美しい大根
幻想的な霧が立ち込める湖畔で、
そこにいる裸体に薄いベールを纏った人の回りは、
さぞかしいい匂いがしそうだった。
雰囲気から美女に違いなく、
その空気を吸い込めばたちまち幸せな気分になれそうで、
誘われるように近づいた。
そして、爆発しそうな体と気持ちを抑えながら、
そのおみ足からベールをまくると、
そこにあるのは大きな大根だったんだ。
って、夢を見た話を、なぜ今するのかって?
友達の結婚式に着ていくドレスを選んでいる時に、
なんで、そんな、話をするのか、って?
この夢は暗示していると思うんだ。
これから現れる美女と、俺への警告と、最後にはちゃんと落ちをつけて、
俺の大切な人はやっぱり、ベイビー君でしたー!って、
大根で暗示していると思うんだ。
いやいや、美女と比べて君が劣っているから、
大根で表しているわけじゃない。
花より団子、手の届かないものよりも大根の方が腹が膨れるという、
昔話的な教えと、俺の性対象が大根方面っていう、
変態具合を表しているんだ。
大根は何も悪くない、細い大根だってある。
ベールは食べられない、大根は食べられる。
あとは何だろう?
とにかく大根には良いところがいっぱいある。
って話をしているのに、なぜ、今、
その立派なおみ足で蹴ろうとしているんだいベイビー?