第2話 契約事項はしっかりと
【もう、落ち着いたか?宿主サマ。落ち着いたなら、話を進めていきたいのだが………】
そう、俺にいい加減にしてくれと、少しうんざりした声音で話しかけるのは、龍だった。俺程度なら一飲みどころか、小蠅の様に思うほどの大きさを持ち、赤い世界の光を反射する黒の鱗を全身に余すところなく纏い、肩から今も進行形で赤い血液を垂らし、この世界を赤に染め続ける黄金の瞳をした龍。
その気配は、前世の記憶を持った俺でも――いや、だからこそ恐怖する、はずだ。
俺が暮らしてきた世界には、こんな化け物は居なかった。それは俺の暮らしていた世界では伝説の生き物。
あるはずの無いもの。
あったら可笑しい。いや、先程の蝶や、大根?も居なかった。だが、それは先ず想像すらもしていない、されていない。ならば、あれはキワモノで、ならば、こちらは本物の化け物だ。
だが、これは有った。存在していた。
それは、この場に、確実に。
幻想等では決してない。たった一つの個として、この世界に現界している。
想像上の生物。妄想の化け物。昔の人々の災害の化身。
『龍』だ。
龍が俺の前にいる。
その存在は、ただ居るだけでも目の前の俺に恐怖と、恐慌を与える、はずだ。
何故か俺はそれに対して、自分では到底対抗できないような暴力の化身の様なものに対して何故かおれはよく分からない感情を抱いていた。
『それよりも、ファーさん。゛宿主サマ゛ってどういった意味?』
【………ファーさん、だと…!】
そう、取り敢えず名前を略してファーさんと呼べるくらいには、好感情を抱いている。
何故か、そう言っても、この龍は怒らない。逆に喜ぶだろうと言う確信のみが、俺の心に残る。
それには、機嫌を損ねて殺される等と言った恐怖心は一切無い。考えすらもしなかった。
そして、俺がファーさんと言った後、ファーさんは何故か頭を下へと傾けた。
下へと、ファーさんが少し傾けるだけでも、今の赤ん坊の俺の場合それによって発生した風でバランスを崩す、と言うよりも吹き飛ばされる。
そして、俺は、四足歩行もままならないので、入っていた籠ごと吹き飛ばされた。
うおっ、危なっ!ちょっともう少し自分の体積考えてくれても――――
そう言いながら、俺は自分の足で籠を持ちながら立ち上がろうとしようとした。
だが、それは叶わなかった。
何故なら、先程以上の衝撃が俺の体を襲い、もう一度吹き飛ばされる事になるからだ。
【―――かつて、人族最強の英雄を殺し、終わりの巨人の宝剣と炎剣を奪い、主神をも殺し尽くし、最後には゛終焉゛をも喰らった。創造神にさえも世界の破壊者と恐れられた。
―――そんな吾輩に対して『ファーさん』等と、まるで近所に住んでるおじさんみたいな略称をするとはァ!!!
………フフ、フハハハハハハハッアーッハハッハッハ!!!】
そう、目の前でファーさんが叫ぶ。と、言うよりも嗤う。
その顎を万遍に開き、そこに並べられた牙の一つ一つは俺を簡単に貫き、破壊しそうな力を感じさせる。
だが、その笑みは憤怒や怒りに塗れた物では無く、いや、知らない人間からすれば、龍の笑顔などと言うもの自体、見たこと無いし、想像も出来ないだろう。だが、俺はその笑みが喜びの感情によって生まれているのだと分かった。
いや、初めて会った龍に何を言っているのか、と言われてしまえば、それだけなのだが、何故か分かる。
だが、その感情が分かっても、俺は人で、目の前の物は当然俺を完全に超越した化け物だ。人が歩いた突風で、そこらの微生物が簡単に消える様にそれの笑い声で吹き飛ばされる。
その衝撃は先程とは天と地ほどの差があった。俺は、さっきみたいに倒れるのではなく、俺の体はボールの様にバウンドしてこの赤い世界の奥へと進むことになった。
あ、痛い。普通に思ったよりも地面がごつごつしてたんだけど!生後数週間の赤子にやるにしてはハード過ぎない?もう少し、子供を労わろう?最近そう言うの厳しいんだからね!そんなにファーさん呼びが嫌なら、普通に話そうよ。そんなティラノサウルスの標準会話並みの声量にしなくても良いだろ!
【だが、気に入ったぞ。我が宿主サマ】
え?気に入るのそれ。
喜色の感情が声の節々から伝わってくる。
【ああ、吾輩に対し、ここまでのことができる人間を余り見ていないのでな。それに、今の吾輩の状態では指一本も宿主サマに出すこともできん。
―――そうだった。それについての話の為に吾輩はここに呼んだのだよ。時に、宿主サマ】
ファーさんは、そう言いながら、ぶっ飛ばされて赤い世界の地面へと無様に腰を降ろしていた俺の目の前に移動してくる。
ゆっくりと、静かに、だが、確実に。
目の前の物の一歩は、俺の百歩に相当するだろう。それぐらいのスケールの差があり、力の差がある。
それは、普通の人なら見るだけでも恐怖し、足を動かし、今すぐにでもこの場から逃げ出したいと願い、行動を起こすだろう。
だが、今の俺にはそれに対して恐怖も何も感じない。
【生きたいとは思わんか?】
目を合わせる。
見えるのは、金と赤によって造られた。至高の玉。
赤い世界も、黒の龍鱗も、この世界にある物、何もかもが俺の視界からは消え、先程から見えるその黄金の玉、二つのみが俺の全てを占拠する。
【吾輩ならば、お前を生かすことが出来る。契約を結び、運命を手繰らせよう。知識を教え、力を与え、お前を英雄にだって出来る。死にたくはないだろう?あの世界を見たいだろう?先ほどは死にたいなどと言ってはいたが………その言葉にお前の真実は無かった。
吾輩は、今はもう、肉の塊に過ぎんのだ。この世界で生きる為には、今を生きる宿主に寄生するぐらいしかできん。
そして、その果てで吾輩にこの変わった世界を見せてくれ………!我が、宿主よ。
―――もし、この世界を見るのなら、この世界で生きたいのなら、お前の手を伸ばし、吾輩の手を取るのだ】
どうする?別に、嫌なら嫌で、吾輩と共に終わるのもまた、選択の内だ、と龍は俺に話し掛ける。
それに対して、俺が言った言葉は唯一つ。
『よろしく頼む。俺の心臓』
【こちらこそだ。我が主】
こうして、俺は龍と一つの契約を結んだ。それが鬼と出るか、蛇と出るか今の俺には分からない。だが、その先の未来を俺はまだ知らなかった。
【と、言う訳で我が主よ。この契約書にサインをするのと、後、契約内容のプラン確認と、それぞれの契約事項の確認だ。書類は用意した。サインもこの世界の言語でなくても結構。真名であれば良い。
―――先ずは、基本契約の説明からだ】
え?
そこには、何処からか取り出してきた眼鏡を付け、後ろにフリップボードにその言っていた契約の書類だろう紙を貼り付け、棒を使いバシンッ、と大きな音を出す………。
ファーさんがいた。
【先ず、基本プラン。そうだな、契約Aとでも言おうか、その内容のコンセプトとして『主の生存最優先』だ。
この内容は、先ず川流しに遭っている今の主は基本的に栄養が足らず、物資もない。魔物の脅威自体はあいつの羽がある限り弱い魔物は来ないだろう。だが、このまま流されて行くのならば自然によって死んでしまうだろう。故に、吾輩が主の魔力を変換する。だが、この方法はまだ、人間でしかない主には効率が悪い。その為、吾輩の魂と主の魂を契約で結び、吾輩の魔力を主の体に慣れさせる。
………これによって、主の感情を少し魔力変換の為頂く事になるが、何も全てを奪うわけでもない。だが、質を上げるため、契約の【代償】として入れるが、内面まで奪う訳ではない。考えるだけならば吸収するわけでもない。『制限』として、付けておく。安心していろ。奪われるのは表面だけだ。
そして――――】
俺が啞然としている中でも、捲し立てられるかのように龍による契約のメリットとデメリットの説明は続いていった。
その後、俺は赤ん坊の脳には重すぎる量だったのか、知恵熱を出して気絶した。
【―――なので、って、主? ヤバい。流石にまだ、赤子である主の脳のキャパシティーがオーバーしたか………!クソ……―――主!意識を持て!】
あ、これ無理っぽい。
俺は、ゆっくりと赤い地面が近づいてくる様に見えながらも、抵抗せずに―――いや、出来ずに。顔を地面に叩きつけた。
【主ィィィィィイイイイイイ!!!】
ファーさんの叫び声が聞こえた後、俺の意識は消えて無くなった。
――――♡――――
【何故だ。
何故なのだろうか。】
そのようにして、思いに耽るのは黒い鱗を全身に携え、黄金と血潮の瞳をし、その翼を引き裂かれたのだろうか、肩の辺りから赤い血が流れている者。
その姿は、手負いと言うには気配が一遍も衰えず、かと言って無傷と言っては弱弱しい。その様な矛盾したかのような感傷を抱かせる、だが矛盾にも思えない。
その様な龍がいた。
だがこの様に、何故、何故なのだろうか、とそのように思考を巡らせるその姿は龍と言うよりも人間に似ている。
けれど、何故この龍は悩んでいるのだろうか?その理由はたった一つ。
【何故、吾輩は生きている………!?】
その龍の生命は、とっくの昔に滅んだはずだからだ。
その者は、強欲だった。
その者は、生まれ出でた時より、強欲だった。
他者よりも、何よりも、どれよりも、神よりも、その感情は大きかった。強く、強大で、尚且つ、それを彼は肯定した。
故に、彼は自らを生み、育てた親を殺し、その黄金を奪った。
よって、彼は強欲龍へと成り下がった。
それは、運命だったのか、もしくは偶然の賜物か。その黄金にかけられた呪いは容易く彼を強くした。
今までよりも、強い膂力。
今までよりも、強い生命力。
今までよりも、賢い脳髄。
今までよりも、強い魔力。
今までよりも、長い寿命。
そして、何よりその黄金が、彼の選択を肯定した。親に情が無かった訳ではない。逆だろう、愛していたし、敬愛していた。
だが、俺にとっては見えないゴミより、目に見える物の方が、そちらの方が価値があっただけだ。
そして、俺は黄金と共に奪った指輪を、渡されていた皮で包み込んだ。
ん?この皮は何の皮だったか………まあ、良い。覚えていないなら、どうでも良い事なのだろう。
そして、包み込んだ皮を開こうとして気付く、こんな場所では黄金が獲られてしまう。それだけはユルセン。許さん。吾輩の弟と言い、この黄金を奪おうとした盗人がいたが、吾輩はその時機嫌が良かった為、見逃してやったが、あのような愚物が現れんとも限らん。
それに、今まで住んでいた場所では今の吾輩の体では入りきらない。故に、吾輩は洞窟に寝床を移した。
そして誰にも盗られぬように、その黄金を下にして眠った。
そんな、平和な日々が10年近く、いや、何十年、か。
どちらにしても、その時の吾輩は時間など、どうだって良かった。
ただ、ただ、この黄金が、この宝物が、この微睡の日常が、続けば良いと思っていた。
そう、いただ。
ある日、ある時、ある時間。
吾輩の日常に異分子が紛れ込んだ。その名は――――。
「我が名は■■■■■■■!邪龍よ!お前を殺しにやって来た!」
吾輩の目の前に、聖剣を携え、鎧を付け、吾輩を殺すと宣う人間。
邪魔だぞ。人間。俺の日常を邪魔するな。囀るな。喚くな。近寄るな!
吾輩の黄金は誰にも渡さんッ!誰にだって、渡してなるものかッ!
「良いだろう。来い邪龍。お前の全てを奪いに来た」
――――――――
目の前の物は、今までの物ではない事を吾輩は、戦い始めてから気付いた。
今までのゴミならば、吾輩の腕を一つ振るだけで消し飛び、消える。
だが、この者は、この者は違った。
我が双爪でそのか弱い肉を抉ろうとしても、その手の聖剣と、鎧と、技術によって届かない。
吾輩がブレスで吹き飛ばそうとしても、その五体と、剣で受け止めた。
そして、死闘から三日が経過したころ。吾輩はやっとその者を殺せた。
いや、殺せた。と言うよりも、何かが外れた様な感覚と共に、目の前の男が倒れたかの様に思えた。
吾輩は一瞬の隙を突き、我の爪で奴の肉体を、鋼の鎧と共に引き裂き、その肉体を貫いた。
「―――グハッ!」
だが、その時思った事は、排除を完了したことによる達成感などでは無く。何かを失った。何かを無くした喪失感だった。
目の前の男から、何かが抜けていく気配がする。その時分かる。これが抜けた場合。この男は、この者は、この英雄は吾輩の前からいなくなってしまう!それだけは、それだけは、避けなければならない!
「なにを、する、つもり、だ?」
吾輩は、傷付いた肉体を無理矢理引っ張り、目の前の男に切り飛ばされた一対の翼の一つを右腕で血が垂れないように抑えながら近づく。
地面に男は仰向けで倒れ、先程の攻撃で腹部に穴が開き、血が流れながら、もう意識もはっきりしていないはずなのに堂々と吾輩に質問を投げかける。
それに吾輩は呼びかけた。
【お前こそだ。何処に行こうとしている?】
その質問に男は少し笑いながら答えた。
「………知らない、のか?死後、戦士の魂は、ヴァルキュリアに連れていかれ、エイン、ヘリアルになるんだ。
―――ほら、来た、ぞ」
すると、男の上に光が輝きそこから金の髪を束ね、背中には鳥の様な翼を携え、戦場に出る様な鎧を着込んだ女が現れた。その女は、男を一瞥すると吾輩を見る。
ああ、鬱陶しい。吾輩が認めた者以外が我を見下ろすことは許さない。
《貴方がD―666―Hですね?今回貴方が行った事は神話規定、『英雄神話』を破っています。即刻貴方は『グングニル』で消去される事が決まり――――》
【五月蠅いぞ。羽虫】
それを吾輩は、存在を奪った。
何かを、羽虫が言っていた様だが、まあ、良い。羽虫が何を言おうと、吾輩には羽音にしか聞こえん。
………なる程。これから奪った記憶によると――――ク、クハハハハハハハハッ!!
【ク、クハ、クハハハハハハハハハハハハ!】
心の声が少し、漏れ出てしまう。だが、だが、これは笑ってしまうだろう。吾輩の今までの道、世界全ては喜劇でした。なんて言われてしまったら。
「どう、した。邪龍」
【何、少し、面白い事があってな。ところで英雄。我らは所詮劇の中の張りぼてだったようだぞ?】
「何を、言っている」
【我らの命も、人生も、天上人の玩具に過ぎなかったという事だ。―――だから、我が英雄よ。一緒に復讐しようではないか。共に、永遠の時を生きよう】
ああ、だからこそ。だからこそ。我が宿敵よ。この身に戻った強欲はお前が欲しいと叫ぶのだ。
奪われたのだ、この身の強欲を。それのせいで吾輩は。黄金程度で満足していた。
だが、この身に戻った強欲は、奪われたなら、奪い返せと。
もっと。もっと、と。足りない。足りないのだ。欲しい。欲しい。欲しい。
そして、何より認めない。
英雄さえも、吾輩の物で、あろうがよ。
そして、吾輩は彼の英雄の上に着くと、顎を開き、牙を彼の肉へと―――差し込んだ。
「ぐ、ああ、ああああああーっ!!」
吾輩の牙が入ることで、ズタボロになっていた体は余計にぼろ雑巾の様になる。元々、折れていた右腕は、もう吾輩の口の中で咀嚼され、左足は今千切った。
残りの腕と、足はもうとっくに胃の中だ。
ああ、美味い。美味い。どんな食材よりもこの肉は味があり、この血液はどんな美酒より芳醇だ。そして、最後は魂だ。
【アア、良い色だ。良い輝きだ。良い匂いだ】
それは銀に光り輝いた、どんな物よりも貴い至高の宝玉。
そして、それを吾輩は――――――――
――――――――
【………チッ、思いだせん。何故だ?何故ここまで来て思い出せんのか】
我が思い出せる最古の記憶はここで終わっている。それは吾輩の起源。吾輩の根源。吾輩の記憶。
それらに繋がるマスターピースと言えるこの記憶。だが、不完全。ある程度は覚えているが、それらは全て覚えているわけではない。
組み替えて予測程度ならば出来るが、それも完全ではない。吾輩自身がこれらの記憶も正しいのか分からない。
それに組み替えるための記憶でさえも、記憶出来ていることは少ない。
先程の記憶も、英雄の名前と、吾輩が何に気づいたのか、などの重要な事は記憶から抜け落ちている。
ただ概要だけなら吾輩はその後、復讐に駆られ、主神を殺し、巨人王の宝剣を奪い、最後には世界の全てを奪いつくした。
その果てに創造神に殺され、心臓だけとなった。
そして、創造神よりも上の存在に回収され、気が付くと吾輩は『お前を転生特典へと改造する!』と言われ、力にリミッターをかけられた上で心臓だけになり放置されていた。
これに尽きる。
そして、今の吾輩はその心臓を組み込まれた哀れな犠牲者とも言える宿主へと、声をかける。
もしも、どうしようもない凡弱ならば、その魂と肉体を喰らい。もう一度復活する事も視野に入れながら。
【さて、念話をでもかけて………。まだ、肉体が慣れていないのか。まあ、良い。ゆっくりと宿主を慣らしていき、3年程後にでも存在を周知すれば―――――
ん?何を言っているのだね、宿主の今世の母君と父君。
え?赤い目は、悪魔契約者の証だから殺さないといけない?
・・・。
噓だろうッ!?クソガッ!!!ゆっくりとやっていく予定だったのに、タイムリミットは後最長で数日のみ!その間に、契約でも何でもしないと、宿主死ぬ=吾輩DEATHになってしまううううぅ!!!
念話は!念話はどうなんだ!………クソッ!妙に魔力抵抗が高い!吾輩今心臓なのに!中に入ってるのに!全然意志が伝わらないんだが!?】
結局、その日の内に宿主に吾輩の存在を知らせることはできなかった。
………魔力抵抗なんて、大っ嫌いだ!!!
久 し ぶ り。
遅れました。すみません!(ジャンピング土下座
許してください!何でもしますから(何でもするとは言っていない)
実は、私生活の方で色々ありまして………あ、馬では無いよ。
これからも、もしかしたらこんなペースになるかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。
・強欲系邪龍
その後、結局最後の慈悲で川流しにあった宿主にやっとの思いで話しかけても、何回か無視された可哀そうな人。不幸なのは心臓状態でも持っている黄金のせい。
・『契約』
この世界で魔力を持った生物が自分の魂を掛けて行う魔法の一種。契約をした両者において対等な『恩恵』と【代償】を決め、結ぶ力。
基本的に契約内容を破ると、破った本人が死ぬ。
『何でこんな事俺に教えるんだ?』
【ん?ああ、主は別世界の人間だったな。【契約】はどちらもがその契約のメリットとデメリットを理解した状態じゃないと結ぶ事が出来んのだ。無理に結ぶと知っている方が―――
――――爆発する】
『爆発するの!?』