リンゴはリンゴ?
「あのさあ、『リンゴ』って言ったら何を連想する?」
「赤い」
「青い」
「甘酸っぱい」
「太陽の黄金の林檎」
何それ?と、一同顔を見合わせた。
SFで、太陽の一部を掴み取る話。
「脱線〜脱線!」
「何が言いたかったの?」
「バベル」
「バビルの塔に住んでいる♪」
それはバビル2世。
「脱線〜脱線!!」
「それで?」
「言語の本質ってやつについて議論したかったんだよ!」
「同じ言葉を使っているのに、捉え方が各自違う」
「ふーん」
「テレパシーが使えるとするだろう?それは言葉でやり取りをすると、伝わらないということになる」
「なんで?」
「日本語だけとは限らないからだ!」
「じゃあ、どうやって伝えるの?」
「概念」
「がいねん?」
「だから、それが言語の本質。概念」
「……」
しばらくみんなポカーンとして彼の顔を見ていたが、誰かがアニメの始まる時間だと言ったため、これはこれでお開きになった。
リンゴはなんにも言わないけれど♪リンゴの気持ちはよくわかる?
「脱線〜脱線」
まったく、考えすぎ!
真っ赤なリンゴを服の袖でゴシゴシやって、ピカピカにすると、ガブリとかぶりついた。
これぞリンゴ!!!
彼は満足げにほくそ笑んだ。