甘々兄貴なんですが……。
「あー、久しぶりだ! 誠の部屋」
海から出て、誠の家に着いた私達。
三週間ぶりだからなんか新鮮に感じる。家具も少し新しくなってるし。
でも落ち着くなぁ。
「凛ー。水着って洗っちゃっていいよね?」
「あ、ごめん。うん、お願い」
誠のこういうさりげない気遣いができるところ好きだなぁ。
……さっきから私、おばあちゃんみたい。
「よし、オッケー! 凛おいで」
ソファーに座って自分の膝をポンポン叩く誠。
……。
「さーてと、夕飯作ろうかなー」
「凛ちゃーん」
恥ずかしくて素直になれない私。本当は行きたいんだよ?
でもやっぱり恥ずかしい気持ちが勝っちゃう。
キッチンに向かうと相変わらず整理されている器具達。
女の私より綺麗って少し落ち込む。
まぁ、そういうのも慣れたんだけど。
「凛ー」
「わっ!」
誠が後ろからいきなり抱きしめてきた。
「ビックリしたー……」
「だって、凛が来てくれないし……」
「それは……!」
「分かってるよ。恥ずかしいんでしょ?」
そう言って私の首筋に顔を埋ねる誠。
自分でどんどん身体が熱くなっていくのが分かる。
「誠、くすぐったい……」
「凛いい匂い」
「汗かいたし、海も入ったから塩の香りもある」
「まぁね。でもいい匂い」
も……。誰かこの甘々度どうにかしてください。
「ずっと凛のこと抱きたかったから今やばい……。……いい?」
「……お風呂入ってからなら」
ストレートすぎる……。
それに私。もっと素直になりたい。
「ふふっ。そうだね。一緒に入ろう?」
誠の問いかけに黙って頷く私。
そんな私に軽くキスしてクローゼットに向かう誠。
なんか幸せすぎて怖い。
このまま一緒に居たいとは思うけど、私達は兄妹。
血は繋がってないけど、パパにも我が子同然に育ててもらったからなんとなく罪悪感を感じる。
「凛? 行こう?」
優しい笑顔で呼んでくれる誠に笑顔で頷く。
あ、そうだ!
「誠」
「ん?」
「ベッドまで何もしないでね?」
「……」
ゆっくり目線を横にずらす彼に思わずため息。
――……結局お風呂でいろいろされちゃいました……。
これは私のガードの問題でしょうか?
「誠ーご飯出来たよー」
「おー! 久しぶりの凛料理!」
お風呂でいろいろやられたので、先にご飯を食べるということになりオムライスを作った。
オムライスは誠の大好物で、なぜか誠は私の作った料理を凛料理と呼ぶ。
理由は……そのままだと思うけど、今度気が向いたら聞いてみようかな? 今度。
「いただきまーす!」
「召し上がれ」
誠の最初の一口を思わず見守っちゃう私。
だっておいしいか不安じゃない? 最近作ってなかったし。
「うまい!」
「よかった」
二人でご飯を済ませ、誠オススメのDVDを見た。……そんなに面白くはないかも。
ふと周りを見渡すと、時計の針が十二時を指していた。
「誠、もうこんな時間だ。寝よう?」
「え? まだ十二時じゃん」
「私眠くなっちゃった」
「そっか」
なんか一瞬にやっとしたような気がするけど気のせいだと思おうかな、うん。
二人でベッドに入ると誠がキスをしてきた。
「誠……ん……ねむ、い……ってば……」
「まだ寝ちゃダメだよ? 朝のお仕置きもまだ残ってるんだから」
まだ覚えていたんだ……。
もう次からは辞めよう。
唇はだんだん首筋に移動して、来ていた部屋着もすばやく取られた。
「あ……」
自分の声じゃないみたいな高い声が出て、恥ずかしいから手で口を塞ぐけど、それを誠は許してくれない。
「ダメだよ? もっと凛の可愛い声、聞かせて?」
いつもより低くて色気のある声に顔が真っ赤になる。
その間に誠はすばやく私の手を縛って、ベッドの上の金具に縛り付ける。
そんな紐どこから?
そんな疑問が生まれたけど、今はとてつもない羞恥で考えられない。
なんたって全身を誠にガン見されているんだ。
「凛の身体、すごく綺麗……」
「やぁ……あ……ん……」
――そのまま彼に翻弄され続け、記憶にはないけど何回もイかされた。……気がする。
もう!