序
「あぁ〜自分の思う通りにストーリーが進まぬものか」という思いから書きました。
風が吹く。日が沈む。笑い声。不安。すべてに目が霞む。
当たり前とは、日々薄れていくもので、この瞬間にも
―枯れていくのだ。
日の沈む瞬間を見届けることができるのは、この世界で何人いるのだろう。名前も知らぬ学校の屋上に1人。今にも落ちてしまいそうな位置に立っている者が1人。1人ではあっても独りではない。目を閉じ下を向く。口だけに恐ろしいほどの笑みを浮べ、これから始まる出来事にジャリと舌を噛む。この時間帯が最も危険で最高な舞の時。不意にフッと気配がしたかと思えど、糸の切れる音がパツンと響いた。
「喰われた……」
キシシッと人間味のない笑い声が辺りの建物に反響した。これがこの世界での死であるのだから笑うしかないではないか。
「どうせ自殺志願者かなにかじゃろう。」
そう、日が沈む瞬間に賽は振られ、外に出ていた愚か者が弾かれる。研究者が何年間と費やしてもそのカラクリは暴かれなかった。その現象を止めることを諦め、生贄が出ないようにすることに力を尽くすことに決めたらしい。
「はぁ、考え事をすると体力がもとうない。行くかな。邪魔が入るようじゃしの。」
さして気に病むこともないため息をつき、色のない着物に黒い長髪が違和感を感じさせるが構いもせず一歩踏み出す。下駄がカランと鳴り、その瞬間に黒い塊が屋上の入口に現れるが、それには鈴がひと鳴りしたようにしか聞こえなかった。そこには日も暮れただただ闇が潜んでいた。
路線がグニョングニョンでびっくりしました。描写がうまく伝わらなかったり、面白くなと思われても挫けず頑張りたいと思います。またお会いできることを祈って。