みんなにすべて報告しました。
「なんでそんなことするの? 危ないだろ? 凛、女の子なんだよ? それでそいつが襲ってきたら敵わないの。分かる?」
「……ごめんなさい」
現在お説教中です……。
なんでこんなことになったかは、つい三十分ほど前のこと……。
――「あ、誠に電話しなきゃ」
昨日のこと報告しなきゃ怒るよね。
しても怒られそうだけど……。
今の時刻は午後十二時十五分。
ちょうどお昼休みかな?
プルルルル
プルルルル
「もしもし?」
「あ、誠?」
「うん。ってか、俺の携帯に掛けたんでしょ?」
クスクス笑いながら言う誠。
機嫌いいな。今なら大丈夫かも。
「まぁね。……あのさ、話したい……というか報告しなくちゃいけないことがあるんだけど……」
「ん? なんかあったの?」
それから一昨日と、昨日のことを話した。
「ってな感じで……」
「……」
誠が無言。
やっぱりダメか。かなり怒ってるなー……。
「……馬鹿じゃないの?」
「う、すいません」
誠が馬鹿って言うのは結構珍しい。
というか、私に対しては言ったことがない。
こうして、さっきの会話になりました……。
こんなに怒ってる誠初めて見るかも。
「それにさ、その男のメールになんて返信したの?」
「……『メール嬉しいです。私、あなたのこともっと知りたいです』……って送りました……」
それを聞いた誠が絶句しているのが、電話越しでも分かる。
「……そしたら?」
「えと……『俺もだよ。凛ちゃんのこともっと知りたい。プレゼント楽しみにしててね』って……」
「……」
怖いよー。
「あ! で、でも! メールした理由は相手をその気にさせて住んでいる所とか、名前を聞き出そうと思ったからで……」
言い訳をしてみるけど、言ってて自分馬鹿だな、って思い始めた。
何してるんだろう? こんなことしたら誠が怒るに決まってるじゃん。
「そう……。明日暇? 俺の家に来い。男の怖さを教えてやるから。そして凛が女の子っていうのも」
「え……」
明日……? ……特に予定がない。
いつも平日は何かしらあるのに明日に限ってない!
それに男の怖さって何?
何するの?
誠が命令口調で言うってことは、断ったら絶対ダメだ。
前に一回あって、断ったらしばらく会ってもらえなかったから。
「いいな?」
「……う、うん。何時ごろ?」
「何時でもいい。ずっと家に居るから」
「わかった……」
「じゃあな」
「うん……」
……なんか、まずいことになってきちゃった。
誠、会社大丈夫なのかな?
それから昨日心配かけたみんなに大学で事情を話した。
アオイと美香がすごく怒って、でも無事で良かった、って言ってくれた。
木梨くんやリク、よっしーは変態男に対し、許せない! と、怒ってくれて改めて今回自分がした事の重大さと、みんなが本当に心配してくれてたんだと思って、少し泣きそうになった。
それから午後の講義を受けて、みんなとはバイバイ。
辺りは薄暗くなってきて、犬の散歩をしている人がちらほら。
明日どうしよう……?
誠のことが気がかりで、この日を終えた。
……明日が来なければいいのに。




