第八節 まだまだ辛辣な爆破さん
「30体! スマシさんは30体もゾムビーを倒して、その後狩人に入隊したのですか?」
主人公が興味津々になって爆破に問いただす。
「ん? 私は趣味でゾムビー狩りをしていたことがあってな。その頃、80体倒して理事会に認められたのだが、それ以降は面倒で数えるのをやめたよ」
(……80……僕なんて、たった3体しか倒してないのに……スマシさん、スケール違いすぎますよ……)
ぐわんぐわんと頭を重くし、自信を無くす主人公。
「どうしたツトム、顔色が悪いぞ」
「いえ……何でも……あり……ません」
心配する爆破の言葉に、力なく答える主人公。
「そうか、ならいいんだが。まさかツトムが私のゾムビー討伐数を聞いて自信を無くしたかと思ってな。80体なんて大したことじゃないぞ。それに理事会が30体で認めるというのも生ぬるい。キリよく、50体ほどにしてほしいものだ。ツトムは――、何体ゾムビーを倒したのだ? まさか一桁じゃあないだろう……」
「どうせ3体ですよぉ!!」
主人公は涙目で叫んだ。
「何で泣いているんだ? まあいい。今日は紹介したい人物もいる。もう着いている頃か?」
そう言うと、携帯電話を取り出す爆破。
「私だ。爆破だ。もうラボには着いたか? ……ああそうだ、第4会議室だ。……何? もう部屋の前に居るだと? お前はいつも手が早いな。いいぞ、入れ」
「ピッ」
携帯を切る爆破。
「ウィ――ン」
ほぼ同時に会議室の扉が開く。
「紹介しよう。身体スグル副隊長だ」
そこには、軍服を着た、大柄で筋肉質な男が立っていた。
「お久しぶりです。隊長」
「おう、久しぶりだな。アメリカ視察はどうだった?」
「はい、問題無く終わらせてきました。現地で有能なサイキッカーを7名確認、アメリカに発生するゾムビーも彼らによって処理されるでしょう」
「分かった、では詳しい話は後で聞こう」