2 お墓参り
亡くなった父からの手紙で、五島列島に行くことになった私は…
こんな書き出しだとドラマみたいですね。私の中では手紙が届いた事自体は、かなりドラマティックな出来事でした。
まずは誰と行くか?
実家の母を連れて行く?そんな恐ろしいこと、ほとんど介護旅行になってしまうではないですか。
妹?母を連れて行くなら確実に妹も一緒に行ってもらわねば、と考えはしたものの、とりあえず日程の調整が面倒くさかったので、夫と二人で行くことにしました。
悩んだ末に翌年の夏、二泊三日で飛行機とホテルを予約。前日に福岡に前泊して飛行機に臨みました。
五島に着いたその日に、父の手紙に書かれてあった住所に向かいましたが空き家があるばかり…
集落の中にお墓は在るけれど、明らかにうちの祖父の苗字がない。
最終的に、母から聞いていた五島の父の従兄の家に電話をして待ち合わせし、お墓に案内してもらいました。
生まれて初めて会った祖父方の又従兄は、父に激似でした。おかしいな?父は祖母似だったのに…とよく見てみれば、輪郭が父と同じなのでした。つまりは骨格全体が親戚ゆえに似ていたようです。遠目で見ると、父に見えるくらいに姿形がそっくりでした。
多分九州全般の人に言えると思うのですが、おもてなしの心に満ち満ちていらっしゃる。
私がお墓参りに行くということは、元々母から又従兄やその一族に伝わっていて、実際私も何日何時に行きます、という連絡は又従兄の姉にしていたのです。
又従兄は、「来たら泊まってもらってもいいし、車も用意しとこう」等と思ってくれていたようです。
…有り難いのですが、お心は大変嬉しく思いますが…
初対面の人に家に泊まってご馳走になる勇気が私にはございません。
とりあえず墓守をしてくださっている又従兄の家族と、未だにどういう関係かわからない親族らしきお姉様(60代後半)と私たち夫婦とで、お墓参りをしてから、ご自宅でお茶を振る舞ってもらい別れました。
五島の見どころなど教えてもらい、後日には空港までお見送りいただきお土産までいただいてしまいました。
祖父のお墓には本当のところ「石」が入っているだけなんですが…一族のお墓とは別に一基建ててあり、大事にしてもらっている様子が伺えました。有り難いことです。
一応、手土産とお線香代という形で心付けを、又従兄に渡しました。
決して手ぶらで行ったわけではないですからね!