ネンネするの!
目がさめたら、たくさんあそんで。
もうダメだとおもったら、ちかくにいる人にくっついてネンネなの。
ともちゃんが足を外のほうに折りまげてすわってて、
そのカドッコに顔を入れて、ネンネする。
すっごく安心。
かくれてるでしょ? あたし、みんなに見えてないのよ!
そんなともちゃんは、なんか、いつもよりずっとあったかい。
あったかいより、熱いくらい。
なのに急に、ともちゃんは立ち上がっていうの。
「寒い!」
急に、ハナがすーっとして、むぎのがさむいんですけど。
うごきたくなくて、ともちゃん見てたら、大きな布を持ってきて、かぶっちゃった。
ともちゃんが、消えちゃう!
どうしたの? なんでなの? むぎの前から消えちゃいけないのよ!
ながーい布の山が、目の前にあるの。
でも、ともちゃんがいないの。いないの。どこ見ても。
かなしくて、寒くなって、山をつたってあるいたら……
はしっこに、ともちゃんの顔があったのよ!
びっくりなの!
ともちゃんたら、体がなくなっちゃったのに。
顔だけしか、なくなっちゃたのに。
きもちよさそうに、ネンネしてるの。顔だけで。
……いてよかった。さびしいのよ? おいてっちゃダメなのよ?
すごくすごく、さびしかったから。
少しでもちかくで、ネンネするの。
顔によじのぼって。上まできたら、もう安心ね。
ともちゃんと、いっしょにネンネするのよ。
ウトウトしていたのに、ともちゃんたら、ヒドイのよ!
むぎを引きはなしちゃうの!
なんか、
「息が出来ない! と思ったら、むぎのお腹か。
もう。意外とペッタリしたお腹なんだから!
横になって首に乗ったら、しまるっちゅーの。……あー、頭痛い」
なんていってるのか、むぎ、よくわからなかったけど。
ひどいのよ?
顔とはぎゃくの、山のはしのほうに、むぎを引きはなすのよ!
山のなかみが、ともちゃんの体だってことはわかったけど……
むぎは、ともちゃんにくっついてネンネしたいの。
ともちゃんだ。って、安心してネンネしたいの。
だって、いつもよりも、あったかいんだもん。
だから、ともちゃんの所に、がんばってあるこうとしたんだけど。
むずかしいの。
山の頂上は、すっごく歩きにくいの。
グニャグニャしてて、ポヨンポヨンしてて。
でも、なんとかまた顔まできたよ!
ともちゃんたら、ずるいのよ? もうネンネしてるの。
だからむぎも、もっとしっかり。いっしょにネンネできるところで、ネンネするの。
さっきよりも、高いところ。
さっきよりも、なんかボコボコしててネンネしづらいけど。
安心なの!
そしたら、またすぐに、むぎを引きはなしちゃうのよ!
ともちゃんたら、どうしてそんなに、いじわるするの?
「だから! 息出来ないって!」
えー? よくわかんないもん。
むぎは、だれかにくっついてネンネすると、安心するの。
ネンネして、目がさめたら。また、たくさんあそんでね!
これも、まだむぎが、お腹ぽってりなチビっこの頃のお話です。
苦しかったんだよー。ほんとに。
最初は、首に乗り。次に顔に乗り。窒息するかと思いました。
……でも、お腹のペッタリさ加減は、なんか面白かったけど。
最終的に、大笑いして、頭痛を押しながら、むぎをなでなでした記憶があります。
今やられたら……キツイですね><(6キロさんなので)