遠征(ルーク)
白ハト達が僕の真上を飛び過ぎ去っていく
飛空挺が飛び交う空では鳥達のカーニバルだろうか
僕の名はルークという
王国ルクセリオに仕える、聖騎士だ
今は第1部隊聖騎士副隊長として、人々を脅かす魔物達を討伐している
これは僕の義務である。
僕はある任務で僕の故郷イズ島に遠征する事になった、
イズ島には2日前ほどに第1部隊聖騎士隊長が向かった。
僕の兄ジークである。
ジーク兄さんは聖騎士の中では剣術トップだった、負ける事など考えられない
誰もが憧れるほどに強く優しい聖騎士だ。
王国でもその名は馳せている
僕はいつもジーク兄さんの背中を見て強くなってきた。
この世界とジーク兄さんの背中を守るために...
「副隊長、近頃イズ島では魔物の活性化が進んでおります、今すぐ遠征に出るべきです、それに暗黒騎士の軍隊が砦を造ったという報告も耳にしました、隊長は故郷に滞在しているそうです」
僕の従者、アイシャがそう僕に王国で告げた。
エルフという種族であり赤髪のロングヘアーに黄金の瞳をした1つ年上の先輩だ。
僕は顎に手を当てて頷いた
「馬の準備はもう終えております、勿論、騎士隊準備も」
アイシャはいつも固すぎる、もっと羽を伸ばしてほしいものだ、
真面目すぎなのだ
だがアイシャの弓の腕は人間とは思えないほどの腕前だ。いつも助かっている。
騎士は全員で30名ほどか
少ないな、
だが騎士隊一人一人が熟練騎士であり、仲もよく忠誠心も素晴らしいものだ
僕は見慣れた顔達をなぞるように見てから
茶色い毛並みの馬に跨った。
「はっっ!!!」
ジーク兄さんは大丈夫だろうか
いくら聖騎士最強でも心配はするものだ
どうか無事でいて欲しい
そしてカレンさんと
ジーク兄さんの息子ヴァイスは元気だろうか。
心配事ばかりをしながら美しいルクセリオ平原を僕はほんの少しだけ早めに駆けた。