再会
* * *
子どものリューオスはシズクに尋ねていた。
「シズクは人間なの?」
「違うわ」
「じゃあ、竜人なの?」
「竜人でもないわ」
「私はね、シミュレーンドール……機械なの」
子どものリューオスはすんなりその言葉を飲み込んでいた。
「天空岩に一人、地上に一人、シミュレーションドールがいるわ」
そんな会話もした。
地上にいるシミュレーションドール。それを聞いてリューオスはなんの疑いもなく、女の子だと思っていた。
「その子もかわいいの?」
「……バカ」
かわいいと言われて、シズクは赤くなった。
そんな会話をした。
今にして思えば、地上で会ったシムが、シズクの言うもう一人のシミュレーションドールなのだろう。
そして、今、リューオスは十数年ぶりにシズクと再会した。
目を開けたシズクは、リューオスを見ていた。
「シズク、久しぶり」
……なんて挨拶も変か、なんてリューオスはつぶやく。
リューオスはあれから成長して容姿も変わってしまっている。
シズクも自分のことがわからなくてもしょうがないと思った、その時……
「リューオス?」
シズクはリューオスの名前を呼んでいた。
* * *
「リューオス、大きくなったのね」
シズクは感慨深げに、リューオスを見ていた。
その言葉を聞いて、リューオスはなんだかおかしかった。まるで久々に会った親戚の子に言うような言葉だ。
「ああ、シズクのおかげだよ」
大噴火の後、助かったのはシズクのおかげなのは確かだ。
シズクは一人で起きれないようだった。
リューオスはそんなシズクに手を貸す。
その様子に、ヤイノは二人は特別な関係なのだと思い、立ち去ろうとした。
だが、次のシズクの言葉に足を止める。
「大変なの。地上に落ちた子どもがいるの」
「ああ、それならもう解決したよ。それよりもシズクのことを……」
「え!? 解決した? どういうこと? 宇宙船か飛行機が来たの?」
シズクは思わずリューオスの腕をつかみ、問いかける。