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その男、規格外につき  作者: しんぷりん
第1章 雌伏の時
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第18話 ダリエ村攻防戦2 ダリエ村 村長

今回の話はちょっと胸糞悪い話です、注意してください。

 俺が村長をしているダリエ村は小さい村で、人口も200人に満たない、特産物も名産物も何もない、本当にくそったれの村だ。俺は前村長の娘と結婚して、この村の村長を引き継いだ。俺の嫁である前村長の娘は、若い頃から女っ気の欠片もない、この村にお似合いの不細工な女だった。それでも俺は村長になるため、ずっとコイツの不細工面に付き合って、我慢に我慢を重ね、結婚生活を続けて来た。そして義父にあたる前村長がようやくおっ死んで、やっと俺が村長になったと思ったら、今回の騒ぎだ。

 亡者鬼という魔物が俺の村に現れたらしい。亡者鬼は人の魔力を奪って、人を亡者にすると国の調査官が、そう教えてくれた。その調査官は亡者は火に嫌がるから、村に篝火を焚いておけと言い残し、領主館に連絡をするため、村を去って行った。

どうして俺が領主になった途端、こんなことが起きる、俺は怒りで頭がおかしくなりそうになったが、ふと名案を思い付いた。これを利用して嫁を殺せばいいじゃないか。俺が村長になってからも、相変わらず口うるさく働けだの、村長らしくしてだの言ってくる嫁に、ほとほと嫌気をさしていたところだ。この村では村長になった俺より、前村長の娘だった、嫁の言うことを聞くやつが多い、そんなこと許せるはずがない、この村で一番偉いのは村長である俺のはずだ。

 

 そんな何の特徴もないこの村だが、それでもたったひとつ、自慢できることがある、それは美しい母娘が住んでいるということだ。この母親は若い頃、嫁にしてやると言ったした俺を振り、ただの農家をやっている、しょうもない男を選びやがった。俺は昔から男前で女には困ったことがない、その俺を振って、あんなうだつの上がらない男と一緒になるなんて、どうかしているとしか思えない。あの女の選んだ男が、数年前に病気で死んだ時は、心のそこからざまーみろと思ったものだ。

 邪魔者もいない今なら、この女も一緒に手に入れることが出来る。それに娘も母親似で非常に美しく育った。昔に比べて母親の方はとうがたってしまったが、それでもじゅうぶん過ぎる容姿だ、この機会に両方とも俺の女にしてやろう、存分に可愛がってやる。


 俺は時間が差し迫る中、計画を練り、実行に移した。まずは夜になってから、母娘以外の邪魔な村民どもの家を訪ね回り、安全確保を理由に、騎士団が来るまでだからと説得し、次々に村の食糧庫にある地下室に移動させた。嫁にもその手伝いをさせた、俺の言うことを聞かない馬鹿な奴等がいるので、そっちは嫁に任さざるを得なかったのだ。

それが終わると、俺は嫁と篝火の準備を始めた。村人に手伝ってもらった方がいいのでは?という嫁に、村民の安全が一番で、これは村長である俺と嫁の仕事だと言ったら、あっさりと信じやがった。嫁もようやく村長らしくなってきたのねと喜んでいたが、騙されていることも知らないで、救いようのない馬鹿なやつだ。

そして俺は、嫁と篝火の準備をしている最中に、声を掛け忘れていた家族があったのを思いだしたので、事情を説明しに行くと言って、篝火の準備を途中で抜け出し、母娘のいる家にやってきた。俺は家の裏口の扉を壊し、屋内に侵入し、寝ていた母娘を襲い、猿轡を噛まし、両手両足を縛り、そのまま寝台に転がした。襲った際、激しく抵抗したので、5・6発殴ってやったら、ぐったりしてすぐに大人しくなりやがった。最初から抵抗しなければ殴られずに済んだものを、本当に馬鹿なやつらだ。乱れた腰布から見える艶かしい太ももに、今すぐ可愛がってやろうかと思ったが、まだやることがあるし、コイツらは最後の最後のお楽しみなので、今は泣く泣く我慢することにした。

これで後は篝火の準備をしている嫁を殺し、母娘を行方不明ということにして、家の地下室に閉じ込め、それを全部亡者鬼のせいにすれば計画は終了だ。村長の家の地下室は、深く頑丈に作られており、ここなら騒ごうが喚こうが、一切音は外に漏れない。一生、地下で飼い殺しにしてやる。気がつけば、夜が明け始めていた。まるでこれからの俺を祝福してくれるかのように、黄金色の光が俺の顔を照らし始めた。

俺は自分の計画が、予想以上にうまくいっていることに、気分がよくなり、鼻歌を歌いながら、俺を待っている嫁のもとに向かうことにした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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