ゲートとエルフ
※ 落石に関する描写があります。
「よくわかったな」
その疑問に男は意外そうに振り返った。
「こんな天空岩で暮らしてててエルフなんか見たことあるのか?」
ヤイノはズッコけた。
「あの、さっきの女の子……」
「そういえば、なんか犬といたなー…… そうか、エルフだったか」
青い髪の男は何か考え込んでいたようだ。
どうやら、この青い髪の男はエルフで間違いないようだ。
ヤイノは、やはりスティナの言ってたことが当たっていたから、改めて感心した。
「エルフか。ゲートとエルフ……? ……ああ、ありがとう。いいヒントになりそうだ」
青い髪の男がヤイノに握手をしてきた。
「坊やの名前は? 俺はブル」
「ヤイノです」
「いい名前だな。また会えそうな気がするよ」
* * *
どのくらい歩いただろうか? 時間の感覚がわからなくなっている。
あいかわらず火山は噴火しているようだ。竜繭にこつんこつんぶつかる石に混ざり、どかっと大きな岩のような石がぶつかってくる。
その度に背負ったメノウが怯えてるのがわかる。
はじめのうちこそ、慰めの言葉もかけていたが、今となってはその余裕もない。
メノウはしくしく泣いていた。
火山ガスはまだ吹き出してるようだ。酸素が薄い。竜繭の中でなかったらあっという間に二人とも意識を失っていただろう。
一瞬、意識が朦朧とした。
だが気を奮い立たせる。
今は目の前の光景もしっかり見えてるし、おぶってるメノウの重さも感じる。
まだ大丈夫――自分に言い聞かせ、歩き続ける。
そうしてると、かつての大噴火のことを思い出していた。
こんな風に空気が薄くなって石や岩が飛んできた。地上からの噴火が天空岩まで届いて火柱みたいのが空へ登って行くのが見えた。
リューオスは震えていたと思う。母親は怯えながら自分を抱きしめていて。
そんな二人を、リューオスの父がこうやって竜繭を作って守ってくれていた。
両親は亡くなってしまったが、火傷を負ったが自分はこうやって助かった。




