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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

錫メッキ短編集

拙者は犬である、名前は虎十郎

作者: 錫メッキ


ごめんなさい!

出来心で書きました!

直前に吾輩は猫であるを読みました!

ちょっと冬の場面を細かく修正してみました!


拙者名を虎十郎と申す。

物心ついた時には誰とも知らぬ墓の前に座り、日がなワフンワフンと吠えては墓守に追い出される毎日である。

しかもこの墓守がこれまたひねくれ者で酒と賭け事に明け暮れるどうしょうもない男ときたものだ。

とりわけ賭け事に負けた日は非常に弱った。憂さ晴らしなのか拙者を棒きれで打ちながら執拗に追い立てるのである。

しかしこんな男でも一概に害悪とは言え無い。

腹が減ったら粗末な飯を与え、風が吹けば襤褸で毛皮を巻き、雨が降れば朽ちかけた荒屋で一宿おいてやると招き入れる。

果たしてどちらが本当の男であるのかと思うがどうも当人もわからぬ様子。

己が招き入れたにも拘わらず暫くすると思い出した様に「御めえは臭くていけねえや」と言って棒きれで尻っぺたを叩くのである。

日がてる時間が長くなり、墓主が訪れる盆になると拙者は裏の山手に居を移す。

墓守も影弁慶とはよく言ったものでヘコヘコと墓主に頭を下げながら「今年も墓の調子が良く」などと墓主を持ち上げる始末であるが、墓の調子とはこれまた不思議なことを言う。

「墓の調子とは如何なものか」と墓主が言うと「へぇ、墓石が光り輝いてることでさぁ」なんていけしゃあしゃあとのたまふ。

「光ると言ったってこれはただの石であるぞ」「いや、日が当たるとピカピカと眩しくていけやせん」「なるほど」などと頓珍漢な会話を繰り返すのである。

盆が過ぎ秋になると、秋風が木の葉をカラカラとさらい、

啄木鳥や 落葉をいそぐ 牧の木々 

とはよく言ったもので葉が落ちる速さが速いのも然ることながら鳥どもが良く木に集まり墓に枯れ葉と糞を落とすのである。

これに墓守は怒り狂うと棒きれを持って鳥どもを追い回す。

だがいかんせん鳥は種を問わずめっぽう速い。

所詮人間である墓守が叶うはずもなく、そういった時は決まって拙者に棒きれを振るい鳥どもにけしかけるのである。

仕留めた鳥どもは夏の間に美味いものでも食っているのか大層丸々としており拙者は決まって胃袋に収めるのだ。

秋が終わると冬が来る。

しかしこの冬というものが最も問題で、毎年毎年飽きもせずに雪等という白くて冷たいものを撒き散らす。

この雪が降る頃には墓守の姿もとんと見えなくなり、拙者がこの墓の番犬となるのである。

冬も深まり雪が積もると、これがまた大層厄介で辺り一面をグンと寒くし拙者の鼻や脚の裏にをどうしょうも無く冷やす。

これを放置したままにすると痒くて堪ら無くなり、どうにも動き辛い。

そこでどうにか拙者がこの雪というもの退治してやろうと爪を振るうが雪の奴がこれまた上手くひらひらと躱すもので、とんと当たらないのである。

ならばこれはどうだと牙を振るうてみるがこれもバクリバクリと口を噛むだけで一向に手応えがないものときた。

これはもうどうにもならないとサッと逃げようにも雪に脚が埋もれて身動きがとれない。

これは参った、と寒いからやたらめったら脚を動かしては見るがどうにも尚深く埋もれる様子。

埋もれるからと動くのをやめると降る雪が積もる。

これは不味いと飛び上がって抜け出そうとすると決まって脚に力が入らないのである。

あぁ寒い寒いと藻掻くうちに、終いには頭まですっぽりと埋まってしまった。

するとこれまた不思議なことに埋もれているのにじんわりと暖かい。

体の芯からポカポカと暖かさが滲めば、寒さなど忘れる。

あぁ極楽極楽。

埋もれなければわからぬものだ。

この世の浄土はここにあったか。

南無阿弥陀仏ワンワンワン

南無阿弥陀仏ワンワンワン

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章が小気味よくていいですね。可愛らしい犬の姿が浮かんできました。 [気になる点] 盆や冬といった日常の説明から、急に今現在の話へと転換していて、若干違和感を覚えました。 [一言] 執筆活…
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