表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/43

再会

     * * *


 子どものリューオスはシズクに尋ねていた。


「シズクは人間なの?」

「違うわ」


「じゃあ、竜人なの?」

「竜人でもないわ」


「私はね、シミュレーンドール……機械なの」

 子どものリューオスはすんなりその言葉を飲み込んでいた。



「天空岩に一人、地上に一人、シミュレーションドールがいるわ」

 そんな会話もした。

 地上にいるシミュレーションドール。それを聞いてリューオスはなんの疑いもなく、女の子だと思っていた。



「その子もかわいいの?」

「……バカ」

 かわいいと言われて、シズクは赤くなった。


 そんな会話をした。

 今にして思えば、地上で会ったシムが、シズクの言うもう一人のシミュレーションドールなのだろう。




 そして、今、リューオスは十数年ぶりにシズクと再会した。


 目を開けたシズクは、リューオスを見ていた。


「シズク、久しぶり」

 ……なんて挨拶も変か、なんてリューオスはつぶやく。

 リューオスはあれから成長して容姿も変わってしまっている。

 シズクも自分のことがわからなくてもしょうがないと思った、その時……



「リューオス?」

 シズクはリューオスの名前を呼んでいた。





     * * *


「リューオス、大きくなったのね」

 シズクは感慨深げに、リューオスを見ていた。

 その言葉を聞いて、リューオスはなんだかおかしかった。まるで久々に会った親戚の子に言うような言葉だ。


「ああ、シズクのおかげだよ」

 大噴火の後、助かったのはシズクのおかげなのは確かだ。


 シズクは一人で起きれないようだった。

 リューオスはそんなシズクに手を貸す。



 その様子に、ヤイノは二人は特別な関係なのだと思い、立ち去ろうとした。

 だが、次のシズクの言葉に足を止める。


「大変なの。地上に落ちた子どもがいるの」

「ああ、それならもう解決したよ。それよりもシズクのことを……」


「え!? 解決した? どういうこと? 宇宙船か飛行機が来たの?」

 シズクは思わずリューオスの腕をつかみ、問いかける。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ