3 五島列島
長崎ではお墓参りが大事な行事としてある、という話は聞いていましたが、お盆本番前にも関わらず、お花(暑くてすぐに萎びてしまうので造花)やお線香などで綺麗にしてありました。
墓石の名前の掘ってある部分が金箔で色付けてありまして、陽の光でキラキラしていて、それはもうまばゆかったです。
関西では見たことがないので、あちらの風習でしょうか。
祖父の墓の隣にある本家のお墓前には石造りのベンチがあり、うちの夫の実家のお墓や、私の父の入っているお墓とは、お墓の敷地の大きさからして違います。
霊園というのではなく、集落ごとに墓地があり、生活にお墓参りが根ざしているんだなぁと言うのが、見て取れる暮らしでした。もちろん中心部である町中は、少し離れた場所に墓地がありましたが。
観光では、五島の福江城二の丸跡にある記念館がなかなか楽しかったです。中で見られる観光映画「バラモンの空」も、たぶん昭和レトロな感じで楽しめると思います。
うちの父もあんなふうに凧作ったりしたんでしょうか?小学生高学年くらいから新聞配達をしていたらしいので、そんな余裕はなかったかもしれないですね。山の中でメジロを取ったりした話は叔母から聞いたことがありますが。
主人公の男の子が、他の観光映画にも出演していて、「あ、あなたはさっき見た…ここにもいらしたんですね?」と一緒に過ごしている気分になれます(たぶん撮影自体は四十年くらい前ではないでしょうか?主人公はきっと私や夫と同世代かと思われます)
福江城の近辺をうろついていると、ちょっと沖縄チックな家の構えがあったりして、琉球文化の近さを感じます。
島を一周しても、ゆっくり回って半日くらいでしょうか。のんびり何もしないという贅沢をするのに、ピッタリのこじんまりとした島でした。
半分観光半分父の遺言を果たす気分での旅行は、大変楽しゅうございました。初めて会った親戚は、これが血の繋がりかと思うくらいに似ていましたし。
また行けるかどうかは分かりませんが、とても良いところでした。もし行くとしたら、今度は妹を連れてのお墓参りとなるでしょうか?さすがに母は、足が辛いらしく遠出はしなくなりました。
とりあえず、五島列島へのお墓参りは終えたので、今度は沖縄の平和の礎にお参りに行こうと思っています。祖父の名も刻まれているそうですので。
亡くなる前の何十年か、父は毎年沖縄の戦没者追悼式典に参加しておりました。いつか、父に代わって参加したいと思ってます。