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リューオスとヤイノの疑問

 ホウセンカはのんびりぼんやりした表情で釣り竿を持っている。


 と思いきや、ホウセンカの表情が険しくなる。

「かかった!」

 ホウセンカは巧みに釣り竿を引く。

 しばし格闘するも逃げられたようだ。


 次に餌を付け替え、また竿を投げる。

 さっきまでの気の抜けた表情は嘘のように鬼気迫る表情になっていた。


 こうなるともうホウセンカと会話できない。

 リューオスは静かに立ち去った。




     * * *


 リューオスはなんとなく旅に出ることにした。

 旅といえば大げさかも知れない。


 天空岩の外周に張り巡らされている鉄柵を回ってみることにしたのだ。

 天空岩の広さからして歩いて数日はかかるはずだ。


 だが、リューオスが数日かけてするはずの苦労を、翼のある竜人はあっさり反故にする。



「はい、おにぎり差し入れー」

 気楽な様子でタツキがリューオスの元に飛んで来た。



「う……うん。ありがとう」

 おにぎりを受け取るリューオスは引きつっていた。


「母ちゃんのおにぎりは美味しいから。あと桃畑は変わったことないから安心して旅を続けなよ」

 というとタツキは来た時と同様、飛び去ってしまった。


(なんか旅というより長い散歩だな)

 リューオスは苦笑する。

 食べ物の心配もないし、寝床に関しては竜人というものは自らが発する竜繭りゅうまゆにくるまれて眠るため、人間の旅に比べればかなり気楽だ。



 その旅なのか長い散歩なのかよくわからないが、リューオスのそれは十日ほどで終わった。一番初めに歩き始めた場所に戻ってきてしまっていたのだ。

 リューオスの思惑では見たことのない家か建物があると思ったがそれはなかった。



(じゃあ、あの映像は地上の映像?)

 リューオスに確かめるすべはなかった。



     * * *


 ヤイノは不思議に思っていた。


 天空岩はなぜ浮かんでいるのか――

 竜人たちは当たり前に生活してるから特に不思議とも思ってないみたいだ。


 両親に聞いても「天空岩は浮いてるもの」と、それで納得してるらしい。


 ヤイノは天空岩は、竜の大地を回る衛星なのではないかと考えた。


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