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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

学校の日、死の日

作者: Rocky Pancakes
掲載日:2026/03/11

静かな教室。

――静かすぎて、むしろ息が詰まるほど退屈だった。


教室の前には一人の女性が立っていた。黒板に書かれている内容から察するに、この授業は数学らしい。


何人かの生徒はうとうとしている。

何人かはペンを指でくるくる回している。

他の連中はこそこそおしゃべりしていた。


教師は特に気にしていないようだった。眠たそうな表情を見る限り、彼女自身も生徒と同じくらい退屈しているように見える。


まるで、ただのいつもの一日であるかのように。


教室の後ろの席では、一人の少年が頬杖をついて座っていた。


彼の目は黒板ではなく――

その上にあるものを見つめていた。


壁に掛かった時計だ。


彼はため息をつく。


(この後、化学かよ……)

(なんなんだよこのクソ学校)

(朝から数学二コマやって、そのあとすぐ化学?)

(拷問するなら最初からそう言えっての!)


彼は横にちらっと視線を向けた。


隣の男子は手で顔を半分隠しながら――よだれを垂らしていた。


(トミー、もう寝てるし……)


デイビッドは小さく笑い、視線をまた動かす。


今度は――一人の女子へ。


彼女は綺麗だった。


いや、綺麗という言葉では少し違う。


まるで雑誌からそのまま出てきたモデルみたいだった。


(告白してみようかな……)

(俺みたいなのでも可能性あるのか?)


彼はまたため息をつき、椅子にもたれかかる。両手を後頭部で組んだ。


(でも……上級生たち、もうジュリアン狙ってるしな……)

(俺が告白したら、ほぼ自殺みたいなもんだろ……)


彼は目を閉じて、苦笑した。


(クソみたいな人生だな……)


「デイビッド!」


教師の声に、彼は飛び上がるほど驚いた。危うく椅子ごと後ろに倒れそうになる。


彼は慌てて立ち上がった。


「は、はい! なんですか先生!?」


「今言ったこと、もう一度言ってみなさい!」

教師は彼を指さした。


クラス全員が彼を見た。


ジュリアンも含めて。


「えっと……あの……」


デイビッドは素早く友達の方を見る。助けてくれと無言で訴える。


「どこ見てるの? トミーに聞いた? あなたに聞いたのよ!」

「話してる時は私を見なさい!」教師は怒鳴った。


トミーは唇を噛み、どうしようもないというように首を振った。


デイビッドは固まる。後頭部をかいた。


「ねえ……」


デイビッドは振り向いた。


隣の席の女子が、彼の袖を軽く引いていた。


「平行線のもう一方の直線にできる同位角の大きさは?」

彼女は小声でささやいた。


救命ロープのように、デイビッドはすぐそれに飛びつく。


「えっ! 平行線の同位角について聞いてたんですよね!」


「じゃあ答えは?」教師がさらに聞く。


「えっと……それは……」


デイビッドはまた彼女を見る。


しかし彼女が答えをささやく前に――


「エマ! これ以上答えを教えるんじゃありません!」


「自分で答えさせなさい!」


エマは静かに俯いた。


最後の希望が潰えたのを見て、デイビッドはゆっくり教師の方へ向き直る。


「僕は……

わかりません……」


「でしょうね」


教師は鼻で笑い、腰に手を当てた。


「勉強もしないし、授業中はいつも上の空!」

「廊下に立ってなさい!」


「チッ……またこれかよ」デイビッドは小声でつぶやいた。


「今なんて言った!?」教師が鋭く言う。


「何も言ってません!」デイビッドはすぐ返した。


「外へ。今すぐ!」


「行きますよ!」


彼は椅子をガタンと引き、机の間を歩いていく。


クラス全員がまだ彼を見ていた。


顔が真っ赤になる。


「クソ数学ババア……」

今度はもっと小さな声でつぶやく。


彼はドアノブを握る。


カチッ。


バタン!


「はい、みんな。彼は無視して続けましょう」

教師は言った。


「授業を続けます」


***


廊下。


デイビッドは壁にもたれ、ポケットからガムを取り出して口に放り込んだ。


(あのクソババア……)


(さっさと辞めて家で子育てでもしてろよ)


「はぁ……」


彼はため息をついた。


目を閉じて、頭を後ろに傾ける。


(そういえば……)


(エマ、けっこう可愛いよな)


(でも他の女子はいつも彼女をハブってるし……)


(もし告白したら、ジュリアンに笑われるだろうな)


(クラス全員に……)


クンクン。


金属のような匂いが空気に広がった。


(なんだこの匂い?)


デイビッドは辺りを見回し、廊下の手すりへ歩いていく。


中庭の向こう、隣の校舎。


廊下を必死に走る生徒たちが見えた。


(体育の授業か?)


(なんであんな――)


彼は目を細めた。


ただ走っているんじゃない。


追われている。


他の生徒たちに。


その生徒たちは――

口の周りが血だらけだった。


しかも動き方がおかしい。


(あの動き……)


(なんだよ……)


(演劇の練習とか?)


グルルル……


デイビッドはびくっとして左を見る。


そこに一人の生徒が立っていた。


口の周りは血まみれ。

肌は青白い。


そして目は――


完全に狂っていた。


デイビッドは言う。


「お前、大丈夫か? 兄弟……?」


ガアアアッ!!


突然そいつは飛びかかり、デイビッドに噛みつこうとした。


「おい――!」


デイビッドは迷わなかった。


振り向いて走る。


(なんなんだよあいつ!?)


***


教室の中では、教師の授業が続いていた。


外で何が起きているか、誰も知らない。


トミーは窓の外をちらっと見た。


廊下を走る友達が見える。


目を見開く。


デイビッドが――


血まみれの誰かに追われている。


***


「もう追ってくんなって言ってんだろ!!」


グラアアアッ!!


デイビッドは階段へ向かって全力で走り、後ろを見る。


あいつがすぐ後ろまで来ていた。


「クソッ――!」


最後の瞬間、デイビッドは横に避ける。


そいつは手すりに激突した。


デイビッドは両足をつかみ、そのまま押し出す。


「このクソ野郎!」


……


ドサッ!


(やば……殺したか?)


デイビッドは手すりから身を乗り出して下を見る。


そして――目を見開いた。


そいつが……


ゆっくり起き上がっている。


頭を持ち上げる。


そして真っ直ぐデイビッドを見る。


そのまま――


また登り始めた。


「うわ、マジかよ!!」


デイビッドはパニックで後ずさる。


ドン。


足が滑った。


そいつはもうすぐそこまで登ってきている。


デイビッドの足は力が抜け、麺のようにふにゃふにゃだった。


立ち上がれない。


だから彼は後ろへ這って下がる。


目をそらすこともできない。


ガァァァ……


「お、おい! 落ち着けって――!」

この短編は、昨夜見た悪夢から書きました……


もしこの物語をもっと広げてほしいと思ったら、ぜひ教えてください。

ちょっと仕事で忙しいので、正直に言うと、できればこのままにしておこうかなと思っています(まだ、これにもっと時間をかける価値があるかどうか分からないので…すみません)。


なので、もしこの物語に興味がある人が多ければ、シリーズ化するつもりです。

この話はオープンエンドで書いていて、すでにいくつかのキャラクターやアイデアも頭の中にあります。


何か反応をもらえたら、本格的に取り組みます。

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