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アサカは指定された場所で待っていた。
「やあ、アサカちゃん」
相手はアサカの向かいに腰を下ろした。
「頼んでたもの、持ってきてくれた?」
「はい……これなら魔術を扱ったことがなくても使えるかと」
アサカはそう言って小箱を差し出した。相手は中を見ると軽くうなずいた。
「ありがとう。でもいいの?これ、大事なものなんだよね?」
「すぐに用意できるものの中ではこれが一番魔力を貯めておけるので……あとで絶対に返却していただきます。……ところで、科学の国にあった鍵ですが……無事に回収しました」
「そうか……うん、良かった。じゃあ、鍵穴に刺しておいてくれるかな」
「良いのですか?……一度刺さると、もう片方が刺さるまで抜けなくなりますが」
「いいんだ、その方がもう片方をおびき寄せやすくなるだろうし」
「……分かりました」
アサカは立ち上がった。
「……では、私はこれで」
「コーヒーくらい飲んで行けば良いのに」
「いいえ……瑠衣を迎えに行ってきます。二宮の取り巻きに捕まっていると思うので」
「ふーん、そうか。うまくいくといいね」
「はい。……それでは」
アサカは去っていった。




