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現代恋愛

黒羽さんは今日もおかしい

作者: 猫まつり
掲載日:2026/01/12


 私は深水しず14歳、中学2年生です。皆からはしずしずと呼ばれています。

 最近、私には大きな悩みがあります。それは………


「ぐへへぇ~、しずしず、いい匂い~。このまま私の抱き枕になってよ」


「………」


 幼馴染の黒羽さんがおかしくなってしまったことです。





………………





「黒羽さん!きょっきょう、良かったら、一緒にかっかえr」


「おい、抜け駆けすんな!黒羽さん!こんな奴と一緒に帰るより、俺t」


「ちょっと男子!黒羽さんが困ってるでしょ!黒羽さん!こんな芋男どもより、私たちと一緒に帰りましょ!」


 私の幼馴染である、黒羽さんはみんなの人気者である。眉目秀麗、才色兼備、文武両道、そして、すごく性格もいい。誰の目から見ても、完璧な存在である。

 私はというと、容姿は可愛い?らしい。黒羽さんを小さい頃から見てきた私には、ほかの人と容姿はそんなに変わらないように思えるのだが。

 そして、勉強は普通、運動も普通である。


 だけど、そんな平凡な私でも嫉妬の目を向けられることが多い。なぜなら………


「皆さん、ごめんなさい。今日はしずしずと一緒に帰る約束をしていまして………」


 これである。私は、幼馴染の特権で普段から黒羽さんとは一緒に帰っている。それが彼ら彼女らにはすごく妬ましいのだろう。黒羽さんが私と一緒に帰ると言ったことで、突然刺すような視線を私に向ける。

 でも、小さい頃から黒羽さんと一緒にいる私にとってそれは慣れたものだ。

 いつまでも涼しい顔をしている私に対して、周りは「まあ、しずしずなら………」とあきらめていく。私が幼馴染であることは、周知の事実だからだ。


 また、私が幼馴染であること以外にみんながあきらめた理由がある。それは、私がちょっと不気味であるからだ。


 というのも、私は、感情を出すのが苦手で、その表情は1日の中で変化することはほとんど、いや、全くないと言っていいほどない。黒羽さんから一緒に帰ろうと言われても、私の表情は一切変わることはない。

 だが、それが幸か不幸か、黒羽さんに何をされても変わることのないその表情は、みんなに対して、黒羽さんを独占する気がないというアピールになっているのだ。


 もちろん私だって、黒羽さんを独り占めなんてするつもりはないのだ。もっと、みんなと一緒にいてくれたらと思っている。だけど、黒羽さんはそれを許さない。


「それじゃあ、しずしず、一緒に帰りましょう」


 そして、黒羽さんは早く帰ろうと促すように手を差し出してくる。

 本当ならこの手は取るべきじゃないんだろうけど、私は………


「………うん」


 いつもの流れで手を取ってしまうのだ。

 

 それから私は、黒羽さんの手を取ったことで再び向けられた嫉妬の視線を背に受けながら、黒羽さんと帰る。私たちの家は隣同士なので、家に着くまでは一緒だ。


 家に帰った後は、ご飯を食べて、お風呂に入って、テレビを見て、寝る前にちょっと勉強して、いつも通り変わらぬ一日を送ることになるだろう。


 私は学校を出てもなお、手を離さない黒羽さんを見ながらそう思っていた。

 

 この時までは………





………………






 それから少しして、人気が少ないところまで来たときに、黒羽さんがため息交じりに愚痴を言ってきた。


「はぁ、全く私の身体は一つしかないというのに………人気がありすぎるのも考え物ですね………」


「………」


 黒羽さんは、みんなの前ではまさしく完璧超人ではあるが、幼馴染の私の前では、このように愚痴を言ったりする。私以外の人が今のを聞いたら、幻聴が聞こえたと自身の耳を疑うだろうが、私は別に何とも思わない。


 というのも、これは今に限った話ではなく、昔からこんな感じなのだ。私は昔から無口で、あまり会話という会話をした記憶がないのだが、黒羽さんは私が何も言わないのをいいことに色々なことを話すのだ。


 ○○君の向けてくる視線が鬱陶しいとか、□□ちゃんに告白されたとか、△△君がしつこいとか、もう本当に色々である。

 話を聞いていると、本当に黒羽さんは苦労していることが分かる。常人なら耐えられたものじゃないだろう。 


 そして、これを誰かに言えばある意味スキャンダルもの間違いなしだろうが、私がこのことを言っても誰も信じないだろうし、私自身も別に誰かに言ったりする気は微塵もない。

 黒羽さんもそのことを理解しているのか、どんどん愚痴を漏らしていく。

 それはもう、流水のごとく。


 そして、いつものように黒羽さんの愚痴を聞いていたらあっという間に家の近くまで来た。

 この後はいつもどおり、この辺りで別れて明日も一緒に登校する流れになるはずだったのだが、突然、黒羽さんが頭を抱えて苦しみだしてしまった。


「頭が、割れるように、痛い………」


 頭を抱えて苦悶の表情を浮かべている黒羽さんに、これはやばいと思った私は、急いで肩を貸して、とりあえず私のベットで寝かせようと家に向かった。

 重い足取りだったが、何とかベットに寝かせることに成功した私は、頭痛薬に飲料水、タオルに冷水の入った桶を用意して、一時、黒羽さんの看病をすることになった。


 ちなみに私の両親は共働きで、夜遅くまで帰ってくることはない。黒羽さんの両親も同じである。連絡を入れることも考えたが、うまく話せる自信が一切なかったので、看病をしながら黒羽さんの一刻も早い回復を願った。


 そして、1時間たったぐらいの頃、時々痛みで顔をゆがませながらも、寝息を立てて、静かに寝ていた黒羽さんが目を覚ました。


 黒羽さんはゆっくり上半身をベットから起こすと、私のほうをじっと見つめてきた。表情を見る限り、頭痛は収まっているように見えたので、私はよかったと一安心をした。でも、なぜか私を見つめたままで何も言わない黒羽さんの突然の言動に、私の表情は実に数年ぶりに動くこととなる。


「ちっちゃい、しずしずだ!かわいい!それに………スゥーーーハァーーーー。………なんていい匂い………」


「っ⁉」


 黒羽さんは私を勢いよく抱きしめ、よくわからないことを言い始めたのです。それに、私の首筋に鼻を近づけ、においを嗅ぎ、あまつさえ、いい匂いとか言い出したのだ。


 これまでの黒羽さんからは絶対に考えられない言動に、私は抱きしめられたまま、呆然とするのだった。


「ふふっ、しずしず、しーずしず、しーず、しーずしず❤」


「………」 

 

 それから、全く抵抗することのない私が、それを良しとしていると勘違いしたのか、30分くらいは抱きしめられたままだった。


 黒羽さんもさすがに悪いと思ったのか、バツの悪い顔で小さくごめんねと私に謝ってきた。それについては、抵抗しなかった私も悪いのでいいのだが、一体どういうことか説明してほしかった。

 そして、そんな私の心情を読み取ったように、説明をしてくれた。


「突然ごめんね、しずしず。急に抱きしめたりして、混乱したよね。………それで、私があんなことをした理由なんだけど………」

 

 黒羽さんが語った内容はとてもじゃないが信じられるものではなかった。

 どうやら黒羽さんは、未来で男に刺されて命を落とし、目が覚めたら中学生時代の私が目の前にいたそうだ。そして、私をじっと見つめていたのは、何が起こっているのか分からずに混乱していたからだという。


 この時点で意味が分からないが、仮にそうだとして、これまでの黒羽さんはどうなったのかというと、よくわからないらしい。黒羽さんはどうせ同じ私だからいいでしょと言っていたが、深く考えたらダメな領域の話だと思ったので、私もそれ以上は考えることをやめた。

 そして、私は未来までの出来事を経験してきた同じ黒羽さんとして、接することに決めた。


 突然抱きしめてきたり、においを嗅いだしたりしたことについては、どうやら今の黒羽さんは私のことが大好きらしい。それも恋愛的な意味で。

 これについても意味が分からないが、それには、未来の話が関わってくるとのことだ。


 大人になった黒羽さんは、道ですれ違えば老若男女の誰もが1度は振り返り、2度見するほどのスタイルと美貌をもっていて、異常なまでに男にモテていたそうだ。

 そんな未来の黒羽さんは、自身をノーマル?と言っていたことから、ワンちゃんあるかもと思った男たちから、毎日迫られていたらしい。


 黒羽さんはそんな己の欲望を隠そうとしない視線を向けてくる男たちに、今と変わらず鬱陶しいと思っていたそうだが、「俺のものにならないならっ!」と刺されて死んでしまったとのことだ。

 そして、死に際に思ったらしい。もう男のいる人生はこりごりだと。


「それで、気づいたの。本当の私を理解して、それでも一緒にいてくれるのは、きっとあなたしかいないって。もし、次の人生があるなら、そんな人を大切にしようって………」


「………」


「だからね、しずしず。私、私は………」


「………」


「あなたのことが大好きです」


「………」


 そう言いながら、今度はやさしく抱きしめてきた黒羽さんに、私は胸の奥で温かいものを感じていた。そして、同時に心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。

 私は、初めて感じるそれが何か分からず、病気じゃないといいけどと思いながら、そのまま静かに抱きしめられるのだった………


 それから、時間的にも日が沈むころだったので、また明日ということで黒羽さんは自分の家に帰った。私はというと、いまだに高鳴る心臓に本気で病気か何かを疑っていたが、色々あって疲れていたのか、ベットで横になったらすぐに眠りについてしまった。





………………





 それから、日が昇り、朝の支度を済ませて、いつも通り黒羽さんと一緒に登校するはずだったのだが………

 昨日に引き続き、黒羽さんがまたしてもおかしなことを言いだした。


「しずしず、私、決めたわ!私はこれから………」


「………」


「百合ハーレムをつくることにするわ!」


「………」


 黒羽さんはどうやら頭がおかしくなってしまったらしい。





………………





 私は学校に着くまでの間、その計画について説明されていた。

 黒羽さんは未来で人間関係、特に男との関係で失敗したことで最後には男に刺されて死に、男嫌いになったわけだが、そうなった原因は、男たちにワンちゃんあるかもと思わせてしまったことだと解説していた。

 そして、それなら私は、女の子が好きで女の子しか愛せないんだと周知してしまえば良いという結論に至ったそうだ。


 私はそれを聞いて、何故か胸がもやもやする感じがしたが、続く黒羽さんの言葉にそれは嘘のように霧散してしまった。


「もちろん何があっても、私にとっての1番は、しずしず。あなただけどね」


「………」


 私はそんな自身の心の情態の変化に困惑しながらも、よくわからないそれを無視することにした。


 それから、学校に着き、いつも通りの人気者の黒羽さんに戻っていたが、昼休みになって今朝話していた計画通りに行動を開始していた。


「ねえ、君。もしよかったら、一緒にお昼でもどう?」


「くくくく、くろ、黒羽さん⁉どどどど、どっどうして、私なんかと………」


「それはもちろん、君が可愛いからさ」


「っ⁉ぐっふっ!!!………」


 壁ドンをしながら迫った黒羽さんに、迫られた女の子はというと、ずりずりと壁伝いに腰を床に落として気絶していた。

 周りはというと、その光景に顔を赤らめながら、まじまじと見つめていた。そして、動揺していた。黒羽さんはいったいどうしてしまったのだろうと。


 すると、黒羽さんは後ろに振り返り、みんなに聞こえるように語りだした。

 みんなも、黒羽さんのいつになく真剣な表情に、ゴクリッと喉を鳴らして静かに耳を傾ける。


「私は皆さんに聞いていただきたいことがあります。実は、私は………」


「「「………」」」


「女の子が好きなんです」


「「「⁉⁉⁉」」」


 黒羽さんの衝撃の告白に、一瞬静寂が訪れたかと思いきや、黒羽さんが徐々に顔を赤らめていったことで、その言葉が真実だと悟った彼ら彼女らは、それぞれに反応をした。

 女の子たちはキャーと悲鳴のような声を上げて歓喜し、男たちは、まるで生気でも無くなったかのように、分かりやすく絶望していた。


「黒羽さんが女の子が好きだって!これは一大ニュースよ!今すぐ学校中に広めなきゃ!」


「やっぱり男どもには黒羽さんはふさわしくないのよ!」


「黒羽さんとの百合!………やっべ、妄想が捗るわぁ~」


 そんな、女の子たちの声で教室が支配される中、一人の男の声がそれを破るように教室に響いた。

 

「う、嘘だぁぁああ~!うわぁぁあああ~ん!!!」


 いつの日か黒羽さんが話していた△△君である。彼は泣き叫ながら教室を出て行ってしまった。

 やけになって、変なことを起こさなければいいけどと思っていたら、先生の怒気の含んだ声が廊下に響いた。


「おいっ!△△、廊下を走るんじゃない!!!」


 そんな声とともに△△君の「いっ嫌だ!生徒指導室だけは!」という悲鳴が聞こえてきた。

 どうやら、△△君は先生に連行されてしまったらしい。何とも悲しい最期である。

 黒羽さんはというと、そんな、ある意味でカオスとも呼べる状況で、一人邪悪な笑みを浮かべながら、呟いていた。


「さあ、次はどの子にしましょうか」





………………





 黒羽さんはあの日から、次々と自分の百合ハーレムにふさわしい女の子を誘惑しては、ハーレムに加えるという日々を過ごしていた。

 そして、今では、とうとう先輩後輩にまで手を伸ばしている始末だ。


 そんなある日、黒羽さんはまたしてもおかしなことを言いだした。それは………


「しずしず、私、とっても良いこと思いついちゃった」


「………」


「それはね………」


「………」


「将来有望そうな小さな女の子に声をかけて、今のうちに刷り込みしておくのよ!」


「?」


 黒羽さんはついに犯罪に手を染めるつもりのようだった。





………………





 それから、黒羽さんは百合ハーレムという情報網を利用して、将来、有望になるであろう少女らの情報を集めていた。黒羽さんにお願いされた彼女らは、まるで個人情報などあってないようにぺらぺらと色々なことを話し始めた。


 そして、集まった数々の情報を精査した黒羽さんは、すでに接触する順番を決めているようだった。少女たちと接触している間、私は何をするのかというと………


 私も一緒についていくことになっていた。拒否権はなかった。


 黒羽さんがまず、目を付けたのは、そろばんがめちゃくちゃできる子だった。聞けば、その子はIQも140を超えるほど頭が良いらしい。

 確かに、将来有望そうな子だと思った。でも、いったいどうやって百合ハーレムに加えるつもりなんだろうと考えていたが、そろばん教室を早足に出てきたその子に、まっすぐ近づいて行き、声をかけていた。


「ねえ、君、もしよかったら、私の百合ハーレムに入らない?」


「あなたはいったい何をほざいているのかしら。そんなものに入るわけがないでしょう?」


 その少女は黒羽さんの勧誘をそう言ってばっさり切り捨てていた。まさか最初から失敗かと思われたが、黒羽さんの表情を見ると、少女が百合ハーレムに入れることを確信しているようだった。


「でも、あなたは最近、とても退屈しているんじゃない?」


「………何が言いたいのかしら?」


「その年であなたほど賢いと、周りとうまくいってないんじゃないかって。私もそうだったから」


「………だとしたら?私は別に私を理解しない人たちなんてどうでm」

 

「私と一緒に来れば、その退屈な人生を変えてあげる」

 

「………」


 少女は黒羽さんの話を聞いて、深く考え込んでいるようだった。その時点ですでに黒羽さんの手のひらの上なわけだが、さすがの少女でも、それに気づいている様子はなかった。


「ふーん。そこまで言うなら、私が試験をしてあげる。それに合格したら、その百合ハーレムとやらに入ってもいいわよ」


「ええ、わかったわ。」


 これで少女の百合ハーレム入りは確定になってしまった。黒羽さんは、文字通り何でもできる天才なので、よほど運に作用されるようなものでなければ、負けることは万が一にもないだろう。

 それで、少女の試験の内容はというと、当然ながら少女の得意分野だった。


「あなたには私とフラッシュ暗算で対決してもらうわ!私に勝てたら好きにするといいわ!」


「ええ、その勝負受けたわ」


 少女はまるで自分が負けるなどありえないというように、自信満々にそう言い切っていた。そして、黒羽さんはというと………


「ふふっ、次の子はどうやって攻略しましょうか」


 すでに勝ちを確信したように、邪悪な笑みを浮かべながら、そう呟いていた。





………………






 その後、勝負がどうなったのかというと、結論から言えば、少女のぼろ負けだった。

 そして、少女はというと、格の違いを見せられたことで、泣くでも、怒るでもなく、困惑していた。負けるなど微塵も思っていなかったからだろう。そして、黒羽さんに深刻そうな顔で聞いていた。


「あなたは、毎日が退屈じゃないの?」


 そう聞いてきた少女に、黒羽さんは何でもないというような顔で答えていた。


「昔はそうだったわ。でも、私には今、彼女がいるから」


 そう言って、黒羽さんはうれしそうな表情で私の腕に絡んできた。そして、それを目の前で見せられた少女は、呆れた様子でこちらを見ながら、一息深いため息をついて自分の敗北を認めた。


「はぁ、完敗だわ。いいでしょう。あなたの百合ハーレムに入ってあげる」


「ええ、これから長い付き合いになるけどよろしくね」


 こうして、少女が一人、百合ハーレム入りを果たした。







………………








 あれから早くも時間が経ち、本日、私と黒羽さんは高校生としてデビューすることになった。

 今日までを振り返ると、あの日から本当に色々あったのだが、無事に高校生になることができて良かったと、壇の上で新入生代表として話をする黒羽さんを見ながら思った。

 そう、私たちは同じ高校に通うことになったのだ。それも、女子高に………


 黒羽さんはというと、手元にあるはずの演説内容の書かれた紙を見ずに、周りを見渡しながら話をしている。おそらく、話しながら、自身の百合ハーレムにふさわしい女の子を選別していることだろう。

 そして、ようやくすべてを言い終えたかと思われたその時、黒羽さんが突然全員に対して宣言をした。


「私はこの学校に百合ハーレムをつくりに来ました。私に選ばれた女の子は覚悟してくださいね」


 黒羽さんのその言葉を聞いて、この空間は大きなざわめきに包まれた。先生たちも突然の黒羽さんの宣言に混乱しているようだった。

 そして、そんな中「「「黒羽様~❤!!!」」」と、高く突き抜けるような声が響き渡った。

 そう、彼女らはすでに黒羽さんの百合ハーレムの一員となっている人たちで、同じ高校を受験して、見事合格をした者たちである。


 黒羽さんはというと百合ハーレム宣言をした後、私のほうを向いて微笑んだかと思えば、すぐに自分の席に戻ってしまった。


 きっと、すでに百合ハーレムの選別を終えていて、どうやって攻略しようか考えているに違いない。

 

 すでに黒羽さんの美貌に魅了されて、目をハートにしている人もいるし、全校生徒を掌握するのも時間の問題だろう。


 私はそんなことを思いながら、黒羽さんを見て、いつものように思うのです。


 やっぱり………


 『黒羽さんは今日もおかしい』と。













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