表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/43

接近

 だが、それでは説明がつかないことに気づいた。

 天空岩の一日は24時間。


 地上に落ちた弟タツキによれば、地上も同じく一日24時間らしい。

 ヤイノの考えでは、惑星と衛星の一日が同じ時間ということはほぼ有り得ないんじゃないかという結論に達した。



 天空岩は地上の上を公転しているのではないかという考えだったが。


 そこでまた別なことに気づいてもいた。

 そもそも天空岩が一つの星だとするなら、そこから弟が落ちるということはあり得ないはずだ。



 やはり天空岩は、地上の上に浮いている。

 それは、一体どういうことなのか?



 ヤイノの心の奥底でずーっとそれがひっかかっていた。




     * * *


 その日、タツキとヤイノと家の田んぼの手伝いをしていた。

 タツキの家では稲を栽培し、米を物々交換して生計を立てていた。



「あれ、飛行機? ロケット?」

 タツキは空を見上げそんなこと言った。

 空高く、ぽつんと小さな黒い点だったものが近づいてきていた。


 近づいてくるとかなりの大きさなのがわかった。


「宇宙船だよ」

 タツキの兄――ヤイノはそんなことを言う。


「宇宙船?」

「テッドの舟だよ。宇宙を旅する街で竜人と人間が乗ってるんだって。久々に天空岩に来たんだ……」

 ヤイノは感動してるようだ。



「テッドの舟かー。あれなら地上に行けるのかな」

 とタツキ。

 タツキは元気に振舞ってはいるが、時々地上でのこと思い出してるようで寂しそうな顔をする時があった。


「行けるだろうな」

「いいなー。――おーい、俺も乗せてくれ」

 タツキは宇宙船に向かって手を振ってみた。


 テッドの舟は地平線の向こうへ消えて行った。どうやら地上に向かっているようだ。





     * * *


 ――同じ時刻。


 桃畑で、リューオスもテッドの舟を見ていた。

 それがテッドの舟という名前であることは知っていて、なぜあの船の名前を知ってるのか自分に疑問を持った。


 そんなリューオスの脳裏にある出来事が思い浮かぶ。

 それは、地上の火山の大噴火の時だった――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ