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救難信号

「うわあああ!」

 なぜかヤイノは悲鳴を上げた。


 びっくりしながらも、リューオスはヤイノの方を振り向き人差し指を口に当てる。


「し……し、し、死んでる」

 ヤイノは震えていた。



 あーそうかと、リューオスは納得した。

 リューオスは人間と関わったことがあるから、人間が横になって寝るということを知ってる。

 竜繭で眠るヤイノにとっては、横たわっている少女が死んでると思えたようだ。


「大丈夫。眠ってるだけだよ」




     * * *


 シズクは眠っていた。

 時折、ファニィが家の掃除をしているのはわかった。

 博士が亡くなってから、どのぐらいの時が流れただろうか。



 ふと、シズクの耳に会話が聞こえて来た。電話のような会話。


『もしもし?』

『そこは天空岩?』



『もしもし?』

『もしもし、もー聞こえてないのかな? 竜人の子どもを預かった』


『どちら様?』

『竜の大地の居住区のシムという者で……』


 その言葉に、シズクは反応した。

 居住区にはシズクの友達が住んでいた。

 大噴火の後、まったく連絡がつかなくなって諦めていたのだが、こうやって居住区からの電話聞くなんて。



 シズクは喜んでいた。

 まだ、会話を聞いている。


『……天空岩からタツキという竜人の子が落ちて来た』



 その言葉にも、シズクは反応した。


――天空岩から竜人の子どもが落ちた?



 以前なら、自分を作ってくれた博士が飛行機でも用意して迎えに行けただろうが、今はそんなことできない。


 シズクは救難信号を出した。

 近くにテッドの舟はいるだろうか?

 科学技術の詰め込んだ宇宙船、テッドの舟。


 もし近くを通りかかっていれば、地上へ落ちた子どもを天空岩まで送り届けてくれるだろう。


 シズクは救難信号を動けない体で出し続けていた。


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