最奥を探る。

 揺さぶられるたびに漏れる声が徐々に甘さを増していく。

 締め付ける内側のうごめきが魔王を急かす。

「・・・っはっ・・・あぁ・・・あ・・・はあ・・・」

 溶けだす甘い声。

 魔族の体液は媚薬になる。それを知らないユウゴは自分の内を焦がす熱を信じられない思いで感じていた。

 後ろの穴を使うなんて初めてだ。使いたいと思ったことだってあるわけない。なのに今、未知の相手の肉棒に貫かれて焼き切れそうな快感に襲われている。

 自分の後ろを犯すソレがズルッと抜け出て行く刺激に震え、またその内壁を擦って侵入ってくる圧に痺れる。

「あんっあっ・・・はぁぅっんっ・・・はっあっ・・・」

 信じられない声が出る。

 止められない。もっと欲しいと腰が揺れる。

 ついにその一点に魔王のモノがたどり着いた。

「っっ・・・!!」

 今までにない激しい刺激に声もなくのけぞる。

 うまく呼吸が出来ない。溺れているのとは違う呼吸困難に、浅く息をする。

 ユウゴの耳に荒い息遣いが届く。

 魔王の舌が首筋を舐め快楽に滲んだ涙を掬い、激しく腰を打ち付けてくる。

「ああっ・・・はっあっ・・・あっ・・・はぁ‼」

 魔王が黒い液体をユウゴの中で爆発させるのを感じた瞬間、目が眩むほどの熱い波が襲ってくる。

「・・・ッ!!!」

 ユウゴは声もなく喉をのけぞらせ、絶頂の中で意識を手放した。

 

読んでくださりありがとうございます。

これから壮大なザマァのために優豪が突き進みます。

どうか見届けていただければ幸いです。

苦しめられた人たちが、救われる世界を望みます。

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