第4話 《強化知識》検証
ちょっと短めです。
後日、俺は槍の練習中に聞こえた自分の《強化知識》の検証を行った。
まず槍を中段に構える。すると何か違う、ズレているということが分かる。
持ち手を修正したり、持つ場所を変えたりしていくと、少しだがズレた感覚が減っていくのが分かる。
そして修正後に槍を突くと、ズレた感覚の時より、力が伝わりやすくなっているのを感じる。
今度は突くときの体捌きがズレているのが何となくわかった。
槍を突くときに、足、腕、腰とひとつひとつ気にしながら、ズレた感覚を修正していく。
そうやって全体を修正しながら、槍を突くと力を込めているというわけでもないのに、
速さも威力も正確さもあがっているのがわかった、そのうえ以前より疲れない。
構え、修正、突く、修正、構え、修正、突くと何回も繰り返す。
繰り返す度に洗練されていくのが、自分でも分かる。
試しに上段突きをしてみたら、自分でも笑うしかないぐらいヘロヘロのスピードになったが、
ズレているっていう感覚は感じない。
どうやら見たことのない動作は《強化知識》は反応しないようだ。
今回の検証結果
《強化知識》
見た技のみ、最適解の動作を感覚で理解・記憶する。
努力型限定コピー能力といったところか。
ただし、何度も練習しないと完全コピーは出来ない。
まあそれでも普通に覚えるよりは、めちゃくちゃ早くコツを掴むことが出来そうだ。
検証を終え、槍を中段に構え、突く。
最初の頃に比べたら、すべてが雲泥の差だ。
でもまだズレているいう感覚は消えない。
やはり完全に自分のものにするのは時間がかかりそうだ。
完全にズレを修正できたときのことを考えたら、ワクワクしてきた。
絶対に自分のものにしてやろう。