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あそんでくれるの?

 おトイレおぼえたから、ほかの所にも、行けるようになったのよ!

 みんながいる所にしかいられなかったのに。


 なんか高いカベがあってね?


 えいや! ってしたら、手がかかるから、向こうを見られるの。


 でもね、むこうにはいけないの。

 みんな、またいで向こうに行くのに、むぎがどんなにガンバッテも行けないのよ。


 向こうにいるともちゃんを呼んだけど、


「トイレ覚えたらね」


 って、いつもいうの。


 むぎ、よくわからないっていってるのに。


 でも、一つの所にトイレしたら、すごくすごくわらうの。

 みんな、うれしいみたい。

 むぎをアタマからシッポまで、ずいずいなでてくれるのよ!


 うれしくて、うれしくて。

 でも、その手をかんじゃうの。うれしいときって、なにか口にしたくない?


 みんなわらってたのに、すぐコワイカオするのよ?


 でもね、むぎ知ってるの。


 おこられたら、おヒザにいって、ゴロンすると わらってくれるのよ。

 それでうごかないで、ちゃんとおカオ見て、ごめんなさいするの。


「いたい。ダメよ? わかった? そうね……イイコね」


 えへへ! 鼻をツンってされるのがうれしくて、またその手をそーっとかんじゃった。

 そーっとしたら、おこられないのよ。

 でも、つい力がはいっちゃうの。


 むずかしいよね? っていってるうちに……


 すごいの! カベをどけてくれたの。


 もう、すっごくすっごく うれしくて、おかーさんのところまで はしっていったの。

 おかーさんは、なんだか上のほうでトントンって音を立ててるの。


 もう! むぎを見てくれないから えいや! って手をおしつけてみた。


 ウレシーってこと、アピールしてみたのよ!


 そしたら、ゴツンって音がして、むぎ、おかーさんに おこられちゃったみたい。

 なんで「みたい」なのかって?


 だって出られた事が、うれしくてうれしくて。


 そんなときに、おはなしなんて聞いていられないもんね!


 そしたらおかーさんがいうの。


「とも、むぎを捕まえておいてよ! もう、すっごいヒザ痛い!」


 ともちゃんが ちかづいてきたのよ! あそんでくれるの!

 うれしくて、うれしいから、走り回ってあそんだの。


 おとーさんが まってたりしてジャマするのよ? 


 みんなで あそんでくれるの。

 おいかけっこなの。


 ぜったいに、まけないんだから!

居間の出入り口に、バリケード(ティッシュケースの五箱包み)を作って、むぎが出られないようにしてました。


居間に新聞紙を敷き詰めて、どこにでもトイレしたら、ほめちぎる。

しばらく日にちがたてば、大体三箇所くらいにトイレの場所が決まってきます。


そしたら、しない部分の新聞を取り払います。


何日かしたら、二箇所にして。

最終的には、一箇所で出来るまでになります。

……もちろん、失敗したら、一部屋敷き詰めに逆戻りですが。


そして、一箇所にするようになったら、すこ〜しずつ動かしていって、トイレに決めてた場所まで移動できたら成功です!


移動も日をあけながらしてくださいね。


――などという事をしたので、小さなむぎはバリケードを越えられなかったのです。

実際は、日に日に大きくなる彼女。力も強くなる彼女は、自力で「えいや」をし、バリケードなぎ倒してましたけど(苦笑


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