助け
※ 落石に関する記述があります。
「大丈夫か?」
突然だった。目の前に男の人が現れた。
どこから来たのか、男の人が心配そうにメノウを見下ろしていた。
この時のメノウには、その人がピンチを助けに来たスーパーヒーローのように思えた。
「火傷してる。ちょっと我慢して」
その人が背中と翼に手をかざすと、痛みは治まった。
あっという間に怪我は治った。まるで魔法のようだった。いや、魔法なのだが。
ほっとしたメノウは安心して飛び出す。
「ダメだ! 飛ぶな!」
メノウの頭上を大きな岩がかすめた。
岩だけじゃなく、小さな砂のようなものがびしびし当たってくる。
「近くで火山が噴火して、石が飛んできてるんだ。俺から離れるなよ」
その人はメノウをおんぶした。
そして竜繭を張る。
本来は眠る時に翼のある竜人が自ら発するものなのだが、その人の竜繭は石や岩を弾き返す強度があった。
メノウは驚きを隠せない。
竜繭にそんな使い方があったなんて。
メノウは背中にしがみつく。翼はない。翼のない背中っていいなと思った。
翼はないから人間だと思い込んでいた。竜繭を作るということはこの人は竜人。
メノウと同じ竜人と気づき少しほっとした。
* * *
『助けて』
という声に導かれ、リューオスは魔導エレベータに入った。
「誰かいる?」
魔導エレベータに入ると、視界は一転した。
リューオスはそこが地上だとすぐわかった。
だが、魔導エレベータのある居住区ではない。
荒れた大地。
蒸し暑く、地面が揺れている……?
整備された居住区であるはずがなかった。
リューオスの目の前に竜人の子どもがいた。翼が生えているからすぐ竜人だとわかった。
だが、その翼を怪我していた。
なんでこんなところにいるのかとか不思議に思う余裕はなさそうだ。
「大丈夫か? 火傷してる。ちょっと我慢して」
リューオスは魔法で翼の怪我を治してやる。
子どもは飛び立とうとしたが、岩が飛んでくるのが視界の端に見えた。
「ダメだ! 飛ぶな!」
幸いなことに岩は子どもには当たらなかった。
ほっとしたのもつかの間、砂や石が次々と自分の体に当たってくる。




