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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
小さな恋の物語

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28/43

二人きり

※ 落石に関する描写があります。

「女の子もいる」

 水鏡には地上の様子が映っていた。

「女の子、怪我してる!」


 タツキは有無を言わさずシズクを自分の背中に乗せた。

「シズクも見て!」

 だが、シズクには水鏡の映像は見えなかった。



「そこは居住区なの?」

 と、まだ事態のわかっていないシズクはそんな事を言う。


「違う違う! 居住区じゃない! 結構やばそう!」

 そのタツキの言葉にシズクは不安になる。

 水鏡の映像を見てるタツキはもっと不安だった。


「シズク! 地上に行く方法は?」

「え? テッドの舟から……行けるかも?」

 頼りないシズクの言葉だったが、他に手段はない。

 タツキはシズクを背負い、そのままテッドの舟目指して飛び出した。




「行っちゃった……」


 残されたヤイノとスティナは状況がよくわかってなかった。

 二人きりの状況にヤイノはどきどきしたが、スティナはどこからか見つけてきたハシゴを魔導エレベータに立て掛け、水鏡を覗き込んでいた。


――言ってくれれば、さっきのタツキみたいのおんぶして見せて上げたのに。

 ヤイノはそんなことを思っていた。




     * * *


 メノウは地面が熱くなっているのに気づいていた。

 それともう一つ大事なことにも気づいていた。その場に留まっても解決はない。


 そう判断したメノウは飛び上がる。

 だが、運悪く、そんなメノウに後ろからに岩が飛んできた。


「きゃあ!」

 一瞬、何が起こったかわかっていなかった。事態を把握するより、痛みで自分の状況がわかった。

 運の悪いことに、メノウの翼と背中に当たった。


「……痛い」

 メノウは地面に落ちた。

 痛くて熱い。

 どこからか岩が飛んできたようだ。


 落ちたメノウは、地面が揺れてるのを感じた。

 地震だった。

 怖くなったメノウは飛び上がろうと思ったが、翼が熱くて痛い。飛び上がれなかった。


 メノウは泣き出した。

「誰か助けて」



『……誰かいる?』

 はっと、メノウは顔を上げた。

 誰もいない。だが確かに聞こえた。

 幻聴だったのだろうか?

 メノウは辺りを見回す。


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