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【書籍化・コミカライズ化進行中】貧乏で凡人な転生令嬢ですが、王宮で成り上がってみせます!  作者: 小針 ゆき子
第四章 公爵夫人フィオレンツァは、王宮に思いを馳せる暇がない
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07 そうだ、不埒者を呼ぼう


 

 「ねえヨランダ、この領地でゴムの木が取れる地域があったわよね?」

 「へぇい!?」


 目が覚めた途端、こんなことを口走ったフィオレンツァに、ヨランダは彼女らしからぬ奇声を上げた。慌てて口を押えて表情を取り繕う。

 「あ、…し、失礼いたしました。確かにそのようなお話があったかと思いますが…」

 「この領地ってそのゴムの加工もしているの?」

 「さ、さあ…私はそこまでは詳しく…。あ、あの、奥様…ゴムがどうかされたのですか?」

 「ヤツが私には必要になったのよ」

 「…はあ」

 「ニコールは頭が良くて弁が立って正面では歯が立たなかったんだけど、弱点があったことを思い出したの!」

 「その弱点とゴムに何の関係が…」

 「アレクシス…は忙しいわよね、秘書のダリルと話せないかしら?」

 「い、今でございますか?」

 ダリルはアレクシスが王都から連れてきた従者だ。やや年嵩なので、オルティス領に来てからは主に秘書の仕事に専念している。

 しかしアレクシスの命令で、現在は領地を離れていた…その行先と目的をフィオレンツァに話して良いものか。ヨランダがぐるぐる考えている一方で、フィオレンツァは何だか盛り上がっている。

 「黒光りするヤツのダミーを作るのよ!確かダミーのおもちゃの原料がゴム…いえ、あっちではシリコンだったかしら?でもこの世界にシリコンがあるとは思えないからやっぱりゴムで作るわ!勝てる…!ヤツが…いいえ、彼らがいれば私は勝てる!!」

 「…」


 あれは前世の記憶を思い出す少し前、修道院に入れられていたニコールが戻ってきた直後のことだった。ニコールはそれまでの仕打ちをしおらしく謝ってきていたが、フィオレンツァは彼女が改心したとはとても信じられなかった。相部屋だったのを別々にしてもらい、なるべく長姉のシャノンと行動をともにするようにしていたものの、常に気は抜けなかった。

 そんな時、フィオレンツァは見たのだ。ヤツを目にしたニコールが、無敵で怖いものなどないと思っていたニコールが、足元で黒光りするボディを見た瞬間、奇声を上げて逃げ惑うのを。どんな命でも虫けらのように思っているくせに、本当の蟲には弱かったらしい。

 フィオレンツァもヤツのことは見たくもないし触りたくもなかったが、命には代えられないと罠を仕掛けてそのボディを手に入れた。そしてニコールが必要以上に近づくたびに、そのボディをちらつかせて牽制してきたのだ。最初はハンカチに包んでいたので、次第にニコールはハンカチをちらりと見せるだけで近寄らなくなっていった。

 気を失っている間に当時のやり取りが唐突に蘇ってきていた…気絶もたまにはしてみるものである。同時に前世の記憶で、いたずら目的のヤツを模したおもちゃがあることも思い出したのだ。


 黒い君、いままで不埒者呼ばわりしてごめんなさい…あなたは私の救世主メシアでした。

 

 

 「フィオレンツァ…元気みたいだね?」

 「あ、あなた」

 天に向かって救世主への感謝を捧げていたフィオレンツァは、部屋にアレクシスがいることに目を丸くした。いつの間にかヨランダがおらず、部屋には二人きりだ。

 一瞬気が緩みかけるが、ふと気を失う直前のことを思い出した。アレクシスに酷い言葉を投げつけて部屋から追い出し、しかもニコールにはめられて言い訳もできずに気を失ってしまった。さあっと頭から血が引いていくのを感じる。

 「あの…」

 「傍に行ってもいい?」

 「…はい」

 フィオレンツァの返事を確認してから、アレクシスはベッドへと歩み寄った。花の香りがすると思ったら、彼は花が刺された花瓶を持っている。淡いピンクのスイートピー…確かこの邸の庭で咲いていたものだ。

 「お見舞い…本当は朝のうちに切って持ってくるつもりだったんだけど…」

 「あさ…」

 「フィオレンツァ、今日の朝、僕が庭にいるところを見たんじゃない?」

 「…そうです」

 「やっぱり。気配がしたから顔を上げようと思ったら、子爵夫人に話しかけられたんだよ」

 「そうだったんですね」

 納得も何も、それしかない。魔窟である王宮育ちのアレクシスが、あんな目立つ場所で妻以外の女性と二人きりになるはずがないのだ。もしかしなくてもニコールの方から突撃したのだろう。

 「ごめんなさい、酷い態度をとってしまって…。最近どうしても自分の感情をコントロールできないんです」

 「いいんだよ。自分の邸の中だからって油断した僕も悪かった。君が子爵夫人に対して気を張っていたのには気づいていたのに」

 「いいえ!あなたは何も悪くありません!…私が、全部私が悪いんです。ニコールのことが恐ろしかったし、恥ずかしかった。異常な姉がいることをあなたに知られたくありませんでした」


 フィオレンツァは、幼いころにニコールとの間にあった出来事を話した。

 アレクシスは静かに聞いている。

 「早く言うべきでした。…そして、周囲に何と思われてもこの屋敷に入れることを断るべきでした。結果的にあんな事態を引き起こして…申し訳ありません」

 フィオレンツァはぽろぽろと涙をこぼしていた。いつも年齢より大人びていて、滅多に感情をあらわにすることがない彼女の涙をアレクシスは指で拭う。

 「フィオレンツァ、はっきり言ってほしいんだ」

 「…」

 「ニコールとこれからどうなりたい?…和解したいかい?」

 ニコールと和解?

 それを想像しようとして、フィオレンツァの体に激しい悪寒が走った。

 「いや…。いやです。私…二度とニコールには会いたくない…。一生関わりたくない!」

 「わかった。大丈夫だよ」

 「ごめんなさい、私…わたし…」

 「心配しないで。さっき子爵夫妻は邸を出たから」

 「…は?」

 フィオレンツァは濡れた目を瞬いた。

 窓から見た空はもう日が落ちかけていた。そんな時間に馬車を走らせるなんてかなり危険な行為だ…貴族ならば絶対にしない。

 「ブキャナン子爵と話し合いをしたんだよ。…どうやら夫人と前当主に隠れて借金をしてたみたいでね」

 「…え、はい。借金?」

 ブキャナン子爵はそこそこ裕福な家だったはずだ。というのも、伯爵位と子爵位では国に納める貴族税の割合がかなり違う…子爵位から税はかなり高くなる。

 寄り親がないのに子爵位を維持できているということは、それだけで領地経営や商会経営の手腕に優れていると言えるのだ。だからブキャナン家の当主に秘密の借金があるなんて寝耳に水の話だった。

 「よくよく…よくよく話し合って、今回だけ僕のポケットマネーから援助することにしたんだ。その代わり念書を書いてもらったよ。子爵夫人を君に近づけないようにって」

 「念書、ですか?」

 念書はどれほどの効果があるのだろう。フィオレンツァにはニコールが念書ごときで縛られるとは思えなかったが、アレクシスはなんだかすごくご機嫌だ。

 「すぐに借金を返しに行くって、慌てて二人で領地に戻ったよ」

 「そ、そうなんですか」

 「だから君はゆっくり体を休めて。…もう一人の体じゃないんだからね」

 「?」

 首を傾げるフィオレンツァを優しく見つめながら、アレクシスはそっと彼女の腹に手を置いた。

 「元気ならどっちでも…って言うつもりだったけど…。やっぱり女の子がいいなぁ」

 

 


 ブキャナン子爵夫妻がオルティス領を去ってから数日後。

 フィオレンツァとニコールの父ホワイトリー伯爵がオルティス公爵邸を訪れた。

 

 「この度は、ニコールがご迷惑をおかけしました」

 客間に通されるなり頭を下げたホワイトリー伯爵に、アレクシスが困った顔をする。

 「義父上が謝罪されることではありません」

 「…いいえ。ニコールのことはずっと目を背けてきたことです。どこかでおかしいと思いつつ、でも結局いつも我慢強いフィオレンツァに負担をかけていました」

 ニコールの異常性は生まれついてのものだ。両親がどう矯正しようとしても、彼女は変われなかっただろう。しかもただの問題児ならばまだ手の出しようはあったが、ニコールは自分の本性を隠すのが非常に上手かった。

 ベラドンナは「性格が悪い」という言葉で括れる分、まだ叱ったり諫めたりしようという気になるが、ニコールは別物だ。一生修道院に入れておきたかったというのが本音だが、未成年は一度成人する前に修道院を出る規則があった。修道院から勝手に飛び出されるよりは手元に置いて監視していた方がまだ安心だったのだ。

 ニコールは表向き反省した体を装っていたので、ホワイトリー伯爵はそのうち領地の有力者の息子か低い爵位の次男以下から婿を取って、ずっと手元にニコールを置いておくつもりだった。それがまさか、フィオレンツァの結婚話を横取りするとは。

 一応ルパートの父であった当時のブキャナン子爵にニコールのことは説明したものの一笑に付されてしまい、他家の嫁となった彼女に口出しができなくなってしまった。ニコールはルパートと義父の前では貞淑な娘を装っていて、そのまま本性を隠して過ごすことを望んでいたのだが…もちろん現実はそんなに甘くない。

 こうしてニコールは今回もフィオレンツァの領域テリトリーを侵して彼女の心を踏み荒らした。

 「ブキャナン前子爵とは話を?」

 「ええ。二日前に。息子夫婦の仕出かしたことに恐縮していました」



 そもそもの話。ブキャナン前子爵の体調不良からおかしな話だった。アレクシスはルパートが何らかの方法で父親に弱い毒を摂取させて弱らせたのだとみている。

 基本的に貴族が爵位を先代から譲り受けるのは、急な病気や事故などで先代が死亡しない限りは、後継ぎが結婚して子供…できれば男児が誕生してからになることが多い。しかしルパートは投資に手を出して失敗し、少なくない額の借金をしていた。当主になれば借金を領税で返せると考えたルパートは、まんまと父を病気に見せかけて隠居させたのだった…ニコールでないと判断したのは、彼女ならば確実に息の根を止めるはずだからだ、それにニコールには義父を殺すメリットがない。

 だが思いのほか貴族税が重く、思うように借金を返せないことを知ったルパートは、ニコールに誘われるがままオルティス領に乗り込んだ。

 

 「よくルパートの借金のことを知っておられましたね?彼は両親にはもちろん、勘のいいニコールにさえ隠していたのに」

 「フィオレンツァの態度がずっと気になっていて…。他の姉弟…シャノン夫人やミリウスはもちろん、仲の悪いベラドンナ夫人のことすらたまに話題にするのに、三女のことは決して自分から話そうとしなかったんだ。ニコールか、あるいはルパートと何かあったと思って婚約中に詳しくブキャナン家のことは調べていた」

 調査の過程で最初はフィオレンツァに来ていたルパートとの婚約話がニコールに横取りされたことを知った。そのせいで確執があるのだと思っていたが、事態はもっと根深かった。


 「ニコールは地位にも金にも愛にも執着しません。あるのはただ一つ、とにかく誰かを傷つけたいという欲求だけ…。フィオレンツァの婚約話を横取りして矜持を傷つけ一時的に満足していたのが、フィオレンツァが自分よりさらに格上の夫人になったことで、傷つけたいという欲求が再燃したのでしょう」

 「地位にも金にも…愛にもか…。そんな人間がこの世にいるんだね」

 「にわかには信じられないでしょう?フィオレンツァは決して公爵様を信じなかったのではありません。ただ、あのニコールという存在の異常性を説明する術を持たなかったのです」

 ニコールはフィオレンツァの弱みを握り、オルティス公爵家に寄生してじわじわと妹をいたぶるつもりだったのだろう。しかし、彼女が都合がいいと選んだ夫の欲望がその企みを潰えさせた。


 アレクシスはあの日、ルパートと対峙した時のことを思い出す。

 投資分の借金を肩代わりした後…念書の内容を遵守するための質として利用したのが、娼館での借金だった。娼館分の借金の存在を示唆した途端、ルパートは心なしか体つきまで萎んだように感じた…決してニコールに知られるわけにはいかないと思ったのだろう。どうやら馬鹿なりにニコールに逆らってはいけない、ということだけは察していたようである…動物的本能だろうか。

 投資分の借金だけその場で肩代わりしたのは、高くついた口止め料だ。そして残りの…決してニコールに知られるわけにいかない借金を盾に、秘書のダリルをブキャナン子爵領へと同行させた。念書の通りに…ニコールを別館かどこかに幽閉し、前当主を呼び寄せることを実行させたのだ。ニコールは丁寧に簀巻きにしてから引き渡したので、連れ帰って閉じ込めるだけで済んだことだろう。

 あとはダリルが指示通りになっているのを確認して、残りの借金を今回に限って肩代わりすることになった。つい先日、全ての処理が終わったと使いを引き受けたダリルからの報告を受けたばかりだ。


 「しかし…娘婿をこういうのは何ですが、ルパートは小悪党ですよ?借金がなくなったら、約束を反故にしてニコールを解放するのでは?」

 「大丈夫だよ。屋敷に滞在しているときにあの夫妻の様子をじっくり観察して確信したんだ。ルパートはニコールに抑圧され、かなりストレスを感じていた。一度ニコールと距離を置いたら、もう二度と手元に戻そうとは思わなくなるだろう。それに前子爵にもしっかり手綱を握るように秘書を通して言っておいたからね。念のため、娼館通いの借金を返すついでにお気に入りの娘を身請けしてルパートにプレゼントしておいた。もう妾に夢中になっているんじゃないのかな」

 「…さすがですね」

 ホワイトリー伯爵は顔を引きつらせる。そうだ、この義息子はこういう男だった。ニコールは自業自得だとは思っているが、それにしてもとんでもない男の怒りを買ったものである。

 離縁こそされないだろうが、二度と夫に見向きされず、一生ブキャナン家の離れに幽閉されることになるだろう。



 「あぎぇええ、ぎょあえあぇああぁぁーーーっっ!」


 アレクシスとホワイトリー伯爵の話に一通り区切りがついた時。

 女の奇妙な叫び声が聞こえて二人は顔を見合わせた。客間を出て階下に降りれば、同じく悲鳴を聞きつけた屋敷の使用人たちが集まってきていた。そこに妻の姿を見つけ、アレクシスは走り寄る。

 「フィオレンツァ!今の悲鳴は…」

 呼びかけている途中で、足元に使用人の服を着た娘が転がっていることに気づく。先日の騒ぎでニコールに手を貸したメリッサだった。メイドとしては相応しくないという烙印を押され、かといって屋敷を追い出しておかしな噂を広められても困るので下女として雇い直していた。

 メリッサは白目をむき、床の上に大の字になって気絶している。

 「これは一体…」

 「フィオレンツァ、何があったんだ?」

 「あなた、お父様!とうとう完成しました」

 「…はあ?」

 首を傾げて見せると、フィオレンツァは手を出して、その中にあるものを見せる。

 アレクシスたちだけでなく、その場にいた全員が、ひいっ、と息をのんだ。

 「ゴ、ゴ…、ゴ…」

 「大丈夫でございます、公爵閣下、伯爵様。それはゴムでできたレプリカでございます」

 フィオレンツァの手の平に乗せられていたのは、一見黒光りする例の蟲…。しかしヨランダの言葉を受けてよくよく見てみれば、素早いはずのやつはぴくりともしない。

 「見事な出来でしょう?昔は本物の死骸を持ち歩いていましたが、さすがに気持ち悪くて…だからわざわざ作ってもらったのです。効果はご覧の通り!!」

 よく見れば、気絶しているメリッサの周囲にヤツのレプリカが三つほど落ちている。悲鳴はメリッサのものだったのだろう。

 「その下女を実験台に?」

 「同情される必要はありません、伯爵様。その娘は自分の不始末で下女に落とされたのに、それを恨みに思って先ほど奥様に詰め寄ったのです。奥様があれを投げつけなければ、私が鼻の骨を折っていましたわ」

 「そ、そう…」

 「さあ皆さん!何もありませんから仕事に戻ってくださいね。…ああ、あなた。その下女を引き取って頂戴」

 「かしこまりました…」

 ヨランダに命令されてメリッサを数人の使用人が引きずっていく。


 アレクシスはため息をつくと、まだ少し興奮しているフィオレンツァの手を取って、彼女の部屋までエスコートした。

 「アーヴァインを呼び出して何かやっているとは思っていたけど…あんなのを作らせてたの?」

 「はい!アーヴァインは表情筋が仕事しないくせに、本当に顔が広いんです。今回のことを相談したら、すぐに職人を見つけて来てくれました」

 「…」

 アーヴァインのことだ。いつも冷淡な義妹に頼みごとをされて張り切ったことだろう…それがヤツのそっくりさんの製作だとしても。

 「これでニコールに勝てます!!もうあの女がこの領地に乗り込んできても私は負けません!あなたもお腹の子も、私が守って見せます」

 「…そう。でも大丈夫だよ。フィオレンツァは自分の体のことだけ心配していればいいから」

 「公爵閣下の言う通りだ、フィオレンツァ。ニコールは二度とお前の目の前には現れないから安心しなさい」

 「あら、そうなんですか?でもニコールのことだから突然現れるかも…」

 「奥様、子爵夫人は事情があって領地から出られなくなったそうです。…ですが、そのレプリカはお守り代わりに持っていらっしゃった方が良いかと」

 「ちょ…、ヨランダ!」

 アレクシスがぎょっとした顔をするが、ヨランダはアレクシスだけに聞こえるように声を潜める。

 「奥様の精神安定剤替わりです。…安定期に入られるか、あるいは無事にご出産されて落ち着かれましたら、私の方から今回の経緯と子爵夫妻の顛末をしっかりとご説明しておきます」

 「そ、うか…」

 こういったことは女性のヨランダに任せた方がいいのかもしれない。

 フィオレンツァがアレを持ち歩いているのは妙な気分だが、ゴムでできたおもちゃなわけだし、アレクシスはひとまず様子を見ることにした。

 


 その後、フィオレンツァは無事に第一子を出産することになる。

 ヤツのレプリカはフィオレンツァのポケットからポシェットに移り、やがて引き出しへとしまわれた。そうしてその存在は皆の記憶から消えていった。 

 数年後、思わぬ時に思わぬ場所でそれが活躍することになるのだが…当時はまだ誰も予想しえないことである。



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― 新着の感想 ―
[一言] なんでメリッサをクビにしてないんだよw めっちゃ嘘つきでやヴぁい奴だったろ
[良い点] まだ出てきますか、あの黒いレプリカ(笑) 主人公の転されでもただは起きないところが素敵に思えます! 本当あの三女の存在のせいで次女がとても可愛らしく見えますね……
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