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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

何度生まれ変わっても

作者: 可憐
掲載日:2026/03/28

君は覚えてないだろうね…僕達は何度も生まれ変わり何度も結ばれていたんだ。

 僕達はそうゆう運命だから。


「あぁ……そうだ……俺とお前は結ばれる運命なんだ!」


 思い出したんだね……でも今は無理になっちゃったね…君を1人にはしたくなかったけど僕はもうダメみたい…ごめんね。


「行くな!俺を1人にするな!!」


 泣かせたくなかったんだけど…でもまたきっと会える……だからまた会おう……。


 そう言ってお前は俺の腕なかで冷たくなっていった。

 俺はその場で泣き叫ぶしかなかった。


 俺はゆっくり目を覚ます。

 俺は夢を見ていたようだ……。

 

 「……夢か……」


 俺は最近同じ夢を見る。

 顔は目が覚めると覚えてないが、俺の腕の中で冷たくなっていく女の人に対して俺は行かないでくれ!と泣き叫ぶ。

 その女の人が何か言っているがなんて言ってるのか覚えてない。

 だが、悲しい夢だからなのか必ず俺は涙を流しながら起きる。


 近くにあったティシュで軽く涙を拭き、顔を洗いに起き上がり部屋を出る。


「あ、お兄ちゃん。おはよう」

「あぁおはよう……」

「凄い顔してるよ……大丈夫?」


 部屋から出ると弟の奏と会う。

 俺は気づかなかったが凄い顔していたらしい……。


「あー……夢見が悪くてなー」

「本当に大丈夫?」

「心配するな、ただの夢見が悪いだけだから」


 心配かけたお詫びにポンポンと頭を軽く叩き、奏の頭を撫でる。


「ちょっといきなり頭撫でないでよ、お兄ちゃん!」

「アハハ、悪い悪い……ついな」

「もう!」


 奏は怒りながら、リビングへと向かっていった。

 俺も洗面所へと行き、顔を洗うとリビングへと向かう。

 奏は既に朝食のパンを食べていた。

 俺も席に着き、奏が用意してくれたパンを食べ始める。


 食べ終わり、俺と奏は学校へと行く。

 道中、朝見た夢のことを思い出していた。


 なぜ、最近同じ夢をみるのだろうか……そのせいか最近は寝不足ぎみだった


「本当に大丈夫?お兄ちゃん」

「ん?あぁ大丈夫だ」


 俺はそう答えて信号が青に変わって渡り半分くらいのところに来た時だった。

 

「危ない!お兄ちゃん!!」


 ドンッと押される感覚と奏の声。

 俺は咄嗟に体を捻り、声がした方へと見るとそこには車に跳ね飛ばされている奏の瞬間だった。

 俺はそのままその場に尻もちを着いた状態になる。

 ゆっくりと奏が跳ね飛ばされた方向へと向くと、そこには血まみれで倒れている奏の姿だった。


「奏!!」


 すぐに俺は奏に駆け寄る。

 奏はピクリとも動かない……それなのに血は流れ続けている。

 このままでは奏は死んでしまう……。


 周りが何やら騒がしいが、俺は奏で頭がいっぱいだった。

 構わずに奏を呼び続けていたらふと奏が目を開ける。


「お兄……ちゃん……」

「奏?大丈夫か!?」

「お……兄ちゃん……」


 奏は何か言おうとして口をパクパクさせていたので俺は奏に耳を澄ました。

 俺は耳を奏の口元へと持っていって何を言おうとしているのか確認した。


「お兄ちゃん……好き……」

「え?」


 こんな時に、奏は俺の事が好きだと言った。

 なんで?どうして?と思ってたら奏はそのまま目を閉じてしまった。

 顔色がどんどん青白くなっていき、呼吸も弱々しくなっていくのが分かった。


「奏?奏!!」

 

 その時だった……ズキリと鋭い痛みが頭にきた……。

 痛みはどんどん増していき意識が遠のいていくのを感じていた。

 だが今は自分より奏だ。 と俺は必死で意識を保っていく。

 するとどこからか救急車のサイレンの音が聞こえてきた。

 きっと誰かが呼んでくれたのだろう。


 少しして救急車が俺たちの所へと到着した。

 すると、先程の頭痛が嘘のように引いてきた……と同時に俺の頭の中からありえない記憶が過ぎった。

 いや俺の記憶だ。


 俺はある女性と結ばれる運命で、いつも出会っては結ばれていた。

 どんな姿になっても必ず結ばれていた。


 最初の記憶は俺は木こりだった。

 そして幼馴染みの女性がいた。

 俺はその幼馴染みの女性と結婚して子供も出来て、幸せに暮らし歳を取り、家族に見守れながら天寿を全うする。


 次の記憶は俺は犬だった。

 俺は雌と出会い結ばれ、子供も出来た。

 そして一緒に幸せに暮らし天寿を全うする。


 さらに次の記憶が甦る。

 俺は村人だった。

 女性もまた村人の一人だった。

 この時もまた結ばれ、子供は出来なかったが幸せに暮らし天寿を全うする。


 それから何度も何度も生まれ変わっては結ばれて来た。

      

 そして最後の記憶は俺とその女性は王子と姫として結婚式をあげようとしていた。

 その時も俺は記憶が戻っていなかったらしい……。

 けれど俺達は結ばれようとしていたが、王である俺を殺そうとした暗殺者から姫が庇い、命を落とした。

 俺は、そこで記憶が戻り何度も結ばれていたことがわかった。

 これが俺が最近、毎日見る夢の内容だ。

 

 そう……まさに俺は王子で姫は奏だ。

 俺と奏は魂の番だ。

 


 


 ふと意識が現実へと戻される。

 奏は手術室へと入り、処置が始まった。


「奏……思い出したよ……俺とお前は結ばれる運命のもの同士なんだな……だから、死ぬな!!」

 

 俺は奏の無事を願い続けた。

 1分が1時間に感じるくらい時間が長く感じる。

 両親には既に奏が事故に遭ったことを伝えた。

 2人は出張中のためすぐには来られない。

 俺は1人手術室の控え室で待ち続けた。


「奏……!」


 どのくらい経っただろうか……時間なんて見ていない。

 看護師が控え室に入って来た。


「寺島さん、手術終わりました

「奏は!?大丈夫なんですか!?」

「手術は成功しました。詳しくは先生が説明しますのでこちらへ」


 俺は別室へと案内された。

 部屋に入り椅子に座る。


「今、先生を呼んできますので少々お待ちください」


 そう言って看護師は部屋を出ていった。

 手術は成功したみたいだが不安でたまらなかった。

 少しして手術を担当した先生が入ってきた。


「寺島さん、奏さんの手術は成功しました。ただ……頭を強く打っていていつ意識が戻るか分からないのです」

「そんな……!」


 俺は自分を責めた。

 あの時、轢かれるのはなんで俺じゃなかったのか。

 また俺は君を失うのか……そんなことが頭をよぎった。

 その日は帰って来てもなにも出来ずにそのまま一睡もせずに朝を迎えた。

 今日は土曜日で学校は休みだったのは幸いだった。

 こんな状態じゃ学校に行ってもなにも出来なかっただろうから。

 昼には出張中だった両親が帰ってきた。


 両親に今の奏の状態を説明すると母がその場で泣き出した。


「ごめん、母さん……俺が着いていながら」

「お前のせいじゃない……だから、そんなに自分を責めるな」


 父に言われたが俺は首を降る。


「俺のせいなんだ……俺の……」

「薫……奏は大丈夫だ。奏は強い子だろ?だから大丈夫だ」


 父にそう言われ、俺はうなずく。

 そのまま部屋へと戻り、ベットに横になると一睡もしないでいたせいかすぐに眠りについた。


 それから俺は毎日のように奏のお見舞いへと来た。

 他愛のない話や今日起こった出来事を奏に話しかけていく。

 返事は当たり前にないが、俺は構わず話しかける。

 そのまま俺は面会時間ギリギリまでいた。

 今日も奏は目を覚まさなかった。


「奏、また明日来るな……」


 そのまま俺は病室を出て家へ帰る。

 そして次の日には学校に行ってその帰りにまた病院へと向かう。

 そして奏に話しかけ面会時間ギリギリまでいて家に帰る。

 毎日この繰り返しだ。


 そんな生活を続けて二週間が経った時だった。

 俺はいつものように奏に話しかけていたが、とうとう限界だったのか泣いてしまった。


「奏……俺、お前の声が聞きたい……お前と話しをしたい……早く目を覚ましてくれ!」


 俺は祈るように奏の手を握る。

 その時だった……ピクッと奏の指が反応した。

 俺はハッとして奏を見る。


「奏……?」


 俺は恐る恐る名前を呼ぶと、ゆっくりと奏の瞼が開いていく。

 そしてゆっくりと俺の方へと顔を向け俺と分かったのか小さく微笑んだ。


「お……兄、ちゃん……」

「奏!!」


 奏はゆっくりと手を俺の頬に持っていき、涙を拭う。

 俺はその手をしっかりと握る。


 それからすぐに医者を呼ぶ。


「よかった、意識が戻って……後はしっかりと回復するまでですね」

「ありがとうございます」

「よかったですね。奏くん、お兄ちゃんね、毎日お見舞いに来てずっと話しかけていたんだよ。いいお兄ちゃんだね」


 医者が奏にそう言うと奏は嬉しそうに微笑んだ。

 それからの奏は脅威的な速さで回復していき意識が戻って一週間後には退院した。


 退院して家に帰ってきて家族全員で退院を祝った。

 そして夜になり、部屋で横になっていると扉をノックする音が部屋に響いた。


「奏か?」

「うん……入ってもいい?」

「あぁ」


 俺が答えるとゆっくり奏が俺の部屋へと入っていく。


「どうした?」

「あ……えっと……隣座ってもいい?」

「いいよ」


 奏はベットに座っていた俺の隣へと座る。

 何やら奏はそわそわと落ち着きがないように見えた。


「奏」

「何、お兄ちゃ……ん?」


 俺は気付いたら奏にキスをしていた。

 驚いた奏の顔が目の前に見えて俺は慌てて離れようとしたら、奏がそれを引き止め、舌を絡ませてきたので俺はそれに答えるよう舌を絡ませる。

 しばらくしてようやく俺と奏は唇を離す。


「お兄ちゃん……やっぱり記憶戻ってるの?」

「……あぁ、戻ってるよ」

「僕、今男だけど……好きになってくれる?」


 奏はそんなこと言ってきた。

 そんなの決まっている。


「俺はお前が男だろうが女だろうが好きになるよ。だって俺たちは魂の番……だろ?」


 俺がそう言うと奏は俺の胸へと飛び込んできたので俺は奏を抱き締める。


「お兄ちゃん、好き!」

「あぁ、俺も好きだ」


 そして再び俺たちはキスを交わした。

 

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